今、よく見かけるオンラインRPG(ロールプレイングゲーム)と言えば「基本料金無料」のゲームだ。ゲームを無料でダウンロードして無料で遊べる。
タダでゲームが遊べるのだからお得だと思われるかもしれないが、その似たり寄ったりの内容には、今後のオンラインRPGに対して危機感を覚えずにはいられない。

「基本料金無料」のゲームは、公式サイトで会員登録を行った後にゲームファイルをダウンロードしてプレイする。会員登録からダウンロード、プレイ料金は一切無料。
中にはゲーム内での一部アイテムに対して、リアルマネーで課金して取得できるものもあるが、もちろん課金アイテムに手を出さずとも、ゲームの進行になんら問題はない。
ここまでなら「タダでゲーム遊べるなんて得じゃないか」となるわけだが、今問題なのはその内容にほとんど違いが見られない事である。
例えば敵をマウスでクリックして、自キャラがオートで殴り続けるのを見て、必要な時のみ魔法やアイテムを使うだけでいい戦闘に、町ではひたすらNPC(ノンプレイヤーキャラ)のお使いをこなして、経験値とお金稼ぎを繰り返すという内容。
けっしてそれ自体が悪いというわけではないが、出てくるゲームがそればかりではユーザーだって飽きてしまう。
既存の遊びに簡単な付加要素こそあれ、基本部分に「このゲームならでは」と思える個性がない。
シリーズ物でもない全く違うタイトルなのに、ゲーム内でする事はどれも同じというのが現状なのだ。

「タダで遊べるのだから文句言うな!」と思われる方もいるだろう。
もちろん遊ぶ遊ばないはユーザーの自由だし、無料でプレイできるのだからお試し感覚で遊んでみて、気に入らなければやめても問題はない。
しかし、こういった新鮮味のかけらもない似た物ゲームばかり乱発される事で、ユーザーの心が離れてしまうのが一番の問題なのである。
今後オンラインRPGがどうなっていくのか、危機感を募らせるユーザーも多いのではないだろうか? すでに見放したユーザーもいる事だろう。

ユーザーが夢見ていたオンラインRPGの理想像とは違った方向へ全力疾走するメーカーは、一時のログイン数ばかりに目を向けないで、現状からの進化を見せてほしいところだ。
メーカーから向上心が見られないようになっては終わりである。

(編集部:林 裕之)

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