フランスのレキップ紙11日付の一面を飾ったのは、バイエルン・ミュンヘンで活躍するフランス代表MFのフランク・リベリ。見出しには「リベリ、ミュンヘンの王」という文字が躍った。

 今シーズン、ブンデスリーガ史上最高の移籍金でマルセイユから移籍したリベリが地元サポーターに「皇帝フランク」と呼ばれるほどの人気者になっていることは、フランスのメディアが好んで取り上げる話題だ。もちろんこの愛称は、ドイツ・サッカーの英雄、フランツ・ベッケンバウアーが「皇帝フランツ」と呼ばれたことにちなんでいる。

 最近では、先週の独スポーツ・ビルト紙の表紙をナポレオンに扮したリベリが飾ったことさえある。またリベリが入団してしばらくあまり仲がよくないと噂された主将のオリバー・カーンをして「彼とジダンに匹敵すると考えてもいい。テクニックによってではなく、彼がピッチで吹き込むリズムによってだ」(独ディー・ヴェルト紙)と言わしめたほど、リベリに対する賛辞が巻き起こっている。

 レキップ紙に掲載されたロング・インタビューでリベリは、「バロン・ドールは夢。それをつかむために僕が一生懸命になれる何かだ。僕はできることなら何でも欲しいと思う選手。バロン・ドールだってそうだ」と目標を高く掲げている。

 今年のもうひとつの大きな目標はユーロ2008。「いまバイエルンでできていることを、ユーロでも実現しないといけない。僕がどうしても勝ちたい大会だ。もちろんその前にはバイエルンでの試合がたくさん残っている。まずはそれをうまくこなすことだ」と語る。

 フランスに戻るつもりは当分ないようだ。「リヨンであっても行かない。ここではすべてが見事に運んでいる。僕が手をわずらわせることなんて何ひとつないんだ」と移籍先にバイエルンを選んだことを満足気に語るリベリ。ただし、古巣のマルセイユに対する愛着は消えていないようだ。UEFA杯でマルセイユと対戦する可能性が出てきたことについて、「ロッカールームを間違えないようにしないとな。前半と後半、両方のチームでプレーすることはできないかな?」とおどけてみせた。

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