今季のセリエAでGKが「股抜きゴール」を決められるシーンが目立つ。ラツィオGKムスレラはミラン戦で5失点したが、そのうち2本が股の間を抜かれたものだった。GKの守備範囲中、最も屈辱的なゴールが増えている現象を現イタリアSKY解説者ルカ・マルケジャーニが解説する。ラツィオのゴールマウスを長く守り、2000年のスクデット獲得にも貢献した。

「近年、南米出身のGKが増えている。南米ではGKのコーチングに際して、上半身を立てて手を低く構えた上で、両脚を広げたスタイルで飛び出すことを教えられるんだ」とGK育成方法のちがいを指摘した。

「この姿勢だとGKは股抜きゴールを決められやすい。ムスレラの失点は、彼自身の判断ミスもあるがこの基本姿勢に起因している。イタリアでは、GKはゴールから飛び出す際、ゴール枠ギリギリに打たれても対処できるように足とは逆方向に手を伸ばすことをまず教えられる」

 その点で最高の選手はペルッツィ(元ラツィオ)だった、と述懐したマルケジャーニ。彼もペルッツィも30代の最後まで長くプレーした。ウルグアイ出身のムスレラはまだ21歳。欠点を克服し成長する時間はたっぷり残されている。