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実用に耐えるEVの分野ではチャレンジャー

つまらないクルマ作りはしない、という大胆なフレーズを口にする、トヨタ会長の豊田章男氏。広報部門は歓迎するかもしれないが、GR86やGRヤリスのような、象徴的モデルだけでブランドは成り立たない。数をさばける、ファミリーカーも必要になる。

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果たして、近年のトヨタは有言実行を進めてきた。カローラやC-HRは、目を惹くスタイリングをまとい、心へ響く走りを叶えてきた。ウェッジシェイプのプリウスも。とはいえ、実用に耐えるバッテリーEVという分野では、チャレンジャーの立場にある。


トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

ここへ投入されるのが、C-HR+。個性が薄めのトヨタbZ4Xをベースに、高効率な電費と訴求力ある価格が目指された。シャシーも、運転の楽しさを意識した設定だという。

欧州でのライバルは、プジョー E-3008やルノー・セニック E-テック、シュコダ・エルロックなど。競争相手には事欠かない。

bZ4Xと雰囲気が近いスタイリング

プラットフォームは、bZ4Xも採用するEV仕様のe-TNGA。駆動用バッテリーは54.0kWhに加えて、試乗車のような72.0kWhも選択でき、水冷と空冷でしっかり温度管理されるそうだ。駆動用モーターがフロントに載る、前輪駆動が標準となる。

最高出力は、54.0kWh仕様で167ps。72.0kWhのロングレンジ版では、224psへ強化される。リアへ119psの2基目が追加される、四輪駆動も選べる。車重は、シングルモーターのロングレンジで1917kg。2.0tを切るのは、同クラスのEVでは珍しい。


トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

スタイリングもbZ4Xと雰囲気は近く、ハンマーヘッド・フロントマスクを採用。ヘッドライトは切れ長で、彫刻的なラインがボディサイドを彩る。ルーフラインはクーペのように傾斜し、リアのドアハンドルはピラーと一体になっている。

樹脂製トリムがボディ下部やホイールアーチを覆うが、面積は小さく、印象は都会派クロスオーバー。塗装は試乗車のグレーより、メタリック・レッドの方が似合うだろう。

地味でも人間工学へ基づいたインテリア

インテリアは派手さがないものの、製造品質は高く、人間工学へ基づいたデザイン。トヨタへ通じる、美点といえる。ダッシュボードなど目につく領域には、傷つきにくく掃除しやすい、ソフトパッドが貼られている。

マイクロスエードやプラスティック、レザー、クロスなど、車内は基本的にグレー。地味な見た目で高級感があるとはいえず、ドアハンドルやアームレスト下の収納ボックスなどは、若干安っぽいかもしれない。トヨタだから、耐久性は期待したい部分だ。


トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

大きなモニターパネルの下部には、エアコン用のダイヤルや物理スイッチが複数並び、タッチモニター中心のインターフェイスではないことに好感が持てる。ドアミラーは従来的なスイッチで角度調整し、ドライブモードもロータリーダイヤルで選べる。

同クラスのEVでは狭い部類となる車内空間

目線が少し高めの、運転姿勢は好印象。シートは、ソフトなクッションが良く身体を支えてくれる。ステアリングホイールは小径で、メーター用モニターが高い位置にある。速度などの表示は見やすいが、腕は自然に伸ばしにくく、長時間では疲れそうだ。

プラットフォームはEVへ最適化されたといわれるが、エンジン版のTNGAと設計の少ない部分を共有するとか。その結果、車内空間は同クラスのEVでは狭い部類となる。傾斜したルーフと相まって、後席へ高身長の大人が座ると、髪が天井へ触れてしまう。


トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

背もたれはリクライニングできるものの、明らかな余裕が生まれるわけではない。フロアが高めで、脚も自然な角度では伸ばしにくく、E-3008の方が広いことは否めない。荷室容量は416L。後席を倒せば、1207Lへ拡大できる。

スマホと同期しアプリを使うことが日常化?

タッチモニターは、他のトヨタと共通した、シンプル&ベーシックなシステム。カーナビとメディア、スマホとのミラーリングなど、頻繁に利用する項目が個別メニューで用意され、構成を理解しやすく、全体的に動作は素早い。

ただし、一部の機能の名称が特殊。例えば、DRCCはダイナミック・レーザー・クルーズコントロールで、RSAはロードサイン・アシスタントの略だ。筆者は、マニュアルを見るまでわからなかった。発進時に、告知情報を毎回消すのも手間だろう。


トヨタ C-HR+ デザイン(英国仕様)

細かい部分だが、メーター用モニターとフォントが異なるのも気になる。純正カーナビは、EVへの対応内容が基本的なもの。再生メディアの操作時は、マップ画面から切り替える必要もある。スマホと同期し、アプリを使うことが日常化するように思う。

気になる走りの印象とスペックは、トヨタ C-HR+(2)にて。