AIを導入したのに、なぜか現場が忙しくなった。そんな違和感を抱く人は少なくないだろう。効率化を期待して投じた費用が、思うように成果へ結びつかない。その背景にある業界の構造を読み解いたのが、実業家・マイキー佐野氏の動画だ。
 
佐野氏が鍵に挙げるのは「ねじれ」という言葉だ。データセンターや半導体といった物理インフラの投入コストが膨らむ一方、知能の対価であるトークン価格は急速に下落している。高価な設備で安価な商品をつくる格好になり、利益を圧迫する構造が生まれているという。従来の経済理論とは正反対の動きである。
 
業界は、インフラや半導体を担う上流と、モデル開発やAPI提供を担う下流に分けると分かりやすい。上流は供給制約を背景に価格交渉力を握り、下流は海外発のオープンソースモデルの台頭で価格競争にさらされる。同じ業界の中でインフレとデフレが同居する構図だ。顧客は安さを基準に代替サービスを選べるため、収益を確保しにくい。
 
さらに、米国の大手金融機関を対象にした決算の分析では、AIへの言及こそ多いものの、金銭的な成果を数値で示せた企業はごくわずかだったとされる。佐野氏は、コンピューター普及期に語られた統計上の謎や、導入初期に成果が沈むJカーブを引き合いに、この現象を紐解いていく。導入直後は業務の再設計や人材の再教育に手間がかかり、数字が一時的に落ち込むのは自然な流れだという。現場では混乱や在庫の増加が起きた実証例も紹介される。AIに思考や判断を任せきる使い方には、専門性が衰えるリスクも見逃せない。背景には、乗り遅れる恐怖から費用対効果の算定を置き去りにして投資を進める企業の心理もうかがえる。
 
株式市場が熱を帯びる裏で、債券市場ではAIインフラの資金調達に対する警戒感が強まっているという。巨額の投資を続ける上流と、回収に時間を要する現場。その温度差が、AI業界の現在地を映し出す。
 
では、AIの収益を見通すための次なる視点とは何か。その問いこそが、動画終盤の焦点になっている。AIの導入効果に手応えを感じている人や、AI関連の投資に関心を持つ人にとって、生産性と収益の見方が整理される内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営