「推し」と迎える正月、「コラボおせち」売れ行き上々…各社ブーム取り込み図る
来年の正月に向けたおせち商戦が本格化してきた。
おせちを手作りする家庭が減ったことに加え、様々な商品の開発により、選択肢が増えたこともあり、おせち市場は拡大している。今年の商戦は「推し活」のニーズを取り込もうと、人気キャラクターやゲームなどとの「コラボおせち」に力を入れる動きが目立つ。(岩崎祐也)
家族でわくわく
高島屋大阪店(大阪市中央区)は、「ウルトラマン」を蓋や風呂敷にデザインしたおせちを販売している。ウルトラマンの胸に付いている「カラータイマー」をモチーフにした容器や「バルタン星人」のハサミにちなんだカニ爪などを盛りつけている。
人気キャラクター「リラックマ」のおせちのほか、オンラインでは、来年に連載開始から55周年を迎える「ベルサイユのばら」をテーマにした商品もそろえた。
24日、同店を訪れた奈良県生駒市の男性(82)は「王道のおせちも良いが、小さい子どもがいれば家族みんなでわくわくできるはず」と話した。
洋風や個食向け
調査会社の富士経済(東京)によると、2026年の重詰めおせちの市場規模は前年比1・3%増の858億円となり、10年前に比べて4割近く増加している。27年も微増が予想されている。
伝統的な「和」のおせちにとどまらず、洋風や中華風、個食向けなど多様な商品の開発が進んだことも大きい。
今年は、ウルトラマンやベルばらなどお気に入りのアニメやキャラクターを応援する「推し活」ブームの取り込みを狙ったおせちが多い。
調査会社CDG(同)などが運営する「推し活総研」の今年1月時点の推計では、国内の推し活人口は約1940万人に上り、年間の平均出費額は約21万円だった。市場規模は約4・1兆円で、国内の日帰り旅行市場に匹敵するという。
カタログ通販「ベルメゾン」を手がける千趣会(大阪市北区)は、今年から「推(お)せち」と銘打ち、オンラインゲーム「刀剣乱舞ONLINE」や人気漫画「SPY×FAMILY」とのコラボおせちを用意した。広報担当者は「キャラ系は年々、売れ行きが上がっている。様々な『推し』に対応したい」と話す。
コラボおせちは、推しにお金を惜しまないファンのほか、子ども(キッズ)の心を持った大人(アダルト)を意味する「キダルト」の需要も見込める。子どもにも喜ばれることから、高島屋大阪店の広報担当者は「家族3世代や親子の共通の話題として楽しんでもらいたい」とアピールする。
