Steamの運営で知られるValveは2026年9月15日に新ハードとなるVRヘッドセット「Steam Frame」をリリースしました。電子機器の修理情報などを発信するiFixit(アイフィックスイット)がさっそくSteam Frameをバラバラに分解して中身を公開しています。

Steam Frame Teardown Valve Did This Right - YouTube

Steam Frame Teardown: We’re Fans. Except of the Fan - iFixit

https://www.ifixit.com/News/119488/steam-frame-teardown-were-fans-except-of-the-fan

「Steam Frame」はSteamライブラリ内のすべてのコンテンツに対応した、ストリーミング重視のワイヤレスVRヘッドセット+コントローラで、日本ではValve製品の正規販売代理店であるKOMODO STATIONで販売されています。価格は256GBストレージモデルが19万9980円、1TBモデルが24万4980円。なお、記事作成時点ではどちらも売り切れとなっています。



そんなSteam Frameに、Steam Deckで採用されていた「修理容易性を考慮した設計」が適用されているかどうかを検証するため、iFixitが分解調査を実施しています。なお、iFixitはValveと提携してSteam Frameを含むValve製ハードウェア向けの部品・工具・修理ガイドを提供していますが、今回の分解調査についてValveは編集プロセスに一切関与しておらず、調査結果の公開前に内容を確認することもなかったとのこと。

まず、装着時に顔の前後に当たるスポンジ部分であるヘッドレストフォームは手で簡単に取り外せます。この部分は使用中に汗が染みこむなど汚れやすい部分のため、取り外して掃除したり交換したりできます。



ヘッドレストフォームを取り外すと、外部microSDスロットが露出します。Steam Frameはストレージごとに価格が異なる2モデルが登場していますが、ストレージはmicroSDで拡張することも可能というわけです。



次に、内側部分にある留め具を3か所スライドさせると、ヘッドセット部分(前側)と顔に装着するためのストラップ部分(後側)に分離できます。その後はネジを外すことで分解可能。iFixitによると、同様のワイヤレスVRヘッドセットであるMeta Quest Proは「これまで分解した中で最も複雑なデバイス」だったそうですが、それと比べるとSteam Frameは分解修理に配慮された設計となっているそうです。

バッテリー部分は強く溶接されているわけではないものの、接着剤で貼り付いており取外しに多少手間がかかっています。また、ヘッドセットの演算ユニット内部も一部が接着剤で取り付けられていましたが、比較的簡単に分解できたとのこと。

動画では最終的に、基板も取り外すことに成功しています。基板には16GB of SK Hynixの「LPDDR5X」メモリがQualcommの「Snapdragon 8 Gen 3」の上に重ねられています。iFixitは「基板の周りは大量のケーブルがあり分解が困難ですが、修理でここまで分解する必要が発生することは基本的にありません。ユーザーによる修理のしやすさを考慮しコンポーネントをうまく配置しているValveの設計には感服します」と述べています。ただし、基板にはファンが取り付けられており、このファンは掃除や交換のためにもう少しアクセスしやすくなっているべきとiFixitは指摘。

また、Steam Frameのコントローラーについては、分解ではなくCTスキャンで内部を調査しています。Steam Frameのコントローラーは単3乾電池で稼働し、スティックには静電容量式タッチセンサーが搭載されています。スティックははんだ付けされていることが確認されており、修理が難しくなっているとのこと。



総合して、iFixitは「私たちは分解・修理のしやすさという意味においてSteam Frameのファンです。ただし、ファン部分の取り外しにくさは問題です」と述べています。Steam Frameの修理用パーツはiFixitのValve Repairにまもなく追加予定です。