不祥事で韓国を追われたスターたち…日本やアジアで築く“第二の芸能人生”と向き合うべき過去
不祥事などの影響によって母国での活動が困難になったとしても、スターの芸能人生がそこで終わるとは限らない。
活動の舞台を国外に移せば、再びカメラの前に立ち、作品に出演してファンの歓声を受けることもできる。
そんな“第二の芸能人生”を踏み出す韓国スターの存在が目立っている。
その一例が俳優のジスだ。

ジスは先日、フィリピンのYouTubeチャンネルで公開された現地のトーク番組に出演し、現在の暮らしについて語った。
フィリピンを拠点に俳優活動を続けている彼は、「ここに来て2年ほどになるが、今では第2の故郷のように感じる」と明かしたという。
2015年のドラマ『ラブリー・アラン』で本格的に注目を集め、その後も『ドクターズ~恋する気持ち』『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『力の強い女 ト・ボンスン』などに出演を重ねたジス。
しかし2021年、校内暴力をめぐる疑惑が取り沙汰され、出演中だったドラマ『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』を途中で降板した。
当時、ジスは自筆の謝罪文を公開した。その後は韓国での活動を事実上ストップさせたが、俳優人生そのものを諦めたわけではなかった。
2024年からはフィリピン作品への出演を開始し、現在は現地ドラマ『Taskforce Firewall』にも登場している。英語を習得し、撮影に支障をきたさないレベルまで語学力を高めたとも伝えられている。
単に活動の拠点を海外へ移したにとどまらず、異国の地で俳優としてのキャリアを一から再構築している形だ。
海外へ活動の場を広げるスターたち同じように、韓国とは異なる市場で活動を継続しているスターも存在する。
東方神起やJYJのメンバーとして人気を博したパク・ユチョンは、2019年に違法薬物の使用をめぐり有罪判決を受けた。
疑惑が浮上した当初は記者会見を開き、事実であれば芸能界を引退するとまで語ったものの、その後に有罪が確定した。それでも引退の言葉を撤回し、現在は日本を主要な活動舞台としている。
9月には日本でファンクラブの記念イベントを開催し、12月には東京国際フォーラムでコンサートも開催予定だ。新曲を発表し、SNSを介して日本のファンとの交流も継続している。

一方、『私の夫と結婚して』などで知られる俳優イ・イギョンも、活動の軸を海外へと拡大させている。
昨年、性的な内容を含むDMをめぐる暴露がネット上で拡散されたが、本人側は事実無根だと否定し、法的措置を講じる旨を表明した。その後、追徴課税を受けた事実も発覚したが、所属事務所は意図的な脱税ではなかったと説明している。
そうした一連の騒動ののち、イ・イギョンは海外作品への出演機会を増やしている。
まず、日本では今年1月から放送されたTBS系ドラマ『DREAM STAGE』に出演。7月には韓国とベトナムの合作映画『ママ、家に帰ってきて(Me Oi, Ve Nha)』を通して、ベトナムの観客の前に姿を見せた。
さらに、10月25日には東京で単独ファンイベント「2026イ・イギョンショー」を開催する予定である。

ジスがフィリピンで新たな俳優人生を立ち上げ、ユチョンが日本の既存ファンをベースに活動を繋ぎ、イ・イギョンが海外作品そのものへ進出する。アプローチは異なっても、韓国で活動が難しくなったのち、海外に新たな居場所を求めている点では共通している。
海外ファンの存在がもたらす再起の土台では、なぜ彼らは海外で活動を継続できるのだろうか。
スター本人が拠点となる国を変えさえすれば、自ずと仕事が生まれるわけではない。そこには当然、「また会いたい」「まだ応援したい」と願うファンの存在がある。
とりわけユチョンのように、以前から日本で絶大な人気を獲得していたスターの場合、韓国で逆風にさらされても、長年にわたり支え続けてきた海外ファンが残っている。その支持がコンサートやファンイベントを成立させ、新たな活動の土台となるのだ。それ自体を否定することはできない。
過ちを犯した者が生涯にわたって仕事をしてはいけないわけではなく、誰にでも再起の機会はある。ファンが好みのスターを応援し続けることもまた、個人の自由だ。
無条件の応援が抱える課題と境界線しかし、その応援が無条件のものとなったとき、話は少し複雑になる。
韓国で大きな騒動を引き起こしたスターが、国を変えれば以前と変わらぬ歓声で迎えられる。それは本人にとって大きな救いとなる一方で、海外で歓迎されることによって、本人が向き合うべき問題まで過去のものとして処理されてしまえば、再起と“リセット”の境界は曖昧になる。
ファンの存在はスターを再び立ち上がらせる大きな力となる。だが、どのような問題が存在しようとも「待っている」「ずっと応援する」と先回りして受け入れることが、果たして本当に本人のためになるのかという話だ。
グローバル化が定着して久しい現代において、そうした“第二の芸能人生”は今後、一段と珍しくなくなるかもしれない。ただし、新たな市場で拍手を受けることと、過去の問題が帳消しになることは同義ではない。
海外ファンの変わらぬ応援は、スターの再起を支える力となるのか。それとも、向き合うべき過去まで見えにくくしてしまうのだろうか。その問いもまた、彼らの歩む“第二の芸能人生”と切り離すことはできない。

