菊地亜美はマレーシア、舟山久美子はシンガポール…ママタレ移住先「費用の違い」と「子どもの英語学習」への効果
今年8月、ギャルモデルとして人気を博していたくみっきーこと舟山久美子が、夫と子ら一家そろってシンガポールへ移住したことをSNSで発表。お腹に三人目の命が宿っている状態での決断だった。
国外へ拠点を移すことを決めたのは舟山だけではない。実はこのところ、ママタレントとして人気の高い女性タレントたちによる「東南アジア移住ブーム」が起きているのだ。
舟山の友人である元「アイドリング!!!」の菊地亜美も、同月にマレーシアへ母子で移住しており、日本との二拠点生活に。またマレーシアへは、元グラビアアイドルの優木まおみも昨年から渡っている。
少々さかのぼると、高学歴タレントとして人気を博し、「オリエンタルラジオ」の中田敦彦と結婚した福田萌も、家族で2021年にシンガポールへ移住。今年、約5年間の移住生活を終えて帰国したことが話題を集めていた。
幼い子どもがおり、まだまだ自身も働き盛りという多忙な彼女たちが、なぜ今、東南アジアへ拠点を移すのか。移住先としてこの地域が選ばれている背景や、子育てとタレント活動という二軸を持つママタレたちにとっての移住のメリットや懸念点とは?
多くの日本人の海外移住をサポートしてきた株式会社アエルワールドの大森健史氏に解説していただいた。(以下、「」内は大森氏のコメント)
記事前編は【10年前なら欧米に行っていたはずの舟山久美子に菊地亜美…ママタレントの「東南アジア移住ブーム」の背後にあった「切実な事情」】から。
マレーシアとシンガポールの違い
ただ、東南アジアとひとくくりにしているが、移住するとなると国ごとに多様な違いがあるだろう。今回ママタレたちが移住先として選んだマレーシアとシンガポールは、移住の目的によってメリットが異なるのだという。
「マレーシアのほうがシンガポールに比べて全体的に物価が安いため、日本との二拠点生活でコストを抑えたい場合などに適しているでしょう。
現地でファミリー向けで立地やセキュリティなどがしっかりしている広めの住宅に住もうとすると、シンガポールでは月100万円程度かかりますが、マレーシアなら月20万円程度で条件のよい住宅を選べるケースがあるぐらい、賃貸物件の価格差があるのです。またレストランでの飲食代やスーパーでの食材費といった食費、または子どもの教育にかける学費も、シンガポールに比べるとマレーシアは半額ぐらいのイメージで暮らせるはずです」
シンガポールは生活費全般が割高になるようだが、もちろんそのぶんメリットがあるそう。
「シンガポールは富裕層を呼び込むためにビジネスしやすい環境を整えており、法人設立の手続きがシンプルだったり、所得税及び法人税率が低く利益を生み出しやすかったりと、ビジネス面でのメリットが多くあります。物価が高い富裕層向きの国ですが、起業してばりばり稼ぐというビジネス目的での移住なら理想的と言えるでしょう。
舟山久美子さんは家族でシンガポールに移住しましたが、彼女の夫は、現在はSNSマーケティング事業に注力するかなりの成功者だと聞きます。シンガポールでは個人の投資による売却益や国外所得は原則として非課税です。これは資産額が多いだけで受けられる優遇ではなく、所得の性質などによって扱いが異なります。こうした税制も、一般に移住先を選ぶ際の判断材料になりますね」
舟山のシンガポール移住は夫側の意向も大きかったのかもしれない。
「英語学習」という観点で考えるとコスパが良い
円安が続き、海外移住を検討する人々にとっては強い逆風が吹いている。にもかかわらず、あえて今、ママタレたちが移住へ踏み切っていく背景について、大森氏はこう分析する。
「ご本人たちも発信していますが、子どもの教育環境を考えてのことでしょう。移住を検討していない家庭でも、将来のために子に英語を話せるようにしてあげたいという親は多いものです。シンガポールは歴史的背景からもわかるように英語が主要言語で、マレーシアは非英語圏ですが英語が通じる国でいえば上位レベルなので、移住すれば日常的に英語を話す環境で育てられるという魅力があります。
おそらく移住先でもインターナショナルスクールに通わせることにはなると思いますが、日本国内でインターナショナルスクールに通わせるとなると、一例ですが年間授業料にそのほか必要経費を加えると年間450万円ほどかかるでしょう。一方マレーシアなら、入学金などは別途かかりますが年間学費120万~320万円程度の中から学校を選ぶこともできます。英語教育という観点で考えるとコストパフォーマンスが非常に高いのです」
大森氏いわく、「海外移住のハードルが上がっているからこそ、海外経験によって語学スキルを習得した人の市場価値が高まっていく」とのこと。
「また、マレーシアやシンガポールは親日国といえるので安心感があり、治安のレベルも高いので、移住先の候補に挙がりやすい。日常の防犯対策は別途必要というのは前提ですが、2026年版の世界平和度指数(GPI)では、シンガポールが世界8位、日本が10位、マレーシアが12位となっています。そういった総合的なバランスを考え、子どもの順応性が高く多感な年ごろに移住を決断するケースが多いのです。話題になっていたママタレのお子さんたちは未就学児か小学生だと思いますので、働き方や金銭面の条件さえ揃えばまさにベストタイミングだったのでしょう」
リモートも併用で臨機応変に仕事ができる
子育てにおいてはメリットの多い海外移住だが、人気商売のママタレたちにとって日本を離れて生活することにデメリットはないのだろうか。
「今はリモートで仕事ができる時代ですから、物理的な距離は以前ほどデメリットにはならないのでしょう。たとえば実業家の西村博之氏もフランスに移住していますが、テレビ番組にリモート出演している姿をよく見かけますよね。また東南アジアくらいの距離であれば、飛行機のチケット代も数万円程度でしょうから、必要に応じて戻ってくるという臨機応変の対応もしやすいのでしょう」
近年の舟山久美子、菊地亜美、優木まおみはテレビ露出が減っていた印象もあるが、それ以外にもママタレたちに共通していえることがあるそうだ。
「共通しているのは、インフルエンサーやタレント活動に加え、実業家としてのビジネスやプロデュース業など、活動の幅を広げていることだと思われます。オンラインで対応できる仕事や、日本への往来を組み合わせられる働き方なら、海外生活と両立しやすいでしょう。そういった働き方の選択肢が広がっていることも、海外移住を後押しする背景の一つといえるのかもしれません」
働き方のフェーズが変わってきていたという背景を考えると、今回紹介したママタレたちは海外移住に適したポジションの人たちだったといえるのかもしれない。
(取材・文=蜜ツ冶/A4studio)
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