「僕はもう出られます」頼れるリーダーがついに帰還。ロス世代の絶対軸・市原吏音が前倒しでU-21日本代表に合流。オランダ、ELでの経験を還元できるか【アジア大会】
「市原が今日から合流します」
まさかの連絡に驚いた。もともと、海外組のDF市原吏音(AZ)、DF小杉啓太(フランクフルト)、MF石渡ネルソン(シント=トロイデン)、FWンワディケ・ウチェブライアン世雄(オールボー)はインターナショナルマッチウィークに合わせ、第2戦後の合流が基本線だった。
市原は2028年夏に行なわれるロス五輪の世代を牽引する存在で、昨年9月のU-20ワールドカップでキャプテンを務めた実績を持つ。明るいキャラクターで先頭に立って仲間を束ねていく。まさに根っからのリーダー気質。すぐに輪に溶け込める性格で、受け入れる側に立っても兄貴分的な存在で常にウェルカムの姿勢を崩さない。そうしたスタンスが大岩剛監督からも評価されている。今年1月のU-23アジアカップで、主将の大役を任されて優勝に貢献したのは記憶に新しい。
今回のアジア競技大会に向けては、所属クラブでの出番が限定的な状況を考えて、本人も代表へのフル帯同を希望していたという。ただ、チーム事情で難しい状況もあった。そこでクラブ側と代表側が話し合いを実施。現地時間16日夜のヨーロッパリーグ(リーグフェーズ/サンダーランド戦)で怪我人などが出なければ、合流できるように調整をつけた。
その結果、0-1で敗れた一戦で怪我人などが出なかったため、その足でサンダーランドからアムステルダムに戻って、翌17日の早朝に現地を出発。関西国際空港から名古屋入りする強行日程で、チームのホテルに着いたのは選手を乗せるバスが練習場に向けて出発する30分前だった。
カステラなどで空腹を満たし、慌ててシャワーを浴びてバスの乗り込んだ市原。そこで選手と対面し、練習場についてからは真っ先に大岩監督のもとに駆け寄って挨拶した。
バタバタの状態で合流したが、モチベーションは高い。「僕はもう出られます」。そう言い切った市原は闘志を燃やしており、今大会を転機にしてクラブでの現状を変えたいと意気込む。
実際にAZ加入後は苦しい日々が続いてきた。オランダに渡って8か月。U-21リーグが主戦場で、トップチームで今季は1試合の出場に留まっている。大宮U-18時代は1年次から出場機会を掴み、3年次には一足早くトップチームに加わっていきなりレギュラーとして活躍したとあって、ピッチに立てない時期が続くのはプロキャリアをスタートさせてから初めて。そうした状況と向き合ううえで、日本代表の先輩たちとの食事会もメンタル面を支えるうえで大きかった。

