「生前贈与させてほしい」60歳の建設作業員がキャバ嬢ら5人から詐欺 裁判で証言した”エエ格好”

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関西弁で言えばエエ格好をしたかった」

東京・歌舞伎町のキャバクラ店で働く20代の女性に対して「生前贈与させてほしい」などと持ちかけて現金をだまし取ったとして、詐欺の罪に問われている中谷昌弘被告(60=逮捕時)の初公判が9月4日に東京地裁で開かれた。

この日の被告人質問で明らかになったのは、稚拙な犯行動機と皮算用的な弁済プランだった。

「中谷被告は昨年7月、キャバクラ嬢に対して『500万円の生前贈与をさせてほしい。贈与税として100万円を先払いする必要がある』などと持ち掛け現金をだまし取りました。キャバ嬢が現金を支払ったとたん連絡が取れなくなったことで警察相談。事件が発覚しました。中谷被告は5人の女性から合計650万円を同様の手口でだまし取っていました」(全国紙司法担当記者)

出廷した中谷被告は白髪の坊主頭で顔に深い皺が刻まれ、年齢以上に老け込んだ印象だったが、服装は若者に人気の高級ストリートブランドの黒Tシャツに白のタイトジーンズで、ファッションへのこだわりが感じられた。

最初に証人尋問が行われ、20年以上の関係が続く内縁の妻が証言台に。中谷被告の職業について問われると、「土木関係の仕事で建設会社の下請けです」と説明。逮捕については、「びっくりしました。正直なところ一生懸命に働いていたので」とショックを受けているようだった。

2人の間には障害を持つ20代の娘がおり、内縁の妻は「被害者の方が娘と一緒の年代で、とても腹立たしく思います」と中谷被告に対する失望と怒りを滲ませた。今後については更生するよう監督していくとしたが「同じことをしたら縁を切りますし、娘にも会わせません」と早口でまくし立てた。

次に被告人質問が行われた。弁護人から改めて、なぜ罪を犯してしまったのか聞かれると、30秒ほどの長い沈黙の後に中谷被告は、

「見栄を張ってしまったという1つの大きな要素があります」

と答えた。

イベントはデカいです」

現在の仕事について詳しい説明を求められると、

「もともとはイベントの仕事をしていました。その合間に建設会社でアルバイトをさせてもらっていました」

と話し、本職はイベント関連の仕事であることを強調。5人の女性から現金をだまし取ったとして逮捕されたが、弁護人から「返すつもりはあったのか?」と問われ、

「十分にございました。年末にイベントの話があり、返済しようと思っていたら逮捕された」

と弁明した。その具体的な方法については、

「知人からおカネをお借りして被害弁済したい。イベントが成功したら、その利益で弁済できると考えています。契約すれば着手金としていただくことができる」

などと皮算用プランを提示。それに対して検察は、返済の意思があったと主張しているにもかかわらず、女性からの連絡を絶ったことの矛盾点を指摘。説明を求められると、

「携帯には不慣れなものでブロックになっていることは分かりませんでした」

と答えるなど証言の信用性に疑問を抱かせるものだった。

だまし取ったおカネについては、

生活費もありますし、飲食に使った。他の女の子の洋服を買ったりした」

と説明。その背中には内縁の妻から大きなため息とともに鋭い視線が向けられていた。最後に裁判官から「見栄を張ったとはどういうことですか? 具体的にお願いします」と質問されると、

関西弁で言えばエエ格好をしたかった。援助することで関心を持ってもらいたかった」

と答えた。

続けて裁判官が、弁済方法について中谷被告がイベントの契約料で弁済できると証言した点について「経費を差し引いて手元にそんなに(約650万円)残るのか」と尋ねられると、

イベントはデカいです」

と言い切った。検察は「短期間で5名が被害に遭っており常習性が高い」として拘禁刑4年を求刑。これまでのイベント仕事での実績を繰り返し強調したが、逆に過去にすがる虚しさと無責任さを強調させただけだった。

判決は10月20日に下される。