山下美夢有(C)共同通信社

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 相手が悪かった。

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 通算9アンダーで並んだ山下美夢有(25)と吉沢柚月(22)のプレーオフは1ホール目であっけなく決着がついた。

 8月のmeijiカップで待望のツアー初勝利を挙げた吉沢は今季19試合でトップ10入り5回。上り調子の新鋭が国内メジャー大会初制覇を狙ったが、昨年の全英女子オープン覇者で国内ツアー通算13勝、米ツアーでも挑戦2年目で早くも4勝をマークしている山下はまるで動じなかった。

「山下は米ツアーを含めてプレーオフはこれで7戦5勝。重圧がかかればかかるほど、強さを発揮する。今季のFW(フェアウエー)キープ率79.48%は米ツアー3位の安定感。飛距離は出ずとも(平均飛距離252.84ヤード=147位)、まるでロボットのようなショットの正確性で相手を追い詰めていくのです」(ツアー記者)

 案の定、プレーオフで先にティーショットを打った山下のボールはFWをキープ。これを見た吉沢は1打目を右に曲げ、ボールがすっぽりと隠れる深いラフへ。この時点で勝負があった。レイアップを狙った吉沢の2打目は無情にもFW左のバンカーへ。山下は残り191ヤードの第2打を4番ユーティリティーでグリーンを捉え、難なくパーを奪って国内メジャー4勝目を手にした。

「山下はルーキーイヤーの2020年に弾道測定器『トラックマン』を300万円で自腹購入し、『5ヤード刻みで距離を打ち分けたい』と徹底的にショットを磨いてきました。2年後にはそれが『3ヤード刻み』になって、今は『150ヤード以内は2ヤード刻みで打ち分ける』という領域に入っています。このショットの正確性と、常々、本人が口にしている『プレッシャーのかかる場面ほど、自分のできることを淡々とやるだけ』というメンタルの強さが、プレーオフの戦績にも表れています」(前出の記者)

 ショットのリズムと感情が乱れないことから、ツアー仲間から「ロボット」「マシン」と称される山下が、史上11人目となる貫禄の国内メジャー3冠を達成。日本女子オープンを残し、史上初のグランドスラムに王手をかけた。