プロも苦戦する再現度! 日野とHORIが本気で作った大型車向け「超本格・教習シミュレーター」

この記事をまとめると
■家庭用ゲーム機の周辺機器を手掛けるHORIがシミュレーターを開発
■日野自動車や自動車教習所が監修した大型車両用のソフトとなっている
■外国人労働者などにも使えるように多言語に対応している
日野が監修した話題のシミュレーター
クルマを公道で実際に走らせるには免許が必須なのはもちろん、車両だって必要だ。しかし、これがシミュレーターになると一気にハードルが下がる。実際、教習所でもシミュレーターを使った授業は定番で、志向は異なるが、レーシングドライバーを目指す人、もしくはレーシングドライバーの訓練でもシミュレーターは広く使われており、徹底した挙動を再現するために、数億円かけてそういった施設を建てるチームもあるほどだ。

また、最近では建設機器やトラック、バスなどの特殊車両、大型車両も動かすにはそれ相応の設備や車両、人員が必要なことから、こういったシミュレーターを用いることが多い。
しかし、体験したことがある人も多いかもしれないが、eスポーツやそれこそレーシングドライバーたちが使うような本格的なものでないと、正直シミュレーターは参考にならないことが多く、あくまでイメージトレーニング程度でしか使えないものも少なくない。それでも、ひと昔前よりはかなりマシになったが……。

そんなシミュレーターの世界において、とある新製品が大きな注目を集めているので紹介したい。それが、ゲームに関する周辺機器(コントローラーなど)を広く展開する大手ゲーム機器メーカー、HORIが開発した自動車教習シミュレーターだ。しかもこれ、ただHORIが作ったシミュレーターではなく、なんと日野自動車が開発に携わっているというプロフェッショナル仕様なのだ。

ベースとなるソフトは、HORIが開発する自動車教習シミュレーター「JAPAN TRUCK DRIVING SIMULATOR(大型車両SIM)」と、「JAPAN DRIVER TRAINING SIMULATOR(普通自動車SIM)」であり、本製品には「ステアリング」「ペダル」「シフター」が付属。各パーツは実車同様の機能を完全に再現している。たとえば、シミュレーターの操作部にはフォースフィードバックを搭載した直径40cmの大径ハンドルを採用し、ハンドル回転角は左右合わせて1800度(それぞれ2回転半/900度ずつ)というスペックだ。設置は、ノートPCや3画面を使った本格的な映像出力にまで対応する。

運転できる車両は普通自動車をはじめ中型4トン、大型10トン、さらには牽引やバスと全モデルを網羅。これに登場する車両が日野の大型車両となっており、画面を通して見える世界がリアリティを追求した仕様になっているほか、車両データ、エンジン音のサンプリングなど開発過程でも日野が協力している本格派だ。

教習所まで監修が入る超本格派
しかも車両の雰囲気や挙動の再現だけではない。このシミュレーターはゲームに見えて、運転の訓練を行うものなので、運転教習の組込み監修では、物流ドライバー教育に強みをもつ埼玉県の指定自動車教習所「羽生モータースクール」や、外国人向けの運転教育コンテンツ開発を手掛けるスタートアップ企業「株式会社テトラ・シフト」と連携し、画面越しに徹底的な訓練が行えるように作られている。

対応する免許は、「中型一種」「中型牽引」「大型一種」「大型二種」となり、モードでは「検定教習」「卒業検定」「走行練習」を選べる。クランクや縦列駐車、左側走行といった緊張が走るような場面もリスクゼロで練習可能だ。
さらに、日本の交通規則に基づく左側通行の運転練習や、全国トラックプロドライバーの最高峰を競う実技コンテストのコースまでも再現されているほど。現役のプロのドライバーでも、もしかしたら手を焼く可能性があるほどの再現度なのだ。

加えて、実車では難しい教習運転後に見返し確認ができるリプレイ機能、車両挙動を確認できるアラウンドビューウインドウ。そして各教習課題には正確性の評価とタイム計測によるランキング機能といったゲーム的要素も搭載される。
このシミュレーターの誕生背景には、特定技能外国人の受け入れが自動車運送業分野に拡大されたことを受け、企画開発された事情がある。そんな事情もあってか、このシミュレーターは日本語はもちろん、英語、ベトナム語、インドネシア語、中国語といった多言語にも対応する。

早くもSNS上では、「家庭用が欲しい!」「ゲームセンターにおいてほしい」「もっと気軽に使えるように広く扱ってほしい」といった声が非常に多く、大型免許の取得を目指す人以外からも多数の支持を得ている。
この注目の最先端シミュレーターは、2026年9月17日(木)~21日(月)の5日間、幕張メッセで行われる「東京ゲームショウ2026」のHORIブースに出展されるとのことで、そこでは一般来場者もチェックできる機会が設けられる予定だ。

物流業界などにおける人手不足解決のために、政府だけでなく自動車メーカーやサプライヤーたちも水面下でさまざまな作戦を立案中だ。命に直結することなので、ハードルを下げすぎるのもよくないが、門戸を広げることで、そう遠くないうちに物流業界にも活気が戻る可能性もある。それこそ、家庭版がもしも登場したら、状況が変わるかもしれない。




