同志社国際高校

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 3月に起きた沖縄研修旅行での小型船転覆事故で生徒1人が死亡、16名が重軽傷を負った同志社国際高校。7月には死亡した武石知華さん(17)の遺族が、業務上過失致死容疑で当時の校長らを海上保安庁に刑事告訴。8月には旅行に同行していた教員が自死を遂げるなど、半年経っても余波は一向に収まらない。8月30日には、同校で事故後3度目となる保護者説明会が開かれた。しかし、そこで行われた説明は自己保身と責任回避の姿勢が見えるものばかり。出席した保護者たちは激怒したという。

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【写真を見る】辺野古に同行していた教員が亡くなった事故現場 「事故は自分のせい」と漏らし、憔悴していた

十分な質問が出来ない

 事故を巡っては、7月31日、第三者委員会による調査報告書が提出された。また、8月31日付で西田喜久夫校長が解任され、宿久洋氏が新校長に就任することに。こうした人事を受けて開かれたのがこの説明会である。

同志社国際高校

 学校にとっては、失われた信頼を取り戻すための場だったはず。しかし、スタート前から保護者からは批判の声が上がっていた。

「会の案内が来たのは、8月26日の18時頃でした」

 と語るのは、さる3年生の保護者である。

「開催のわずか4日前のことであまりにも急すぎます。同時に事前質問も受け付けられていましたが、その締め切りも8月28日でした。これでは十分な質問も出来ません」

個人で弁護士を

 説明会は前半と後半に分かれ、16時開始の前半が転覆したボートに乗っていた生徒の保護者対象、18時半開始の後半が全学年の保護者向けのものだった。校内で行われた前半には12組、計15名の保護者が、隣接する「新島記念講堂」で開かれた後半には100名弱と見られる保護者が出席したという。後半についてはオンラインでの参加も可能だった。

 転覆したボートに子どもが乗っていた、さる3年生生徒の母親が言う。

「それぞれの会のはじめには前校長も姿を見せていたのですが、冒頭で挨拶と形式的な謝罪をしたのみですぐに退席してしまいました。前半では参加者から“西田先生は月内までは校長なので、この席に最後までいないのはありえない”との指摘がありました。しかし、それに対する新校長の答えは、“(出席を)弁護士に止められているみたいです”と」

 会場からは「学校が雇った弁護士ですか」との指摘が。すると、答えは「西田校長が個人で弁護士を雇っているみたいです」。

「わざわざ個人で弁護士を頼むとは、どれだけ自分を守るのに必死なんだと思いました」

「やってる感」を出すために

 冒頭からこんな調子であったから誠実な対応を期待するにも無理があるが、その後の展開も、保護者の怒りを増幅させるものばかりだったという。

「 きちんとした謝罪と説明を望んでいたんですが…」

 と、やはり子どもがボートに乗っていた別の3年生生徒の保護者が言う。後半の会では、前に長机が置かれ、新校長と事務長、教頭と法人職員がマイクを手に座っていたというが、

「2日前に締め切られた質問に対し、準備してきた回答を学校側がひたすら読み上げるだけの場と感じました。それも“新しい体制の元で調査をするからここまでしか言えない”といったあいまいな回答が多く、誠実さを感じなかった。“やってる感”を出すために会を開いたという印象です」

 実際、資料や保護者の証言を元にすると、

Q.教頭の現地責任者としての責任の取り方は?
A.現在、学校法人において慎重に検討しています。

Q.関係者の処分は行わないのか?
A. 現在、学校法人において慎重に検討しています。

Q.今後も平和教育は継続するのか?
A. 新たに設置する検討委員会の結果を踏まえて、方針やテーマなどについて見直してまいります。

 といったやり取りが延々と続いたという。事故から半年経ってなお、「検討する」「見直す」といった具体性に欠けた“逃げ”の回答が目立ったのだ。

「刑事告訴中なので」

 その最たるものが、辺野古コースを担当した2名の教師への対応だった。先の保護者が続ける。

「これまで遺族に一度も謝罪をしていないんです。“どうして謝れないんだ”という指摘に対し、学校側は“学校としては謝るが、個人としては謝れない”といった言い方を繰り返していました。“刑事告訴中なので”というニュアンスの説明も」

 冒頭で述べたように、現在、教師たちは遺族から刑事告訴されている。

「しかし、会場にいたご遺族の弁護士は“謝る、謝らないかは裁判には何も影響しません”と指摘していました。それでも学校側は“できない”の一点張り」(前出・ボートに乗っていた生徒の母親)

 今後、自らに不利に働くような発言は控えておこうということだろうが、これでは自己保身と見られても仕方ない。

グダグダの進行

 会の数日前に教師が亡くなったことについてのアナウンスもあったものの、黙祷がなされたのみ。「週刊新潮」2026年9月10日号の取材によれば、この教師は、責任を痛感し、周囲には「自分のせいだ」「ご遺族に申し訳ない」と漏らしていたという。精神的な疲労が重なり、校長に休職を願い出たものの、引き留められたとの証言も。その末の悲劇であったのだが、遺族の要望があったとのことで、詳細は伏せられた。

 また、西田前校長に関しては、事故直後に沖縄を訪れた際、玉城デニー知事(当時)と会談。この時、「今後も訪問し、研修を継続させていきたい」と述べたことが問題視されていたが、

「これに対する質問も出ました。“なぜ会ったのか”“発言の意図は?”と聞かれ、“不適切だった”と答えていましたが、批判の声が上がっていましたね」(前出・ボートに乗船した生徒の保護者)

 通り一遍の回答の連続に、「ストレスがたまる…」といった苛立ちをにじませる言葉が会場では度々上がっていたという。

「歯切れは悪く、回答を読み上げるペースもゆっくり。進行はダラダラしていましたし、スクリーンに質疑応答の資料が映らないこともあり、“プリントを配れよ”との声も会場に飛び交っていました。とにかく進行がグダグダで、余計に時間がかかってしまっていた」(同)

子どもを人質に…

 結局、会が終了したのは22時半過ぎ。開始から6時間半が過ぎていた。

「22時頃には、質疑がまだ続いているのに、新校長が“あと10分で電気が消えるので…”と会を終わらせようとしたんです。参加者から“本当に消えるんですか?”と疑問の声が上がり、確認したところ空調は消えるが、電気は消えないということがわかりました。早く終わらせたいという姿勢が見え見えでしたね」(前出・ボートに乗っていた生徒の母親)

 不信感を募らせるだけの結果に終わった説明会だった。

 保護者たちの怒りは増すばかりだが、一方で、それをストレートに伝えられない“事情”もあるという。

「本当は、こんな学校に子どもを預けていてよいのか不安ですが、私たちは文句を言えない構図があるんです。推薦入試を希望しており、内申点を握られていますからね。学校に面倒くさい親だと思われて、それが影響するのは絶対に避けたい。正直、学校に子どもを人質に取られている気分です……」(冒頭の保護者)

 解決への道は、まだまだ遠そうである。

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デイリー新潮編集部