注目は迎撃ドローン・赤字のTerra Droneと光デバイスで最高益のサムコ|決算ウォッチ
この記事でわかること
・☆【注目度S級】Terra Drone(278A)
・◎【注目度A級】サムコ(6387)
・★【要注意D級】ReYuu Japan(9425)
・○【値動き注意】
・今日の相場観 FOMCと日銀会合の直前
・11日の答え合わせ 3社とも下げた
・またぎ注意
今日14日の決算発表は69社 注目は3社
プライム12社、スタンダード24社、グロース24社、REIT9社。決算期は7月期25社、1月期18社、10月期16社、4月期10社。
☆【注目度S級】Terra Drone(278A/精密機器)1月期2Q
8月25日、防衛装備庁の「迎撃ドローン早期取得プログラム」で国産迎撃ドローン「Terra B1」が実証試験を通過し量産段階へ進んだ。当初38社が提案し4社が採択されたなかで、通過したのは同社のみ。シャヘド型など長射程自爆型UAVへの対処を想定した機体だ。
Point:会社は業績への影響を「精査中」とし、納期は2026年9月頃。今日発表の2Qにはまだ売上が入らない。赤字計画のまま73.6%上げた株価は期待で買われたもので、数字はこれから出てくる。私が見るのは2Q累計の営業損失が8億3000万円前後で収まるか。前期2Q累計は6億6600万円の損失だった。
◎【注目度A級】サムコ(6387/機械)7月期 本決算
化合物半導体向けに特化した製造装置メーカー。6月12日の上方修正では期末配当も60円から75円へ引き上げ、売上5期連続・営業益6期連続・経常と純益7期連続で過去最高を更新する見通しとしている。
Point:用途別で化合物半導体が52.9%増、電子部品が151.6%増と伸びる一方、シリコン半導体は65.2%減。伸びているのは生成AI向けデータセンターの光デバイスで、1つの柱が全体を押し上げている形だ。今日は来期計画も同時に出る。7期連続の最高益のあとに会社が来期をどう置くか。私はそこを見る。
★【要注意D級】ReYuu Japan(9425/情報・通信業)10月期3Q
中古スマートフォンの買い取りと販売が柱。要注意と付けたのは、時価総額21億円に対し1日の売買代金が10億4700万円と、会社の規模の半分に近い商いが立っているからだ。
Point:上方修正の営業益改善5300万円のうち3600万円は系統用蓄電池の権利譲渡による利益で、本業ぶんは1700万円にとどまる。譲渡は7月10日に実行済みなので3Qに計上される。3Q単独で営業黒字が出ても、中身が譲渡益なのか本業なのかは分けて読みたい。値が動く余地は、下にも同じだけ開いている。
○【値動き注意】
値幅が大きく売買代金5億円以上の5社。事業の性格だけを添えた。
このほか学情(2301)、アインホールディングス(9627/4月期1Q)、巴工業(6309)、TOKYO BASE(3415)、クラシコム(7110)、Hamee(3134)、スマレジ(4431)などが発表する。REIT9社は分配金と稼働率で見るもので、この連載の切り口とは性質が違う。
今日の相場観 FOMCと日銀会合の直前
11日は一時2000円超下げて約1か月ぶりの安値。中東情勢の悪化でWTI原油が1バレル100ドルを超え、米8月のCPIが前月比で伸びを加速させて利上げ観測が強まった。キオクシア、ソフトバンクグループが売られ、三井住友フィナンシャルグループなど金融株は堅調。金利上昇で銀行が買われ高PERの成長株が売られる入れ替わりだ。日経平均▲1.93%に対しプライム平均株価は▲0.59%で、1.34ポイントの差が値がさ株の押し下げぶんになる。
※「プライム平均株価」とは、東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を、単純に平均した当サイトの独自指数(詳しくは記事末尾)。
今週は15日からFOMC、17日から日銀の金融政策決定会合。 原油高とCPI上振れの直後の会合で、今日の69社はその直前に置かれている。
11日の答え合わせ 3社とも下げた
11日付けの記事で3社の見どころを上げたが、答えは3社とも下げている。とくにモルフォは「値幅10.64%は上にも下にも同じだけ動く」と書いた、その日のうちに13.49%の下げ。前日は7.43%高だったので2日で方向が入れ替わったかたちだ。
9日発表の2社も前日の上げを返した。三井ハイテックは通期を2度目の上方修正で195億円に引き上げた会社だが▲7.66%。上方修正でも相場が崩れる日には売られる。決算の中身がよいことと株価が上がることは別だと何度も指摘しているが、11日はその見本のような日だ。ただプライムの63.4%が値下がりした日でもあり、地合いのぶんと決算への警戒は分けて考えたい。
またぎ注意
決算書Watchでは、またぎを推奨していない。
上がる株であれば、決算発表後も伸びるだろうから、そこで買っても遅くはない。
逆であれば、損切りしてマイナスを確定したほうがよい。
ただし、配当を目的にしている場合は、その限りではない。
持ち株の決算発表日が今日なら、またぐかどうかを決められるのは今日の取引時間しかない。今週は決算の中身に加えてFOMCと日銀会合という変数が乗るため、わざわざ賭けを増やす必要はない。
拙著『10万円を1年で100万円にする株式投資術』にも書いたが、株が動くのは決算の良し悪しではなく市場が見ていた線との差で、その差は発表という事実が出てからでないと測れない。損をしない、あるいは損を最小限にすること。それが私の基本的な考え方だ。
「プライム平均株価」について
東証プライムに上場する全銘柄の前日比騰落率を単純に平均した、当サイトの独自指標だ。時価総額でも株価水準でも重みをつけず、1銘柄を1票として数える。日経平均は株価平均型なので値がさ株の動きが大きく出て、TOPIXは時価総額加重なので大型株の影響が強い。計算には分割調整後の株価を使い、前営業日と当日の双方に終値がある銘柄だけを対象にする。9月11日の対象は1554銘柄だった。
これは日経平均やTOPIXより優れた指標という意味ではない。売買代金の大きい値がさ株の動きは、それ自体が相場の重要な情報だ。当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。
※本文中の決算数値は、各社が公表した決算短信(Terra Drone:2027年1月期第1四半期決算短信、2026年1月期決算短信およびその訂正版「(訂正・数値データ訂正)「2026年1月期決算短信[日本基準](連結)」の一部訂正に関するお知らせ」(2026年4月30日)、サムコ:2026年7月期第3四半期決算短信、ReYuu Japan:2026年10月期第2四半期(中間期)決算短信、2025年10月期決算短信)、サムコ「業績予想及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」(2026年6月12日)、ReYuu Japan「2026年10月期通期業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年7月10日)およびTerra Drone「防衛装備庁の「迎撃ドローン早期取得プログラム」における実証試験の通過のお知らせ」(2026年8月25日)にもとづく。株価・売買代金・日中値幅・時価総額はJPX公式のJ-Quants APIによる9月11日終値時点の値で、株式分割を調整済み。プライム平均株価は東証プライム全銘柄の前日比騰落率を単純平均した独自指標で、時価総額や株価水準で重みをつけず1銘柄を1票として数える。当社が独自に計算した指標であり、取引所等が公表する指数ではない。日経平均の終値と前日比は日経平均プロフィルの公開データ、TOPIXはJ-Quants APIによる。9月11日の売買高・売買代金と市況、寄与した銘柄は共同通信および報道各社の配信記事による。決算発表予定は日本取引所グループ(JPX)の公表資料による。
※本稿は、投資における情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株式の売買は自己の責任において、ご自身の判断で行うようお願いします。
記事を書いた人
コマンドY
スイングトレーダー。著書に『10万円を1年で100万円にする株式投資術』(2026年7月発行)。決算を「地雷を避ける」ための守りの道具として読み、上がり始めを出来高で確かめてから乗ることを基本にしている。
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