「売名行為だ」「同情を煽るな」の声も…なぜグラドル・小林マイカは兄の“膵臓がんステージ4”を公式アカウントで発信したのか

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グラビアアイドルの小林マイカさん(37歳)が、兄が膵臓がんステージ4と診断されたことをSNSで公表し、大きな反響を呼んだ。なぜ彼女は、身内の重大な病気について公の場で発信することを選んだのか。投稿後に届いた励ましや心ない言葉、さまざまな治療情報への戸惑いも含めて、本人に聞いた。

【画像】90キロほどあった兄が大幅に減量…「20キロ痩せた」と喜んだ後に判明した病気

「20キロ痩せた」喜びのはずが…兄に告げられた膵臓がんステージ4

──先日、SNSでお兄様が膵臓がんのステージ4と診断されたことを公表され、大きな反響がありました。まずは、診断に至るまでの経緯から教えていただけますか。

小林マイカ(以下同) 私は5人きょうだいの末っ子として生まれましたが、上は全員男です。今回、膵臓がんのステージ4と診断されたのは、3番目の兄(45歳)です。父は日本人、母はインドネシア人なので、きょうだいは全員ハーフということになります。

私たちの家族は、比較的仲がよい方だと思います。それぞれ実家を離れてからも、だいたい月に1回は食事をしていたんです。3番目の兄はもともと、170センチの背丈で90キロくらいはあったと思います。いわゆるビール腹のような感じで、社会人になって以降、みるみる丸くなっていきました。

医師から「糖尿病の一歩手前」みたいな忠告を受けたという話を聞いたことがあります。ところが今年3月にみんなで食事をしたころ、彼が「ここ最近、20キロ痩せたんだよ」と言っていました。確かに、少し細くなっていました。

──20キロ痩せるというと、相当外見も変わったのではないですか。

確かにそうかもしれません。兄はもともと“気合が入った”男性で、現場仕事をしていました。仕事熱心で、会社でも信頼してもらっていたようで、部下も多かったようです。もともとの外見は『ウシジマくん』みたいな感じで(笑)。いかつい人なんですよね。それにこの頃は本人もダイエットサプリなどを飲んで気をつけていたらしくて、急激に体重が減ったときも「やっと効果が出てきた」と喜んでいました。

──しかしサプリが奏功したのではなく、がんだった。

その通りです。そこからさらに10キロ単位で体重が減り、激しい腹痛に見舞われたそうです。病院嫌いの兄も、さすがにおかしいと感じて検査を受けたところ、膵臓がんステージ4だったといいます。それが今年6月に入る少し前のことだったと思います。

──お兄さんが膵臓がんのステージ4だったと知らされたときのことを覚えていますか。

直接兄から聞いたのではなく、母からの電話で知ったんですよね。ところが母もかなり動転していて、詳しい状況を聞き取ることができませんでした。「どうやら兄が生命にかかわる病気になったらしい」ということはわかったので、母との電話が終わったあと、3番目の兄に電話をしました。しかし電話はつながりませんでした。そこで、別の兄に聞いたところ、だいたいの概要がわかったんです。

──ご家族はもちろん、ご本人は落ち込んでいたのではないでしょうか。

そうですね。兄はインドネシアで活動するTikTokerの女性と再婚をしたばかりでした。彼女にはとても可愛らしい連れ子がいて、兄も「俺の子どもなんだよ」と紹介してくれたこともあります。兄の奥さんは28歳で、年齢差もあり、ビザの関係で今はインドネシアと日本で離れて暮らしていますが、頻繁にテレビ電話をかけてきたり、愛情深いことが伝わる女性です。幸せそうな兄をみていた矢先のことだったので、私もまたやるせない気持ちでいます。

「売名行為だ」「嘘をつくな」兄の闘病を発信して批判も…

──今回のSNS投稿は、普段のグラビア活動や発信とはかなり違う内容でしたよね。公に発信することへの迷いはありませんでしたか。

正直な話、投稿したときはアカウントの方向性まで考える余裕はありませんでした。とにかく兄の病気について、少しでも情報がほしいという気持ちで発信してしまったんです。

それは、私が自分自身のことをグラビアアイドルというよりも、「脱いだらいい身体している女」くらいに思っているからかもしれません。ファンの人たちも、ひとりの小林マイカとして受け止めてくれたと思います。

実際、ありがたいことに、励ましのメッセージが多く届きました。急にシリアスな話題を発信したことで、「そんな話は聞きたくない」と言われることも覚悟したんですが、そういう声がなかったのは救われました。

──そうした反応のなかで、これまで知らなかったファンの方たちの事情を知ることもあった?

そうですね。撮影会に来てくれる人や、会ったことはなくてもいつもコメントで応援してくれる人の名前は、だいたい覚えています。そんな方たちから「実は自分もがんの既往があって……」「母もステージ4でしたが、助かりました」というような声をいただいて、これまでファンと演者という立場だったけれども、距離が一気に縮まりました。

── 一方で、否定的な反応はありましたか。

あります。母からの第一報を受けたとき、「余命一カ月」と発せられたことに動転してしまいました。それまで、Xでは3番目の兄の一連の話をポストしていたため、SNSに「余命一カ月マジか」と書いてしまったんです。ただ、これはのちに「このまま何も治療をしなければ」という前置きがあることが明らかになったので、正しい情報ではなかったのですが、当時はそれを冷静に見極められずに書いてしまったんです。

すると、その書き込みに対して、「嘘をつくな」「売名行為だ」「そんなんで同情を煽るな」という言葉が書かれていました。その数は多くないものの、少し気持ちがげんなりしてしまいました。

兄の闘病をグラドルが発信するワケ

──さらに誹謗中傷でなくても、さまざまな魂胆で連絡をしてくる人がいそうですよね。

それも実際にいましたね。たとえば、「◯◯を入れたお風呂につかると、がんは治ります」というメッセージがきました。それから、「◯◯というお寺で住職をしているのでよろしければ」というような宗教の勧誘もありました。おそらく西洋医学を信じていない人から「◯◯治療は絶対にしてはいけません」という主張が届いたこともあります。

──まことしやかに言われると、頭が混乱しませんか。

それはあります。たとえば医師を名乗る方から、「自由診療の内容になりますが」ということで一般にあまり知られていない治療法のご案内をいただくこともあります。調べても確かに医師免許をお持ちの方のようでしたので、心が揺れますよね。やはり家族としては、少しでも望みがあるならすがりたいと思いますから。

私がSNSで発信するのは、芸能活動を続けてきた私にほんの少しの知名度があるなら、何かいい治療法につながれば……という意図もあります。そして、同じように苦しむ人々に対しても、紹介できればいいなと感じているところです。

※国立がん研究センターは、科学的根拠が確認されていない民間療法や自由診療について、治療効果や安全性を慎重に確認し、担当医やがん相談支援センターなどに相談するよう呼びかけています。

──仲のいいお兄さんのためという一心での投稿だったわけですね。

そうですね。1番上、2番目の兄は、年齢が10歳近く離れていて、私が物心ついたときにはすでに大人でした。だから私にとっては3番目の兄が“頼れるお兄ちゃん”だったんですよね。

そんな兄が、セカンドオピニオンで私と一緒に訪れた病院で「治療をして、だいたい余命は半年から1年でしょう」と医師から言われたときのことは、忘れられません。かなり落ち込んだ様子で、でもしばらくして吹っ切れたような素振りを見せました。

そして「半年くらいかー、何しよう。わかるか? 結構つらいんだぞ」と私に言ったんです。私はきょうだい間のキャラ的にも、気の利いた言葉で慰めたりできなくて、「大丈夫っしょ、いけるっしょ」みたいなことしか言えませんでした。

──小林さんは、これからお兄さんにどうなってほしいですか。

もちろん快復してほしいと願っています。ただ、精神的にも非常につらい状況にあると思います。今はインドネシアにいる奥さんと子どもに早く会えるようになって、そして可能なら、自分の気持ちを打ち明けるためにSNSなどで発信したらいいのではないかと思っています。

これまで社会人として、多くの部下たちから慕われてきた兄ですから、同じような状況にある人たちと繋がることによって、目的を失わずに生きることができるのかなと。兄は、私にとってそんな男性なんですよね。

取材・文/黒島暁生 写真提供/小林マイカ