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ミシュランガイドで14年連続一つ星を獲得した焼き鳥の名店『鳥しき』に、セレブも集まるイギリスの由緒あるポロの大会『ロイヤルウィンザーカップ』からパーティーへの出店オファーが舞い込んできました。慣れない異国の地で奮闘する焼き鳥人生をかけた職人・池川義輝さんの挑戦を取材しました。

■大将の夢「“焼き鳥”を世界の方に知っていただきたい」

池川さんが切り盛りするのは、2007年創業の東京・目黒にある『鳥しき』。メニューは“おまかせ”のみで、客の食べるペースに合わせて目の前で一本ずつ丁寧に焼き上げ提供するスタイルです。

特にこだわっているのが、鶏肉が焼ける音に、リズム感あふれるうちわさばき、そして香りなど、ライブ感あふれるパフォーマンスです。“五感”で楽しむ焼き鳥が評判となり、2011年から14年連続でミシュランガイドで一つ星を獲得しました。

大将には、“焼き鳥を世界に知ってほしい”という長年の夢があるそうです。焼き鳥は、すしやラーメンに比べたら海外での知名度は“まだまだ”だといいます。

■セレブが集まる豪華パーティーに参加

そんな大将のもとに、イギリスの由緒あるポロの大会『ロイヤルウィンザーカップ』からパーティーへの出店オファーが舞い込んできました。このチャンスに、「ロンドンの方にも僕らが大事にしている『焼き鳥』というものをぜひ食べていただき、パフォーマンスとしても楽しんでいただきたい。そして、どれだけ自分たちができるかというのも楽しみの一つです」と意気込みました。

■「気は抜けない」こだわりの串打ち

日本から飛行機で約14時間かけて、ロンドンに到着した大将。最初に向かったのは焼き鳥を仕込むセントラルキッチンです。現地で調達した食材や炭をチェックします。

まず、鶏肉を手に取り色味やにおいなど細かくチェックすると、大将は、「もの自体はすごくいいですね。フレッシュですね。ハリが出てる」とコメント。

次に確認したのは、日本から取り寄せたという炭。大将によると、炭同士を打ちつけて、金属音がするとちゃんと詰まっていて火力が強いそうです。たたくと、キッチンに「キンキン!」と響き渡りました。確認を終えた大将の顔には笑顔が。満足のいく材料がそろったようです。

■おいしさは“仕込み”から

そして、大将こだわりの串打ちを見てみると肉の形が“ひし形”になっていました。この形は、焼き鳥をおいしく焼く秘密だそうで、焼き台の火力が弱い手前と奥には薄い肉を刺し、火力が強い中央には厚みのある肉を刺します。こうすることで、一部だけを焼きすぎることなく、火の通りが均一になるそうです。

真剣に仕込みを進める大将は、「細部にこだわることが結果、焼き鳥をおいしく焼いてお客様においしく食べていただくポイントになるので、極力気は抜けないですね」と話しました。

■初お披露目も焼く場所にあ然…

大将たちが、次に向かったのは英国王室にも愛されるという会員制レストラン。ここで本番の『ロイヤルウィンザーカップ』の前夜祭として日本食の特別ディナーが現地の人たちに振る舞われます。

大将の焼き鳥ロンドンで初お披露目となるため意気込んでいましたが、レストランのオーナーに焼き場として案内されたのは、キッチンではなく、なんと屋外のゴミ捨て場近くの非常階段でした。

■「動物臭が…」 別の場所をオーナーに交渉

どうやら焼くときに煙が出ることから、屋外の非常階段を指定されたそうです。困惑する大将は、「初めての経験です、なんか動物臭がしますよね」と驚きを隠せない様子。その後、別の場所で焼かせてもらえないかオーナーに直接交渉し、他の場所を検討してくれることになりました。結果は明日、果たして…。

ロンドンのセレブに「チキンパワー!」

一夜明けオーナーに案内されたのは、3階のVIP専用テラス。大将の交渉が実を結び、特別に使用を許されました。

ゲストが食事する1階では、和やかなディナーがスタート。大将のほかにも、 鮨由う(すし)や飯田商店(ラーメン)、すき焼割烹 日山(しゃぶしゃぶ)と日本の名店が参加しています。

ゲスト全員に極上の一串が渡ります。ゲストに感想を聞くと、「とてもおいしいわ! デリシャス!」とコメント。評価は上々な様子でしたが、大将は満足しません。他の料理は、1階でゲストの目の前で振る舞われているためです。

■大将の秘策“ライブ配信”

焼き鳥だけ、ゲストのいない“3階のテラス”。大将がこだわっているパフォーマンスが披露できていません。そこで解決策として大将が始めたのは、焼いている姿をライブ配信するということ。ゲストが食事をする1階では大将の秘策 “ライブ配信”に興味津々のゲストがいました。

■「アメイジング」日本の焼き鳥を絶賛

すると、実際に焼いている姿を直接見ようと、3階のテラスまで足を運んでくれました。大将はうれしそうに、「いらっしゃいませ! チキンパワー! チキンパワー!」とゲストを迎え入れました。

ロンドンでは見慣れない焼き鳥を目の当たりにしたゲストは、「チキンパワー! アメイジング、すごい~! 炭はとても美しい」と驚いた様子です。感想を聞くと、「私は普段バーベキューやスモーク料理をよくやりますが炭と鶏肉・味付け・そしてタレを使った焼き鳥はすばらしいです」と絶賛しました。

■本番当日にもトラブル発生

いよいよメインイベントの日。英国王室ゆかりのある大会『ロイヤルウィンザーカップ』のアフターパーティーとして日本食が振る舞われます。しかし、ここでも想定外のトラブルが起こりました。

会場に到着した大将がブースに行くと、気になったのは正面に置かれた背の高い作業台。これでは、焼き台を置いたとしても手元が隠れてしまい、ゲストにパフォーマンスを楽しんでもらえません。

大将は、「フラットな台にしていただいた方が、むちゃむちゃ皆さんに(焼き鳥を)分かっていただけるっていうその理由だけです」と高さの低い作業台を正面に置きたいとイベントスタッフに直談判します。

その必死の訴えがイベントスタッフの心を動かし、作業台を変えてくれることになりました。

■世界に焼き鳥のパフォーマンスを

完成したレイアウトは、ゲストが目の前で焼き鳥のパフォーマンスを楽しめる大将のステージとなりました。
大将 は、「(気分が)上がってきますね。舞台っすよ、完璧に僕らの」とやる気は十分です。

■セレブが“おかわり” 焼き鳥に感動

オープン前には既に行列ができていました。大将の真心こもった焼き鳥を口にしたゲストは、思わずうなずくなどその味わいに満足な様子です。中にはあまりのおいしさに、「風味がとてもいいね。やわらかくておいしい。もう一度並んでおかわりしてくるよ!」とおかわりを狙う人まで現れました。

■カリスマモデル焼き鳥に笑顔

SNSフォロワー数およそ1600万人を誇る人気モデルのアレクシス・レンさんは、「オーマイガー。so good!」とコメント。

焼き鳥に「アーメーーーーン!」

焼き鳥との出会いにテンションが上がった歌手・ソニークさんは、「アーメーーーーン! チキンパワー! すばらしいチキンだわ!」と味の感想を歌で表現しました。

■「まるでバター」 ハリウッドスターもうなる焼き鳥

そして、ソファーに座り、優雅に焼き鳥を頬張っていたのは、映画『ミッション:インポッシブル』 に出演するハリウッド俳優のヘイリー・アトウェルさんです。焼き鳥の感想を聞くと、「まるでバターを食べているみたいでおいしいわ!」と独特な表現で伝えてくれました。

ハリウッドスターからお墨付きをもらった大将は、「トップスターが本当においしそうに気軽に食べている姿、普段的なリラックスな感じで食べているのが焼き鳥の良さですね」とうれしそうに話しました。

■ハリウッドスター、焼き鳥に興味津々

ヘイリーさんは、よほど焼き鳥を気に入ってくれたのか、大将が焼いている姿を見たいとブースまで来てくれることに。一本一本、丹念に焼き上げる職人の技に、ヘイリーさんは、「うちわで火加減を調整するのね。何度も(焼き鳥を)ひっくり返すのは、焼きすぎないための工夫かな」とコメント。

■ハリウッドスター⇒焼き鳥職人に

さらに大将が、「一緒に焼きますか? 熱いですけど」と誘うと、ヘイリーさんは、「ぜひ!」と答え、焼き台に立つことに。ハリウッドスターが焼き鳥職人に変身です。

ヘイリーさんは、「こうかしら 1、2…私 センスあるかも! あと、こちら側もね」と大将のマネをしながら楽しそうにしていました。

ロンドンのセレブたちに焼き鳥のすばらしさを体験してもらった大将は、「焼き鳥は所作もすごく大事にしていて、口に入れたときにエネルギーを感じてもらうことで、おいしいとか元気になるとかが成立するので、そこを見てもらったことがすごく大きかったです」と今回の挑戦を振り返りました。

焼き鳥に情熱を注ぐ、大将の挑戦はこれからも続きます。

(8月31日放送『news every.』より)