高齢でも若く見える人はどこが違うのか。医師の和田秀樹さんは「男性ホルモンが大きく関わっている。男性も女性も、男性ホルモンの分泌量が増えると心身が若返る」という--。(第2回)

※本稿は、和田秀樹『死ぬまで楽しく生きる本』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Iurii Maksymiv

同窓会なんて「気分しだい」でいい

みなさんは同窓会に行かれるでしょうか。昔の友人と会いたいから、必ず行くと決めている人もいるでしょう。

私の場合、東大医学部の同窓会から誘われることがあり、たまに行ったりしています。同窓会のメンバーの中には教授になった人もいますし、私のようにそのコースから外れた者もいます。

でも、だいたいの参加者は、いわゆる「勝ち組」が多いのです。そして、同窓会というのは、「勝ち組のメンバーたちが楽しむ集まり」というのが実態です。

私は勝ち組ではありませんが、本をいっぱい出しているので、昔の仲間にも知られているようです。だから、同窓会にも誘われるのでしょう。

このように、東大医学部の同窓会は勝ち組の自慢話ばかりなので、私が聞いていてもあまりおもしろくありません。

でも○○君が再婚したとか、昔の仲間の消息を知ることができたりすることもあって、まったくつまらないわけではありません。

まあ、暇があれば行くけれど、無理にスケジュールを空けてまで行くことはない。そんな「気分しだい」での参加です。みなさんもそれくらいの感覚で、同窓会の参加、不参加を決めてよいのではないでしょうか。

■年をとると「病気自慢」が多くなる

高齢者の同窓会で多い話題といえば、病気自慢でしょう。俺はこんな病気で手術をしたとか、何種類もクスリを飲んでいるとか、そんな病気自慢が多くなっているのではないでしょうか。

現役の頃の同窓会なら、出世自慢とかが多いと思いますが、年をとると病気自慢が多くなります。

病気の話題は、自分の参考になることもあるので、その話題が好きだったら同窓会に行けばよいと思います。

逆に、人の病気の話に興味がなかったり、聞いておもしろいと思えないのであれば、行かないほうがよいのではないでしょうか。

女性の場合、同窓会の話題で多いのは孫自慢だといいます。でも孫がいる人ばかりではありません。孫がいない人は、嫌な思いをするかもしれませんね。

嫌な思いをしてまで、同窓会に行く必要はありません。気の合う人とだけ、個別に会うほうがよいと思います。

男性の高齢者では、定年して仕事をやめたとたん、ほとんどの人づきあいがなくなってしまった、という人が多いようです。会社以外の人間関係をつくらなかった人は、そうなってしまうものです。

友人がいなくて寂しいので、新たな友人をつくりたいと思う人もいるでしょう。ただし、よっぽど気が合う人でなければなりません。

■定年後こそ「オタク趣味」の友人を

リタイアしてからの人間関係のよいところは、勤め人の頃ならつきあうチャンスがなかったような人とも、つきあえる可能性があることです。

例えば、鉄道おたく(鉄ちゃん・鉄子)とか歴史おたく(歴オタ・歴女)などの、おたく的な趣味の友人は、定年してからのほうが見つけやすいと思います。

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職場では、「ヘンなやつだ」と思われたくないので、誰にも話さずにいた趣味も、仕事を離れたら普通に話せるようになります。

今はSNSの時代ですから、同じ趣味の人も見つけやすくなっています。つきあいたい人がいるなら、ダイレクトメールをしてみればよいのです。

そして、メールのやりとりで気が合うことがわかったら、オフラインでも会ってみたらどうでしょうか。

年をとればとるほど、おたく的な趣味はやりやすくなります。会社勤めをしていた頃と異なるのは、趣味に費やせる時間がいくらでもあるということです。

全国の鉄道すべてに乗ってみたいという夢があっても、仕事をしながらだとなかなか時間がつくれません。

でもリタイアした今なら、数年で実現できるでしょう。好きな趣味の追求に、時間が豊富にあるという最大の強みを使わない手はありませんよね。

■高齢者の恋愛を勧めるワケ

実際、私の経験からも、のめり込むことができる趣味を持っている高齢者のほうがイキイキしていますし、新しい友人と出会うチャンスにも恵まれるような印象があります。

もちろん、「新しい友人は絶対に必要」というわけではありません。気が合う人がいないなら、無理に友人をつくる必要はないのです。

友人がいなくても、趣味を続けることは楽しいはずです。それを追求していけば、やがて趣味仲間の集まりに参加することもあるでしょう。そんな集まりのなかで、自然に友人ができることもあるものです。「友人をつくらなければならない」という強迫観念は捨ててください。

現代はSNSで友人を見つけられるといいましたが、恋人もマッチングアプリなどで見つけられる時代になりました。

高齢者の恋愛というと、顔をしかめる人がいますが、私は高齢者こそ恋愛をすべきだと主張しています。

恋愛は男性も女性も、男性ホルモンを増加させます。恋愛は男性ホルモンを増やすにはうってつけの人づきあいなのです。

もちろん、恋愛に興味にない人は、無理に恋人を見つける必要はありません。しかし、少しでも恋人をつくりたいという欲求があるのなら、マッチングアプリなどで相手を見つけるのもよいと思います。

■ロマンス詐欺に騙されないために

マッチングアプリというと、「大丈夫なの?」「悪いやつにだまされるんじゃないの?」と心配する人がいます。

恋人が欲しいという人に、恋愛感情を装って金品をだまし取るロマンス詐欺なるものがあります。何百万円もお金を振り込んで、ようやく詐欺だと気付いたという報道もあるので、マッチングアプリを警戒する人が多いのだと思います。

しかし、恋人を見つける手段として、マッチングアプリをうまく活用している人もいます。たまにロマンス詐欺に出くわすリスクはありますが、恋人を見つける大きなチャンスでもあるのです。

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オレオレ詐欺や振り込め詐欺を始め、世の中の詐欺師に共通するのは、お金を振り込ませようとすること。これはロマンス詐欺も同じで、彼らの目的はお金を振り込ませることにあります。

だから、少しでもお金を要求されたら、そこでやめる勇気が必要です。「もしかしたら、本当にお金に困っているのではないか?」と情けをかけて、一度でも振り込んだら最後、詐欺師の要求はエスカレートしていきます。

マッチングアプリは、「お金を貸してくれ」といわれたら、そこで終わりにする。そのルールを最初に決めておけば、騙されることはありません。

■キャバクラやホスト遊びもルール次第

キャバクラやホストクラブなど遊びでのつきあいも同じです。自分のお金を自分の好きなことに使うのは、誰にもとがめられる理由はありません。

ただ、生活が破綻しそうなくらいのめり込むとなると、話が違ってきます。ホステスやホストは、売り上げを増やしたいから、お客にお金を使わせようすることを忘れてはいけません。お金をそこそこ持っていて、キャバクラやホストクラブに行くのが楽しいから行っているという人も、自分なりのルールを決めておくことが重要です。

例えば、「月に10万円は超えない範囲で楽しむ」とか、上限額をあらかじめ決めておくのです。しかし、高齢者に限らず日本人には、このようなルールを決められない人や決めても守れない人が多いですね。だから、マッチングアプリが悪い、キャバクラが悪い、ホストクラブが悪いということになってしまうのでしょう。

遊びのルールというのは、あらかじめ、「これ以上はやらない」と決めておくことが大事です。そのほうが長く楽しむことができます。

同窓会は思いがけない「チャンス」

さて、恋愛に話を戻しましょう。男性も女性も、恋愛をすると、男性ホルモンの分泌量が増えて心身が若返りますから、出会いの機会は増やせば増やすほどよいというのが、私の考えです。

1回の出会いでうまくいくなんて、ほとんどありませんから、出会いの数は多ければ多いほうがよいのです。

10人との出会いがあったら、その中の1人くらいは、長くつきあえるかもしれません。いや実際は、もっと少ないかもしれませんね。そのくらいの気持ちでマッチングアプリも活用するべきでしょう。

同窓会の話をしましたが、そこで恋人ができる可能性があります。私は中学高校が男子校なので、中学高校の同窓会に異性が来ることはありませんが、共学の同窓会なら、異性との思いがけない出会いのチャンスになるかもしれません。

高齢者の同窓会には、年齢的に再び独身に戻った人もいるでしょう。お互いに独身であれば、おつきあいするのに何の支障もありません。

同窓会での出会いがよいのは、お互い同年代だということです。年齢の差は少ないほうが、共通の話題は多いのではないでしょうか。

偶然ですが、私の同級生が、最近たて続けに再婚しました。ちなみに、そのことを知ったのは、たまたま出かけた東大医学部の同窓会なのです。

■辛酸をなめたからこその幸せ

3人ともまだ現役で医者の仕事をしているので、生活に困ることはないはずですが、ひとりでいるのが寂しくなったのかもしれません。

1人は学生時代から遊び人で、最初の妻も2人目の妻もモデル風の顔立ちでした。どちらも性格的にワガママだったらしく、一緒に暮らすのは大変だったようです。結局、2回とも離婚しました。

3回目の結婚相手は、高校の同窓会で再会したそうです。相手も離婚歴があり、子どももいますが、すでに子育ては終わっています。

60代の男女の再婚ですが、とても幸せそうでした。お互いに人生の辛酸をなめてきたからこそ、今度はうまくいくのではないかと思います。

もう1人は、最初の結婚が20歳ぐらい上の女性で、その反動か2回目は逆に20歳ぐらい若い女性と結婚しました。

2回目の妻がとてもワガママで、海外旅行に行く予定だったのに、前日にドタキャンするとか、気にいらないことがあると物を投げつけるとか、いろいろ大変なことがあったようです。

その彼が3回目にどんな女性を選んだのかというと、飲食店の女将さんでした。年齢は2つ上で、彼がその女将さんに相談に乗ってもらううちに恋に発展したといいます。

■同年代だから価値観がすれ違わない

その時点では、2人とも配偶者がいたので、まず男性のほうが離婚して、次いで女性もようやく離婚して、めでたく結婚することができました。

結婚にいたるまでいろいろ大変なことがあったからか、やはり今はとても幸せそうに見えます。

3人目は、いわゆるお見合いパーティーで出会いました。彼は東大医学部卒業後、アメリカに留学して、アメリカで医者をやっていましたが離婚してシングルファザーになりました。

和田秀樹『死ぬまで楽しく生きる本』(エクスナレッジ)

一方、女性のほうはセレブな家庭出身の同い年くらいの人です。2人とも離婚歴がありますが、すでに子育ては終えています。

この2人を出会わせようと、男性の友人たちがセッティングして、そこから熱烈な恋愛が始まって、めでたく結婚にいたったというわけです。

一般に、年をとったら恋はできないと思っている人が多いような気がします。でも3つのカップルの例をあげるまでもなく、年をとってから恋はできないというのは思い込みにすぎないと思います。

3組の特徴は同じくらいの年齢だということです。カップルの年齢差が大きいと、日常の話題や価値観の違いから、すれ違うことが多くなりがちです。

これに対し、同年代なら話題や価値観も一致することが多いですし、離婚も経験していれば、今度こそうまくやろうとお互いに努力するでしょう。

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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。幸齢党党首。立命館大学生命科学部特任教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、40年にわたり高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。
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(精神科医 和田 秀樹)