敗戦前後に発行された新聞の裏面を紹介する企画展=5日、ニュースパーク

 敗戦前後の新聞の裏面に焦点を当てた企画展「1945 新聞裏面史」が5日、横浜市中区のニュースパーク(日本新聞博物館)で始まった。1945年に発行された各社の新聞記事の裏面など106点を展示。紙面からは、当時の世相や人々の暮らしぶりが浮かび上がる。

 戦争末期、新聞は用紙の供給が悪化し、1枚の紙で発行。1面(表面)は戦況や軍の動静を伝え、2面(裏面)では生活に関わる記事を掲載した。

 戦争末期、裏面でも勇ましい言葉が並ぶ。

 ≪来るべき日に備へよう 手榴弾(しゅりゅうだん)の扱ひ方≫。4月16日の朝日新聞は本土決戦に備え、手りゅう弾の種類や構造、投げ方を詳報。

 ≪夏と共に忘れた防空服装≫。7月24日の読売報知は、夏の暑さで人々は軽装になっているが「白シャツや半ズボンは爆弾を呼ぶ」として注意を促した。

 戦後は一転、米軍占領下の生活が描かれる。

 ≪学徒と英会話≫。9月23日の読売報知は旧制高校生による投書を掲載。冒頭では「われわれの生活に今日ほど英会話が必要となった時代はない」と強調されていた。

 米兵による性犯罪を警戒し、女性のみに自衛を求める記事もあった。9月7日の朝日新聞は≪誤解招く娘の笑顔 粋な素足も挑発的≫と題して、女性に対して素足になることや米兵に笑顔を見せることは控えるよう、呼びかけた。

 会場では戦中の言論統制の実態を示す資料として、河北新報社(仙台市)が政府に提出した「始末書」や、その元になった記事も展示している。

 担当者は「裏面からは当時の世相や人々の暮らしが感じられる。戦争と平和について考える機会になれば」と話す。企画展は12月20日まで開催。