「第3号被保険者制度」の見直しの議論を開始した検討会(4日、東京都千代田区で)

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 厚生労働省は4日、会社員の夫に扶養される専業主婦らが保険料を支払わずに年金を受け取れる国民年金の「第3号被保険者制度」について、対象者の縮小に向けた議論を開始した。

 有識者による検討会の初会合では、実態調査を実施し、課題を整理する方針を確認した。議論の結果は次回2030年の年金制度改正で反映する。(政治部 伊福幸大)

 第3号被保険者は、厚生年金に加入する会社員や公務員らに扶養される配偶者で、女性が98%を占める。パートで働いていても、週20時間以上働くなど厚生年金の加入要件を満たさず、年収130万円未満の場合は対象となる。

 制度を巡っては、保険料を納めなくても基礎年金を受給できるため、「不公平だ」との批判が根強い。保険料負担が発生しないよう労働時間を抑制する「働き控え」の要因とも指摘される。自民党と日本維新の会は7月、「縮小に向け、今年度中に実態調査の結果をまとめ、課題の整理を行う」ことで合意していた。

 厚労省は4日の初会合で、所得の少ない20~59歳の男女約2万人を対象としたアンケートや、3号など当事者へのヒアリングを行う方針を説明した。今後の検討課題として、介護・子育てなどで働けない人への配慮や、複数の企業で働く「マルチワーカー」の労働時間が合算されず厚生年金に加入できない問題などが挙げられた。

 制度は、サラリーマンと専業主婦の家庭が一般的だった1986年に導入された。対象者はピーク時(95年度末)には約1220万人に達したが、共働き世帯の増加に伴い、2024年度末時点では約641万人に半減している。政府も厚生年金に加入する要件を段階的に緩和し、3号の対象者の縮小を進めてきた。

 上野厚労相は4日の記者会見で、制度の見直しについて「働き方に中立な制度となるよう検討していく必要がある」と述べた。一方で、働けない事情がある人を念頭に「3号には様々な属性の方がいる。まずは実態把握をしっかりすることが必要だ」と強調した。