予約した新幹線「特大荷物スペース」に別の荷物→罪にならないの?勝手に移動させたらダメ?【弁護士が解説】
事前に追加料金なしで予約していた新幹線の「特大荷物スペース付き座席」。指定の席に到着すると、自分が置くはずのスペースに見知らぬ巨大なバッグが無断で放置されていた。持ち主が現れず、出発時刻も迫る中で焦って荷物を動かそうとしたところ、突然現れた乗客から「勝手に触るな!」と激怒されトラブルに…。
【写真】新幹線 窓際コンセントの使用権は?隣の席から伸びた充電ケーブルが邪魔で仕方ない!
事前に予約した権利があるとはいえ、他人の荷物を勝手に動かす行為にはどのような法的リスクがあるのだろうか。また無断放置された荷物はどのように対処したらいいのだろうか。まこと法律事務所の北村真一さんに話聞いた。
ー予約制の荷物スペースに他人が無断放置するのは違法ですか?
予約制の特大荷物スペースに無断で荷物を置く行為は、JRの旅客営業規則(運送契約)に違反します。東海道・山陽・九州・西九州新幹線などでは、事前予約なしで特大荷物を持ち込んだ場合、所定の手数料(1000円・税込)の支払いが求められるルールとなっています。
直ちに刑事上の犯罪となるわけではありませんが、正規に予約した乗客の利用権を侵害する不当な行為です。車内秩序を乱す行為として、車掌から荷物の移動を指示されたり、指定の場所へ移送される対象となります。
ー勝手に置かれた他人の荷物をどかすと罪に問われますか?
無断放置された荷物であっても、勝手に動かすのは避けるべきです。日本の法律では実力行使による解決が禁止されているため、荷物を動かす過程でバックや中身を破損させた場合、器物損壊罪(刑法261条)や民事上の損害賠償責任を負うリスクがあります。
また、通路へ移動させたことで他人に怪我をさせたり、窃盗の疑いをかけられたりする二次トラブルの恐れもあります。権利侵害を受けていても自力で排除しようとせず、必ず車掌や係員に撤去を委ねるのが正解です。
ー無断放置の荷物によって自分の荷物が置けない時はどうすればいいですか?
当事者同士での直接交渉や勝手な荷物の移動は避け、速やかに車掌や乗務員へ申告してください。乗務員には車内の秩序を維持し、乗客の契約に基づく利用を調整する権限があります。
車掌を通じて持ち主の特定や移動を促してもらうか、持ち主が現れない場合は他の空きスペース(乗務員室付近など)へ移動・保管してもらう対応を行ってくれます。自身が予約した権利を適切に行使するためにも、感情的にならず第三者である鉄道側に介入してもらうのが確実です。
ートラブルで新幹線を遅延させた場合はどうなりますか?
座席や荷物をめぐる当事者間の口論がエスカレートし、列車の発車を遅らせた場合、重大な法的責任を問われます。故意や過失によってダイヤを乱した人物に対し、鉄道会社は不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求を行うことが可能です。
遅延規模によっては他の乗客への特急券払い戻し等が発生し、賠償額が高額化する恐れもあります。さらに、大声で威圧して運行を直接妨害したようなケースでは、刑法の威力業務妨害罪(刑法234条)などの刑事罰に問われる可能性もあります。
●北村真一(きたむら・しんいち) 弁護士
大阪府茨木市出身の人気ゆるふわ弁護士。「きたべん」の愛称で親しまれており、恋愛問題からM&Aまで幅広く相談対応が可能。
(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)
