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 ◇北海道マラソン(2026年8月30日 札幌市大通公園発着)

 女子は日本歴代3位の記録を持つ新谷仁美(38=積水化学)が2時間24分14秒の大会新記録で優勝した。初マラソン不破聖衣来(23=三井住友海上)が2時間26分4秒で2位に入った。男子は湯浅仁(25=トヨタ自動車)が2時間10分46秒で制した。男女とも3位までが日本陸連の定めた条件を満たし、27年10月に開催される28年ロサンゼルス五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を獲得した。

 ゴールテープを切ると新谷は安堵(あんど)から涙を流し、横田真人コーチと抱き合った。ケガを乗り越え、24年3月の東京以来となるマラソンで優勝。この復帰戦で好結果を残せなかった場合は引退を考えていたといい「プレッシャーに押しつぶされそうになった時もあった。優勝できて良かった」と笑顔を見せた。

 38歳。ベテランとしての意地があった。序盤リードも許した不破と30キロ過ぎから一騎打ちに。そこからギアを上げて抜け出し、大会新記録につなげた。ただ記録は意識せず、MGC出場権獲得を優先。「7割ぐらい」と余力を残す走りだった。昨年1月には左足の足底筋膜炎を発症し、約1年間痛みに苦しんだ。米国まで赴いて治療を受け、懸命な取り組みで復調。全ての経験をぶつけた。

 かつては五輪を目指さないと公言。日本記録樹立にこだわった時期もあったが、今は違う。横田コーチに「一緒にマラソンで五輪を戦いたい」と言葉をかけられ、世界で勝負したい思いが再燃。38歳のベテランは所属先やスポンサーへの感謝も胸に「まだまだ成長できると信じて頑張りたい」。MGC切符も得て、ロサンゼルス五輪という目標が定まった。奇想天外なランナーの挑戦は続く。