アークが提供する陸上養殖システムと栗原さん。手前は生育槽=6月、平塚市千石河岸

 魚などの水産物の陸上養殖に可能性を見いだし、そのシステムを手がけているベンチャー企業が平塚市にある。海洋環境の影響を受けにくい陸上養殖を、比較的少ない初期コストで始められる小規模の設備を開発・製造・販売している。海面養殖は可能な海域が限られ、養殖場を増やすのが難しいという認識の下、「海を休ませるために、陸に海をつくる」をコンセプトに据えて取り組んでいる。

 「水産物を陸で育てる仕組みに伸びしろがあることは皆分かっているが、誰がどういう仕組みでやるか、まだ答えが見つかっていない」。「ARK(アーク)」(同市千石河岸)の代表取締役最高経営責任者(CEO)の栗原洋介さん(41)は陸上養殖を巡る状況をこう説明する。同社はそこに風穴を開けようと挑戦している。

 同社が提供する「モジュール型閉鎖循環式陸上養殖システム」は、およそ縦5メートル、横2メートル、深さ1メートルの水槽を3基並べて一つのユニットを構成する。管でつながった水槽は1基がろ過槽、残り2基が生育槽。魚のふんや餌の残りが混じった水を生育槽からろ過槽に移し、物理的にごみを取り除いたり、微生物でアンモニアを分解したりして、魚にとって適切な状態にして生育槽に戻す。