江別男子大学生暴行死、当時17歳に懲役30年確定 共犯者の裁判にどう影響する?
北海道江別市で男子大学生が集団暴行を受けて死亡した事件。当時17歳だった少年に言い渡された懲役30年の判決が確定したと報じられました。
少年ら6人は2024年10月、江別市の公園で当時20歳の男子大学生に暴行を加え死亡させたとして、強盗致死などの罪に問われていました。
札幌地裁は8月7日、「多数回の激しい暴行に及び死亡結果への寄与度は大きい」として、有期の刑としては最も重い懲役30年を言い渡しました。報道によれば、少年側も検察側も控訴せず、22日付で確定したとのことです。
1人の刑が確定したことで、ほかの共犯者の裁判にどのような影響があるのでしょうか。簡単に解説します。
●ほかの共犯者の量刑を考える材料の1つになる
共犯者の1人について確定した判決が、ほかの共犯者について審理する裁判所に対し、法律上何かしらの制限を及ぼすわけではありません。
ただ、量刑を考えるときには、同じ事件で役割を分け合った共犯者どうしの刑のつり合いも検討されます。理由もなく刑に大きな差がつけば、公平性を欠くからです。
共犯者間の刑の均衡は、量刑で考慮される事情の1つとされています。
均衡を欠くとして控訴審が第一審判決を破棄した裁判例もあります(東京高裁平成26年(2014年)12月18日判決など)。
●まだ始まっていない裁判はどうなるのか?
6人のうち、被害者の交際相手だったという八木原亜麻被告だけは、まだ第1回の公判が開かれていません。
その理由は色々考えられますが、八木原被告の裁判に共犯者供述が重要な役割を果たすことが見込まれるため、共犯者の裁判の進行をある程度待ったのではないかとも考えられます。
自分の裁判が続いている人は、証人として呼ばれても、自分が罪に問われるおそれのある証言を拒めます(刑事訴訟法146条)。
川村葉音被告の裁判に証人として呼ばれた川口侑斗被告は5月、「宣誓はしません。もう少しで自分の裁判があるからです」と述べ、退廷しています。
判決が確定すると、その事件で改めて罪に問われることはなくなるため、証言を拒む理由は基本的になくなります。
今回の判決確定により、八木原被告の裁判で少年に証言を求めやすくなったとはいえそうです。
証言を求めやすい共犯者は、先に刑が確定した2人と合わせて3人になりました。
川口被告と川村被告は控訴中であり、判決確定までは1年以上かかる可能性があります。
そのため、これらの控訴審の判決を待たずに八木原被告の裁判が進む可能性もあるように思います。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)
