今年の台風「ハイペースで発生」「予測しにくい」 台風研究の第一人者が横浜で講演、経済被害にも警鐘

「激甚化する台風災害にどう備えるか」をテーマにした防災セミナーが28日、横浜市開港記念会館(同市中区)で開かれた。台風研究の第一人者、横浜国立大の筆保弘徳教授が強い勢力のまま上陸する台風が増えていると報告。今年の特徴について「ハイペースで発生している」と説明した。
筆保教授は、10月で発足5年を迎える同大台風科学技術研究センター(TRC)のセンター長を務める。多様な分野の研究者が集うTRCでは被害軽減の方策だけでなく、台風の持つエネルギーを発電などに活用する道筋も探っている。
この日のセミナーでは、今年の状況を分析。「1月から毎月発生し、8月はきょう発生した台風23号を含め10個となった」と異例の多さを指摘した。また、西進し観測史上初めて茨城県に上陸した台風15号などを挙げ、「予測しにくい台風が多い」とした。
「治水対策などが進み、以前と比べて人的被害は減ったが、経済被害は大きくなっている」と強調。首都圏に大きな被害をもたらした2019年9月の台風15号(房総半島台風)や同年10月の台風19号(東日本台風)を振り返り、「台風のピークは昔と変わらないが、最近はあまり(勢力が)弱まらずに上陸している」との見方を示した。
近年のこうした傾向を踏まえ、「日本では、どこにいても台風が来ると思った方がいい。めったに来ない所に来ると、弱い台風でも被害が出る」と警鐘を鳴らした。
セミナーは市防火防災協会(鈴木正光会長)が主催した。
