【熊本地震】井戸水“隠れ断水”復旧めど立たず 修理不可能な場合“2択”も…特有の問題とは【#みんなのギモン】
地震発生から間もなく1か月となりますが、いまだに多くの世帯で断水が続いています。鈴江奈々キャスターが週末に取材をするなかで、熊本県特有の井戸水の問題が見えてきました。
■児童養護施設、発災翌日から入浴支援

八代市にある児童養護施設「八代ナザレ園」では、発災翌日から入浴支援を行い、これまでのべ1万5000人以上が利用したということです。最後のシャワー開放日となった25日も、利用者の笑顔が見られました。
利用者
「気持ちいいです。1日おきに来ていました」
「明日から(水道)復活。今まで断水だから、ここで助かっていた」
発災直後から入浴の希望者が多く集まり、24時間態勢で職員の皆さんが不眠不休で支援にあたった時もあったそうですが、地域の皆さんからは、とても助かったと感謝の言葉が聞かれました。
新学期が28日からはじまる施設の子どもたちもいて、その準備にあたるよう、一旦この施設では支援を終えたということですが、まだ、断水は続いているのが現状です。
■水道管修理に関するコールセンター開設

熊本県によりますと、25日午後2時時点でおよそ2300戸で断水が続いています。
水道の復旧について、熊本県は今月末までの完了を目指すとしています。この今月末というのは道路の下を通っている水道管の話です。
そこから各家庭につながる配水管が壊れていると、断水が続くことになります。
その修理は各家庭で手配が必要で、国土交通省は26日、宅地内の水道管修理に関するコールセンターを開設しました。個別の問い合わせに対し業者を紹介する専門の窓口ということです。
■八代市 約半数が井戸水で生活…復旧の見通し立たず

ただ、一方でこの数字に含まれていない隠れた断水の被害があります。
それが井戸水を生活用水として使っている人たちです。八代市だけでおよそ4400世帯で井戸水の破損や水の濁り、井戸枯れなどの被害が確認されたということです。
熊本県は地下水が豊富なため上水道をひかず、井戸水で生活する世帯が多く、なかでも八代市は県内でも井戸水の割合が多く、市民のおよそ半数が井戸水で生活しているということです。
それぞれの家庭で井戸を掘ってポンプで水をくみ上げていて、生活用水として使っているといいます。そのため、水道代はかかりません。
上水道の完全復旧は今月末というめどが見えている一方、井戸水を利用している人たちについては現状、復旧の見通しが立っていないといいます。
八代市に聞いたところ、すべての井戸を直すとなると、数年はかかる見込みだということです。
■新たに掘るか…上水道ひくか

復旧に時間がかかる理由としては、井戸の工事ができる専門の業者が少ない、工事をするにも公共の水道のように一括ではできず、個人の家ごとの対応になるといった課題があるそうです。
復旧活動はすでにはじまっています。
被災地で井戸の復旧をすすめる全国さくせい協会は現在、5つの事業者で活動しています。ただ、被害が多いことから、今後は全国から参加してもらうことも検討しているということです。
井戸水の砂などを取り出す洗浄作業ですと、1つの業者が1日に1本から2本行えるそうです。ただ、水を通すパイプが折れた場合、修理は不可能で、新たな井戸を掘る工事をするか、上水道をひく新たな工事をするかの2択になるといいます。
取材した人も、どちらが結果的に早くできるのか、その見通しも立っていないと悩んでいました。
■修理費用は原則個人負担…今回は「り災証明」の対象に

ほかにも修理費用の問題もあります。
井戸は個人が管理しているため、普段ですと修理費用も原則個人負担です。そこで、八代市は井戸の被害をり災証明の対象に加えました。
また、金子国土交通大臣は23日、被災した人の井戸の工事について「災害救助費などで支援できるようになった」と述べました。ただ、どこまで補償できるのかは、まだわからないということです。
■「行政から補助受け無料で掘る」そのような事実なし

そして最後に、八代市がホームページで注意喚起していることがあります。
「行政から補助を受けて、無料で井戸を掘る」と説明し、井戸の掘削を勧誘する業者が訪問しているとの情報が寄せられているということです。そのような事実はありませんので、十分に気をつけてほしいと呼びかけています。
猛暑のなか、復旧作業にあたる人、避難生活を送るみなさんにとって断水でお風呂やトイレが使えないというのは、とても大きな負担となっています。地域の特性に応じた、スピード感のある復旧支援が望まれます。
(8月26日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)【#みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
