濱口竜介監督「急に具合が悪くなる」がアカデミー賞日本代表に決定、5年ぶり2度目
濱口竜介監督(47)の新作映画「急に具合が悪くなる」が、第99回米アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に決定した。
日本映画製作者連盟(映連)が26日、発表した。濱口監督作品が日本代表に選出されるのは、国際長編映画賞を受賞した21年「ドライブ・マイ・カー」以来2度目。同作は第94回で作品賞、監督賞、脚色賞と併せて4部門にノミネートされた。今後、各国の代表作品から候補作が絞られ、27年3月に受賞作品が決定する。
「急に具合が悪くなる」は、がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者の宮野真生子さんと、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者の磯野真穂さんが交わした20通の往復書簡を元にした、19年の同名共著(晶文社)を原作に、濱口監督が脚本を執筆。5月のカンヌ映画祭(フランス)コンペティション部門に出品され、ダブル主演の岡本多緒(41)とベルギー出身のフランスの俳優ビルジニー・エフィラ(49)が、女優賞を共同で受賞。岡本は同賞を日本人として初受賞した。岡本が演じた真理とエフィラが演じたマリー=ルーを引き合わせる重要な役どころとして、真理が演出する舞台に出演する俳優の清宮吾朗を長塚京三(81)吾朗の孫の窪寺智樹を黒崎煌代(24)が演じた。
カンヌ映画祭での女優賞受賞を皮切りに、ロカルノ映画祭(スイス)でエフィラがレオパード・クラブ賞を受賞。さらにトロント映画祭(カナダ)、ニューヨーク映画祭、サン・セバスチャン映画祭(スペイン)と立て続けに出品が決まっている。
日本では公開から2カ月以上が経過しても全国でロングラン上映が続き依然、満席も続出している。12日には撮影が行われたフランスで150館以上の規模で大きく公開され、濱口監督作品史上最高の動員数を記録。大手レビューサイトにて平均4.1の★を獲得。カイエ・デュ・シネマ、ル・モンドなど歴史ある大手メディアも★5の評価を出すなど注目度は高い。同じく今月、公開されたスイスでも好スタートを切った。現在、70以上の国と地域での配給が決定しており、年明けにかけて続々と公開国数も拡大していく。
◆「急に具合が悪くなる」 フランス、パリ郊外の介護施設「自由の庭」の施設長マリー=ルー・フォンテーヌ(ビルジニー・エフィラ)は、入居者を人間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、日本人の演出家・森崎真理(岡本多緒)に出会い、がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらう。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、交流を始めた2人だったが、ある時、真理が「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、2人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる。真里のモデルとなった宮野さんは、原作の出版2カ月前の19年7月に42歳の若さで亡くなった。
