蔵内議長「俺は議員も辞めようと思う」自民県議団幹事長に伝える 県民への説明は 福岡
福岡県議会の蔵内勇夫議長が24日、県議会議員を辞職する意向を表明しました。先週は「議員辞職は考えていない」と明言していた蔵内議長。この数日間に一体何があったのでしょうか。
『全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うした上で、福岡県議会議員の職を辞することとしましたので、お知らせいたします』
24日午前9時すぎ、福岡県議会の蔵内議長が突然発表した議員辞職の意向。
福岡県の服部知事は「議員辞職は重く大きな決断だ」と述べた上で、強い口調でこう指摘しました。
■福岡県・服部知事(8月24日)
「これで幕引きではない。県議会は新しい体制の下で真相の究明を徹底的に進め、議会改革を進め、議会全体として取り組んでほしい。」
これまで長きにわたり「県議会のドン」と呼ばれてきた蔵内勇夫議長。
去年6月には全国都道府県議会議長会の会長に就任し、ことし4月には世界獣医師会の会長にも就任しました。
この5年で県がおよそ58億円の予算を費やしてきた、ワンヘルス政策の旗振り役でもあります。ところが。
■福岡県議会・蔵内勇夫議長(6月11日)
「海外旅行は続けます。この考えは一切変わることはありません。あ、海外旅行ではありません、海外活動です。」
県議会の海外視察をめぐる高額な費用と契約方法の問題や、県議会議長らの政治資金パーティーの代金を福岡県の部課長会の会費から一括購入していた問題などが次々に表面化します。
さらに7月7日。
■吉松源昭県議(7月7日)
「人の弱みにつけ込んだカツアゲ。」
2020年6月から1年間、福岡県議会の議長を務めた元自民党の吉松源昭県議が、議長就任前に、ほかの会派への根回しなどの名目で、自民党県議団の幹部におよそ2000万円を支払ったと告白。
ほかにも複数の議長・副議長経験者が金銭授受はあったと証言しました。
蔵内議長をはじめ、受け取った側と名指しされた幹部は否定しましたが、そのうちの一人、中尾正幸副議長は7月24日に議員辞職しています。
このとき、蔵内議長は。
■蔵内議長(7月24日)
「『中尾くん、君は並のトカゲじゃないよ。ガラパゴスに生存している進化しないオオトカゲだ』と。『しかし今回、自ら尻尾を切って、自分として戦いたいということは私は良しとする』と言いました。」
県議会を取り巻く疑惑に県民の不信感が高まる中、熊本地震の翌週、獣医師会業務のネパール出張から帰国した時の発言も批判を浴びました。
■蔵内議長(8月5日)
「ネパールは天国だった。」
批判が高まる中、8月10日、自らの進退を問われた蔵内議長は、議員辞職せず、議長職も続投する意欲を見せていました。
■蔵内議長(8月10日)
Q.議員辞職は否定する?
「僕なんで(議員辞職)しなきゃいけないんだろうか。」
8月17日に開かれた議会には議長職の辞職勧告決議案が提出されましたが、緊急動議が出され、賛成多数で採決は中止となりました。
その2日後、蔵内議長は自ら「しかるべき時期に議長職を辞任する」と表明しましたが、議員辞職についてはここでも否定しました。
■蔵内議長(8月19日)
Q.議員辞職は?
「考えておりません。」
そこから1週間もたたないうちに、蔵内議長は急転直下で議員辞職の意向を表明したのです。
自民党県議団の秋田章二幹事長は8月22日、蔵内議長と会い、辞職の意思を直接伝えられたといいます。
■自民党県議団・秋田章二幹事長(8月24日)
「議会改革PT(プロジェクトチームの活動が始まり)、第三者委員会がスタートできる。条例検討会議で政治倫理条例ができる。そういうことを言っていた。スタートできるのでと。それで、もう俺は議員も辞めようと思うと。」
金銭授受疑惑の火付け役となった吉松源昭県議は、議員辞職しても説明責任は果たすべきだと強調しました。
■吉松源昭県議(8月24日)
「たとえ議員辞職したとしても、高額な海外視察問題、あるいは県の部課長会によるパーティー券の購入問題、金銭授受問題、ワンヘルス事業など、様々な疑惑の説明責任がなくなるわけではありません。全容解明に向けて、第三者委員会の調査にも、辞めたとしてもしっかりと協力してもらわなければならないと考えています。」
他会派の議員からは想像できなかったとの声も。
■新政会・椛島徳博会長(8月24日)
「(蔵内議長の議員辞職について)速報テロップで見てびっくりしました。(議長職の辞職勧告決議案の)採決中止動議は一体全体、何だったのかなと。」
県民に選ばれた立場だからこそ、辞職の理由を明確に示すべきとの指摘も上がりました。
■公明党県議団・新開昌彦団長(8月24日)
「県民の皆さんに約束してきているわけですから。県民からの負託を受けた分、ここで辞めるのは大きな問題だと思います。辞める理由は人それぞれだと思いますが、それはおっしゃるべきでしょう。」
蔵内議長が議員辞職を表明したと聞いた県民は。
■街の人
「結局、逃げているじゃないですか。とりあえず辞めればみたいな感じになったのかなと思います。」
「もうちょっと早いタイミングで辞職してもよかったのでは。金銭問題が出た時に。かなり不信を持ちました、県議会に対して。」
蔵内議長の辞職願は議会事務局を通じて、すでに副議長の手元に届いていて、副議長は蔵内議長と連絡が取れ次第、辞職を認める見通しです。
蔵内議長は25日に東京で開かれる女性議員の交流会に出席する予定で、辞職について何らかの説明が行われるのか注目されます。

