日本外国特派員協会で記者会見した市川染五郎

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 歌舞伎俳優の市川染五郎が24日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で「ロンドン歌舞伎舞踊公演」(来年1月30〜31日、英国サドラーズウェルズ劇場)の記者会見を尾上辰之助と行った。

 21歳の染五郎と20歳の辰之助による初の海外公演。演目は辰之助の「藤娘」、染五郎の「雪の石橋」、染五郎と辰之助の「男女道成寺」を上演する。染五郎は「海外公演は憧れでしたので、うれしく思っています。日本独自の文化、美意識がつまったものが歌舞伎です。400年前から生き抜いて、その時代その時代の移りゆく文化、価値観を吸収しながら積み重ねてきたものだと思います。同世代の辰之助くんと海外に発信する機会をいただき、ありがたいと思っています」と抱負を語った。

 海外メディアの記者から「2人はかっこいいですが、歌舞伎は白塗りで顔を隠しますよね。歌舞伎はブスの人、悪い顔の人でもできます?」という質問も。染五郎は「歌舞伎の世界にブスの人はいません。かっこいい人しかいません。歌舞伎の白塗りは昔、明るい照明がない時代に、考えられたもので、独特の美しさとして残っている。歌舞伎が生まれた原点に戻って、なぜこういう表現が生まれたんだろうと思うのも、現代に歌舞伎を見る楽しみだと思います」と丁寧に説明した。

 今回の公演に向けて「海外の方が歌舞伎と言えばイメージされる、ビジュアル、衣装になっています。歌舞伎の様式美を、役者の肉体表現で感動してもらわないといけない。歌舞伎の本質の美しさを体現できるようにしていきたい」と意欲を見せた。さらに「理屈ではなく、日本人なら誰しも根底に持って共鳴できる美意識がつまった作品をやらせていただく。それが海外の方々にどう響くのか。個人的には、歌舞伎はとても柔軟性のある演劇だと思っています」と語った。

 また、「古典歌舞伎、新作歌舞伎のどちらが大事なのか?」という質問には「両立がとても大事」と回答。「新作を作る場合でも、古典の歌舞伎の本質的な様式、演出手法を入れ込んで、歌舞伎役者が体現することで、歌舞伎と関係ない作品とコラボしても、しっかり歌舞伎になるのが、歌舞伎の強みなんです」と力を込めた。

 「役者として海外進出する野望はあるのか?」と問われ、「それがゴールや目的かと言うと、必ずしもそうではない」と慎重な姿勢。続けて「役者を知ってもらって、そこから歌舞伎に入ってもらうことも大事だなと思っています。そういう意味で、歌舞伎以外も挑戦しています。まずは自分を知ってもらって、歌舞伎の劇場に足を運んでもらう、その入り口になれたら。何がきっかけになるか分からない。役者として求めていただけるならば、いろいろな場に挑戦してみたい」と前向きに語った。