チョン・スンジョ元合同参謀議長が19日にソウル・戦争記念館の米軍戦死者名碑の前に立っている。3万6574人の米軍の名前が刻まれている。キム・ソンリョン記者

写真拡大

最近韓米同盟がぐらついている。17日に始まった韓米合同演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」の時期と規模が突然大幅に縮小された。トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談を望んで下した指示だった。韓米関係で屈曲があっても、両国の軍事関係は堅固だった。ところが今年に入り在韓米軍戦闘機の西海(黄海)への出動、中東への防空資産移動、ブランソン韓米連合軍司令官の短剣発言、国連軍司令部旅団創設など不協和音がふくらんだ。

史上初の合同演習中途縮小に対し韓米同盟財団のチョン・スンジョ名誉会長は「とても残念で懸念されること」と話した。合同参謀議長出身のチョン名誉会長は、韓米同盟をよく理解し、米軍部との人脈が厚いことで知られる。19日と20日の2日にわたりチョン名誉会長と対話した。

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領はXで、トランプ大統領の合同演習縮小指示に対し「共感し敬意を示す」と投稿した。

「国の政策のため時には軍事が譲歩しなければならない場合がある。しかし外交にばかり依存してはならない。敵が約束を破り挑発する場合、これを懲らしめる意志・能力・態勢は必要だ」。

◇韓国軍、状況変化に備えた「プランB」持たねば

――最近の韓米同盟をどのように評価するか。

「トランプ大統領がさまざまな話を吐き出し、李大統領も意見を明らかにしている。韓国と米国は包括的戦略同盟関係だが、その根幹は1953年の韓米相互防衛条約に基盤を置いた軍事同盟だ。韓米連合防衛は韓国の安全保障の核心という事実は変わることがない。いまは軍事同盟が重要で、強固に固めなければならない時だ。両国の政治家の見解が異なる時ほど軍は緊密に協力しなければならない」。

――政治的問題が軍事的連帯感に影響を与えるか。

「全く与えないことはないが、政治的問題と軍事的問題は異なる。制服(軍人)には制服同士の言葉がある。韓米の軍は同じ考えを持っており、互いに信頼している。私は2002年に韓国の女子中学生2人が米軍の装甲車にひかれ死亡した事件当時に連合司令部に勤めていた。国民的感情が高まったが、連合軍司令部はその雰囲気に巻き込まれなかった。むしろ韓米の将兵が互いに励ました。いまもそうすべきだ」。

――合同演習を縮小すれば連合防衛態勢は。

「軍は訓練を通じて対備態勢を維持する。訓練をしなければ対備態勢に空白ができる。新たな形態の訓練を開発し訓練が絶えないようにしなければならない。図上訓練(TTX)と作戦概念予行演習(ロックドリル)、ハイレベルリーダーシップセミナーなどを通じて韓米間の戦術観を同期化するのも方法だ」。

チョン名誉会長は「対備態勢の空白ほどに深刻な問題がある」と付け加えた。

――何か。

「北朝鮮の抑止主張を韓米同盟が受け入れたことで北朝鮮が誤解しないか心配する。北朝鮮はこれまで合同演習を侵略訓練だと主張してきた。ところがトランプ大統領は合同演習を『北朝鮮に敵対的なメッセージを送るもの』と言及した。合同演習は防衛的性格の訓練だ。韓米が反撃を訓練するとしても敵の侵略をはね除けた後に反撃するのが目的だ。最初から攻撃する作戦計画はない。侵略訓練もしたことはない。今回反撃訓練を縮小するというが、これを韓米が反撃を断念したものと北朝鮮に受け止められてはならない。そうなれば北朝鮮に対する抑止力が弱くなる。政治的理由から合同演習を縮小しても、戦略概念に変化があってはならない」。

――軍はどうすべきか。

「軍は最後の砦だ。軍は状況が変わった時に備えた『プランB』を常に持っていなければならない」。

その上でチョン名誉会長は「両国の軍指揮部は率直な疎通をもっと頻繁にしなければならない」と強調し、ひとつのエピソードを紹介した。

2012年のクリスマスを控え、愛妓峰(エギボン)のツリー点灯問題をめぐり韓米間で意見が分かれた。当時のサーマン連合司令官は北朝鮮の挑発を懸念し本心では反対していた。当時合同参謀議長だったチョン名誉会長はサーマン司令官を説得し、点灯式は無事に行われた。これについてチョン名誉会長は「普段からサーマン司令官とは胸襟を開いて意見を交わしていたから可能だった。最近の韓米間の軍事分野での行き違いは疎通障害が原因かもしれない」と診断した。続けて「韓米軍指揮部は世界情勢、地域情勢、韓半島(朝鮮半島)情勢、北朝鮮の状況に対する共同の理解がなければならない。間隙は対立を誘発しかねない」とした。