8回1死二、三塁、智弁和歌山・川原一将がスクイズを決める(カメラ・朝田 秀司)

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◆第108回全国高校野球選手権大会最終日 ▽決勝 智弁和歌山4―3健大高崎(22日・甲子園)

 智弁和歌山は5年ぶり4度目の優勝を飾った。8回に同点スクイズを決めた川原一将遊撃手(しょう、3年)の父・一剛(くにたか)さん(49)は、同校で1994年センバツ優勝。背番号13の清水大夢(ひろむ、3年)の父・昭秀さん(47)は中谷仁監督(47)とともに、97年夏に優勝しており、2組の父子2代Vが実現した。甲子園での父子Vは清原和博(PL学園)・勝児(慶応)以来、史上2例目の快挙。初優勝を目指した健大高崎は8回に主将の石田雄星中堅手(3年)の2ランで一時逆転も準優勝に終わった。

 ほえながら一塁を駆け抜けた。親子で甲子園優勝を果たした川原は「覚悟を決めて打席に立ちました」と魔曲が響く聖地で値千金の仕事を果たした。8回1死二、三塁で、アルプスからは「ジョックロック」。幼い頃から野球の練習をするたびに聞き続けた応援を受け、見事に同点スクイズを決めた。

 逆転された直後の絶好機で、初球のスクイズはファウル。捕手に打球が当たり、治療で中断した。一旦ベンチへ。引きつった顔を見た中谷監督から「失敗してもいいから自信を持っていけ」と背中をたたかれた。冷静に2球目を見極め、3球目。低めにきた球に体勢を崩されながらも食らいついた。「チームを勝たせることしか考えていない。自分が犠牲になってでもチームに得点をもたらす」と大一番でチームを救った。

 父・一剛さんは1994年の春に「9番・二塁」として、同校初の甲子園優勝を成し遂げた。「優勝したら銅像(記念碑)に一生親子で名前が載るんです。感無量です」と聖地でまたも満面の笑みだった。

 甲子園父子Vは清原和博(PL学園=83年夏、85年夏)・勝児(慶応=23年夏)に次ぐ快挙だが、さらにもう一組いる。背番号13の清水は、97年夏に中谷監督と共に全国制覇を果たした昭秀さんを父に持ち、試合前には打撃投手を担った。父譲りの肩の強さを武器に、健大高崎・石垣聡志の攻略に貢献。変化球も交え50分間腕を振り続けた。指揮官は「彼のおかげで点を取れた。お父さんとは違った活躍の仕方」と陰の功労者をねぎらった。「うれし涙は1チームだけ。本当に幸せ」と昭秀さん。智弁和歌山には脈々と優勝のDNAが受け継がれている。(横尾 紗知)