77歳「殺人未遂」被告が病院から脱走! 検察と裁判所が犯したダブルミスのツケ
がん治療で
北海道函館市で殺人未遂の罪で起訴された77歳の男性が入院中の病院から逃走して行方不明になっていることがわかった。病気治療のため勾留執行停止中の出来事だというが……。
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病院から逃走したのは、無職の大川清被告。大川被告は同居する70代の妻の頭部を金づちで殴って殺害しようとした罪で先月起訴された。大川被告が消防に通報して事件は発覚した。妻は頭にケガをしていたが命に別条はなかった。
大川被告は起訴後、函館市内の勾留施設に勾留されていたが、病気治療が必要となり、16日に函館地裁は勾留の執行停止を認めた。市内の病院に入院したが、そこを同日夕方には抜け出したという。

「大川被告の病名はがんです。詳しい部位はわかっていませんが、入院後すぐに逃げ出したことから元々逃走するつもりだったのではないかと見られています」
と、社会部デスク。
検察側の説明は
今回問題になっているのは大川被告がまだ逃走中であることはもちろんのこと、1日以上、検察が事態を公表しなかったことだ。
その理由について函館地検は「殺人未遂事件の被害者だった妻の安全が確保されたこと。被告が他人に危害を与える恐れはないと考えたこと。公表により、かえって地域住民の不安をあおり生活を脅かす恐れがあると判断した」と説明した。要するに妻も含め他者に危害を恐れはない以上、かえって不安を煽るなどの恐れのほうがあったからだというのだ。
「まるで説明になっておらず、公表の遅れを謝罪すべきだったと感じました。事情はあるにせよ人を殺そうとした男性がどうして“他人に危害を与える恐れはないと考え”られるのか理解に苦しみます。大川被告の病状を踏まえて身柄を瞬時に確保できる前提があったのでしょうが、目論見は大きくはずれました。瞬時に確保できたとしても被告が逃走した事実はすぐに発表すべきでしょう」
と、ある検察OB。
証拠隠滅や逃亡の恐れがない
検察をめぐっては東京地検特捜部の主任検事が捜査対象者と不適切な交際をするなどして懲戒免職処分を受けるなど、不祥事が相次いでいる。組織の不手際を隠蔽しようとする動きが働いたと非難されても仕方ないかもしれない。仮に逃亡中の被告が何らかの罪を犯した場合、さらに強い非難を浴びることは必至なのだが……。
それにしても一度逮捕された被告、それも77歳の高齢者が脱走を果たせたのはどういうわけだろうか。映画やドラマでは、それなりの戦略を練らないと達成できないミッションとして描かれるのが常だ。
実は今回、被告が入院中の病室前を警察官らが24時間体制で監視する状況にはなかったという。ポイントは函館地裁が下した「勾留執行停止」という判断にある。勾留の執行停止中は人道上の配慮からなので監視をつけないのが基本だ。
「大川被告が収容された函館市内の施設ではがん治療が行えないと判断され、勾留の執行停止が裁判官によって認められたということです。証拠隠滅や逃亡の恐れがないというのも判断の大事なポイントでしたが、逃亡してしまいました。検察の不手際に注目が集まりがちですが、裁判官はがん治療を必要としている被告が逃げる可能性を甘く見ていたと言われても仕方ないでしょう」(先のデスク)
過去、親族の葬儀への出席などが被告に予定される場合でも勾留の執行停止が認められてきた。が、今後はより厳しい運用が求められそうだ。
デイリー新潮編集部
