24歳で亡くなった配信者(Bilibiliより)

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 廃墟や心霊スポットに足を運び、怪奇現象や都市伝説の真偽を確かめる「心霊検証系」の動画配信者。日本でもYouTubeなどで一定の人気を集めるジャンルだが、中国では「迷信を打ち破る」ことを掲げ、タブーとされる行為を自ら実践し続けた女性インフルエンサーがいた。

【画像を見る】観音像をハンマーで叩き壊す女性インフルエンサー。お守りを踏みつけ、燃やす姿も

 中国版TikTok「抖音(Douyin)」で活動していた「姜小柔」さん(24)。8月11日時点で129万4000人のフォロワーを抱える。廃墟への宿泊、死装束にあたる「寿衣」の着用、「明日にも交通事故に遭え」と自身を呪い、さらには観音像をハンマー叩き壊すなど、その内容は次第に過激さを増していった。

 そんな姜さんが7月15日、交通事故で重傷を負い、約1か月後に死亡した。事故のわずか6日前、最後に投稿していたのは、交通事故で亡くなったとされる人物の電話番号に実際にかける「心霊電話」の検証動画だった。訃報が伝わると、事故とこれらの投稿を結びつけて「因果応報ではないか」「祟りだ」といった臆測が広がっている。

「過去の動画内容は過激そのもの。『寿命が縮む』という言い伝えを検証するために、自分の生年月日を書いた紙を古木に打ち付けたり、神仏への不敬には報いがあるとする考えを挑発するかのように、観音菩薩の像をハンマーで叩き壊すなどしていた。『私がいつまで生きられるか見ていて。本当に私に何かあったら、葬式でみんなに食事を振る舞うから』ともうそぶいていました」(海外ジャーナリスト)

 最後の投稿となったのは、7月9日の「恐怖電話、引き続き投稿募集中」と題した動画だ。

 ファンから寄せられた"恐怖の電話番号"に次々とかけていく企画で、そのうちの一つが、交通事故ですでに亡くなったとされる人物が使っていたという番号だった。電話はつながったものの、聞こえてきたのは姜さん自身の声の反響だけだった。

 その6日後、7月15日未明──柳州から広州へ向かう相乗り配車サービスの車で移動中のことだった。姜さんは交通事故に遭い、重度の頭部外傷や失血性ショック、多臓器機能障害を負い、約1か月にわたりICUで治療を受けたが、8月10日、24歳で亡くなった。

「神仏を敬わなかった報いだ」

「訃報が広がると、過去の投稿が次々と掘り起こされ、『因果応報だ』『神仏を敬わなかった報いだ』といった書き込みがSNSに噴出。中国版SNS『微博(ウェイボー)』では、不吉なことをむやみに口にせず、現実になるのを避けようとする『避讖(ひしん)』という考え方も注目を集め、トレンド入りしました。一方で、『交通事故を因果応報と結びつけてはいけない』とする反論も相次ぎ、論争を巻き起こしています」(同前)

 こうした状況を受け、遺族は8月11日未明、姜さんのアカウントを通じて声明を発表。未確認情報の拡散や本人・家族への過度な臆測をやめ、故人を尊重してほしいと訴えた。遺体はすでに広州で埋葬されたという。

 もちろん、事故と過去の動画との因果関係を示す根拠はない。それでも、観音像を壊し、「寿衣」をまとい、自らに「交通事故に遭え」と言い放って「迷信」を否定し続けた24歳。その死は皮肉にも、彼女が打ち破ろうとしていたはずの"新たな迷信"を、中国のネット社会に広げてしまったようだ。