砂糖の過剰摂取が健康に悪いことは広く知られており、これまでの研究では生物学的老化の加速や心血管疾患のリスク増加などを引き起こすことが示されています。新たな研究では、1日に少なくとも1杯(約237ml)の砂糖入り飲料を飲む人は、胃がんになる確率が約2.45倍になるという結果が報告されました。

Association between sugar-sweetened and artificially sweetened beverage intake and gastric cancer incidence - ScienceDirect

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2772572326002189

Study Finds People Who Consumed Sugar-Sweetened Beverages on a Daily Basis Had Higher Risk of Stomach Cancer | Mass General Brigham

https://news.massgeneralbrigham.org/en/daily-sugar-sweetened-beverages-higher-risk-of-stomach-cancer

Sugar-Sweetened Beverages Linked to Stomach Cancer For The First Time : ScienceAlert

https://www.sciencealert.com/sugar-sweetened-beverages-linked-to-stomach-cancer-for-the-first-time

砂糖がたっぷり入った飲料が健康に悪いことは疑いようがなく、砂糖入り飲料のせいで年間220万人が2型糖尿病になっているとの研究結果や、年間で最大18万人以上が砂糖入り飲料の影響で死亡しているとの研究結果などが報告されています。また、幼少期に砂糖の摂取量が少なかった人は認知症やアルツハイマー病の発症リスクが低いとの研究結果もあります。

幼少期に砂糖の摂取量が少なかった人は認知症やアルツハイマー病の発症リスクが低いとの研究結果 - GIGAZINE



このように砂糖の悪影響を指摘する研究は数多くあるにもかかわらず、アメリカでは成人の約3分の2が毎日少なくとも1杯の砂糖入り飲料を飲んでいるそうで、子どももほぼ同じ状況であることが報告されています。

砂糖入り飲料は乳がんや肝臓がん、口腔(こうこう)がんなどのリスク増加にも関連することが指摘されていましたが、胃がんとの関連性はよくわかっていませんでした。そこでマサチューセッツ総合病院の消化器専門医であるアンドリュー・チャン氏らの研究チームは、看護師や医療従事者を対象とした研究から合計11万2000人以上のデータを収集し、砂糖入り飲料と胃がんの関連性を調べました。

チャン氏は、「これはアメリカ人を対象に、加糖飲料の摂取と胃がんとの関連性を示した初めての研究です。胃がんは世界中のがんによる死亡原因で第5位となっていますが、食事が胃がんにどのように影響するのかは、これまでほとんどわかっていませんでした」と述べています。

分析対象となった被験者は2年ごとにアンケートに回答し、炭酸飲料・レモネード・スポーツドリンクなどの砂糖入り飲料の摂取量に加え、生活習慣や病歴などに関する情報を提供しました。1986〜2022年の間に、研究に参加した11万2284人のうち278人が胃がんを発症したとのこと。

潜在的なリスク要因を調整してデータを分析したところ、1日に少なくとも1杯の砂糖入り飲料を飲む人は1カ月に1杯未満しか摂取しなかった人と比べて、胃がんの発症リスクが2.45倍も高かったことが判明しました。この傾向は男女ともに観察されましたが、男性よりも女性の方が砂糖入り飲料の摂取に伴う胃がんリスクの増加が大きかったと報告されています。



なお、研究チームは健康への悪影響が懸念されている人工甘味料入り飲料についても調査しましたが、今回の分析では人工甘味料入り飲料と胃がんリスクとの関連性は見つかりませんでした。

今回の研究はあくまで観察研究であり、「砂糖入り飲料の摂取が胃がんのリスクを増加させた」という因果関係は証明されていません。そのため、砂糖入り飲料が体内で胃がんを引き起こすかもしれないメカニズムについては、今後調査するべき課題だとされています。