【Mr.tsubaking】有名店とコラボしまくる「らあめん花月嵐」…特に反響が大きかった「ラーメン店」の名前

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数あるラーメン店の中で独特の存在感を放つ「らあめん花月嵐」。その理由のひとつは、同店がこれまで15年以上わたって数多く販売してきた「同業他社とのコラボラーメン」だ。

全国に250店舗以上を展開するチェーン店が、主に個人経営のラーメン店が監修したラーメンをコラボ商品として販売するのは、一般の常識を踏み越えた戦略でもある。

業界の不文律を乗り越え、コラボという新たな領域を開拓するまでの苦労は、前編記事『「らあめん花月嵐」はなぜ、有名店とコラボできるのか?「ライバルと組む」異例の戦略が始まったワケ』の通り。

今回はそんなコラボメニュー開発の裏側をさらに深掘りする。

「らあめん花月嵐」がコラボ先を選ぶポイント

「らあめん花月嵐」のコラボメニューは、2009年に「ラーメン きら星」(閉店)が監修したのを皮切りに、現在まで数十に及ぶ。数ある人気店の中で、どういった店とのコラボ商品の人気が高かったのかは気になるところだ。同店を運営するグロービートジャパン株式会社の企画広報部・鈴木力氏は次のように話す。

最近だと、東京・高円寺にある本場博多の深い旨味が特徴の豚骨スープが人気の『ラーメン健太』さんとの取り組みは反響が大きくて、2024年に販売した商品全体の中で最高の販売杯数となりました。中でも、東京以外のお店のラーメンは好評を博している傾向が高くでています。2020年に登場した『らぁ麺 飯田商店』さん(神奈川県・湯河原町)とのコラボラーメンの反響も大きかったです。

飯田商店さんは当時まだ、本店以外でのコラボ商品の展開が珍しかったので、なかなか行けないお店の味をお近くの花月嵐で食べられることは、多くの方に非常に喜んでいただけました」(グロービートジャパン株式会社・鈴木氏、以下の「」も同じ)

こうした歴史を重ね、「らあめん花月嵐」といえばコラボというイメージが定着しつつある。

ただ、私どもとしては流行やトレンドばかりを追うようなことはしていません。日本のラーメンの懐の深さ、裾野の広さを伝えたい想いでやっていますので、夏はつけ麺系・冬は味噌系などの季節も考慮したり、知られざる名店やラーメン文化にも注目していただけるよう様々なお店と一緒に進めております

その戦略は、単なる売上向上だけでなく、日本のラーメン文化を深めながら広げることにも一役を買っているわけだ。

コラボが業績を支え、定番メニューにも還元される

有名店とのコラボも多いため、その商品は目を引くことになるが、これらはあくまで期間限定メニューという取り扱い。だが、「らあめん花月嵐」全体の業績に深く影響をもたらしていると鈴木氏は話す。

やはり、人気のラーメン店さんとコラボさせていただくと販売杯数や来客数に大きな影響があるので、コラボ商品の人気が業績につながっていることは確かです。また、コラボラーメンの展開があることで、年間の販売スケジュールの中に自社で開発するオリジナルのラーメンで実験的なチャレンジを取り入れたりなど、数字以外の部分でも弊社によい効果をもたらしてくれています

いわば飛び道具的でもあるコラボ商品が、自社が安定する基礎となり、チャレンジのためのバッファ作りに寄与しているのだ。しかし、期間限定のコラボを続けるためにも、新たなチャレンジだけでなく、定番メニューを安定させることも必要ではないか。

うちは『嵐げんこつらあめん』がメインの定番商品です。こちらも1回作ったら終わりではなく、常に進化し続けないといけません。そのブラッシュアップにあたっても、コラボの際に培った調理技術やノウハウといった経験が生きてくることもあります

店として常に立ち返るべき自社の定番メニューにも、コラボラーメンの開発で積み重ねてきた知見からフィードバックされることがあるとなれば、同店にとってもはやコラボは血肉とも言えるだろう。

「本家の味」を再現するための、知られざる調整

一般的には、こだわりの味と製法を持つラーメン店には、外に出したくないレシピや技術があるだろう。しかし、鈴木氏によれば、多くの場合使う食材や調理方法のコツなどを、快く開示してくれるのだという。

それは、「らあめん花月嵐」がコラボを通じて積み上げてきた実績の賜物だ。とはいえ、調理方法を伝授されたからといって、すぐにコラボ商品として販売できるわけではない。

コラボ先のお店では茹で時間が10分必要でも、花月嵐で全く同様の調理方法ができるとは限りません。そこで、花月嵐のお店の中でできる調理工程でも同じ味・同じ口当たりにするために試行錯誤します。また、職人さんの経験や感覚でできているものでも、うちの全店で同じように提供するためにどのようなオペレーションに落とし込むかという視点で、答えを探し続けます

そもそも、「らあめん花月嵐」は、多種多様なお客の利用動機に応えるべく、開かれた店づくりになっている。また、FC250店舗以上で提供する上で、均一のクオリティを保つことが使命なのだ。

他にも、地方の有名店のラーメンを全国に届けるための工夫も怠らない。

例えば、日本海側で好まれるラーメンは、相対的に塩辛いものが多い傾向があります。それをそのままの味で提供すると、関東や他の地域では受け入れられにくいケースが多く見受けられます。ですので、先方の店主様がご納得いただける範囲で、より多くのお客様にも受け入れていただけるように、微調整を繰り返して作り上げることもあります

コラボラーメンを生み出す「少数精鋭の開発チーム」

オペレーションや客層、地域性の違いまで、あらゆる条件を加味しながらも「本家の味」に近づけるためには、ここまでの苦労があった。

そんなコラボメニューは、毎月発売されている期間限定メニューの一環。つまり、コラボを含めて年間で12商品もの新作ラーメンを出すことになる。そのため、かなり大きな開発チームを組織しているようにも思えるが。

うちの開発チームは5名です。コラボ以外の新商品を作る必要がありますし、コラボの際はだいたい半年から9カ月くらいの時間をかけています。『コラボの人気があるなら、毎月やればいいのに』という声もいただきますが、確りとした商品開発を執り行いたいので、年間2〜3本が限界ですね

同業他社とのコラボは、「自社の客を競合に奪われる」リスクもはらむが、「らあめん花月嵐」は、そこにあえて踏み込んだ。その結果、各地の人気店の味を広く届けることで、ラーメンそのものへの興味を広げ、そこで得た知見を自社の商品開発にも還元していく仕組みが出来上がった。

競合とともに互いの強みを補完し合いながら市場全体を広げる。「らあめん花月嵐」が15年以上にわたって続けてきた戦略は、ラーメン業界という成熟した市場で生き残るための強みになっていた。

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