〈すき家で謎の現象〉「フリスビー頼んだらハートなんだけど」“激レアまぐろ”がSNSで都市伝説化…10店舗回ってみたらまさかの結果に

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この夏、大手牛丼チェーン・すき家の商品がX上で話題を集めている。といっても、話題なのは定番の牛丼でも肉を使った商品でもない。“まぐろ”を使ったどんぶりだ。

【画像】通常のまぐろたたき丼はこちら

「フリスビー丼」に起きた異変…SNSで話題を集める“ハート型”まぐろたたき

牛丼チェーンでありながら、海鮮を使った丼商品も展開しているすき家。中でも人気なのは、熱々のご飯にひんやりしたまぐろのたたきがのった『まぐろたたき丼』だ。まぐろのたたきが円盤状に乗っている見た目から、ネット上では「フリスビー丼」の愛称で親しまれている。

そんな「フリスビー丼」こと『まぐろたたき丼』が話題になり始めたのは7月下旬頃。きっかけは、あるXユーザーが、『まぐろたたき丼』の画像を添えて《フリスビー頼んだらハートなんだけど店員から遠回しの告白ってことでいいですか?》と投稿したことだった。画像内の丼には、見慣れた円盤状ではなくハートの形をしたまぐろたたきが乗っている。同投稿は約7.7万もの“いいね”を獲得し、リプライや引用ポストには以下のような声が集まった。

「ちゃんと綺麗なハートでびっくり」

「こんな事あるんだね、サービスなのかな?」

「ハート型とかあるんだ……(すき家店員)」

「めっちゃ、すき家ねん。ってことかな」

ハート型の報告はその後、まぐろたたきとまぐろの切り身を合盛りにした『鉄火たたき丼』なども含めてポツポツと上がるようになり、“ハート型が出るまで毎日来店し続ける”というチャレンジを行うユーザーまで現れる。しかし、当初公式サイト等で告知されておらず、真相が不明のまま情報は錯綜。

すき家でまぐろたたき丼頼んだらなんかハートになってるんですが どこにもそんな情報なくて怖い」

「何かの間違いで成型ミスでも起きたのかと思ってた」

「よかった! 他にもハートの人いた!」

「昨日食べに行ったのにハートじゃなかった」

といった声が上がるなど、“すき家でまぐろたたき丼を注文すると、時折ハート型で提供される”という現象が半ば都市伝説のように広まっていったのだった。

公式がついにネタばらし!  なおも残る謎に広報を直撃

そんな状況が一変したのが8月10日だった。この日、すき家の公式Xは《8月10日にちなんで、先日食べたまぐろたたき丼の写真を貼っておきますね(  ◜⩊◝  )つ みなさんはもう出会いましたか?》とハート型の『まぐろたたき丼』画像を投稿。

公式Instagramでは、画像のほか《「ただおいしいだけでなく、ワクワクする楽しさを届けたい」そんな開発チームの強い想いから始まりました。四角や星型など、いくつもの試作と議論を重ねていく中で選ばれたのが、このハート型です。ハート型は数量限定なので、見つけた人はラッキー!》と背景まで明かされ、公式がついに存在を認めた形となったのだ。

この投稿にフォロワーからは、

「店員が遊んだのかと思ったら公式か」

「隠れ叩き丼があったんだね」

「AIかと思ってた」

など“腑に落ちた”との声が寄せられたが、いつから行われているのか、どのメニューが対象なのか、ハート型に巡り合う確率は……などなど、まだ疑問は残る。この疑問を解消すべく、株式会社ゼンショーホールディングスに問い合わせたところ、すき家の広報担当から詳しい回答が得られた。

まずハート型での提供だが、始めたのは今年からで、《すき家が期間限定で実施している取り組みです》《7月末以降、ハート型のまぐろたたきが納品された店舗から順次販売されております》とのことだった。

対象商品は、《『まぐろたたき丼』『山かけまぐろたたき丼』『まぐろユッケ丼』、期間限定商品の『鉄火たたき丼』など、まぐろたたきを使用している全商品》だそうで、店舗での調理については、《一部のまぐろたたきがハート型の状態で店舗に納品されております》《通常のまぐろたたきと異なる調理手順は発生しておりません》《ハート型のまぐろたたきはランダムで使用しております》という。

つまり、店員が注文を受けてから「この人はハートにしてあげよう」と成型するのではなく、調理時に手に取ったまぐろたたきがハート型だった場合に、そのまま提供されるという仕組みだ。

実際に調査10店回ってハート型が出たのは……。

最後に、インスタでも言及していた実施理由について詳しく訊くと、担当者は《8月10日の語呂合わせ(ハート)にちなみ、日頃からすき家をご利用いただいているお客様への感謝の気持ちを何か形にできないかと考えた結果、人気商品の『まぐろたたき丼』に期間限定で一部ハート型のまぐろたたきを使用して販売することを決定いたしました》と答えた。

しかし、ハート型が提供される割合については《回答を控えさせていただきます》とのことだ。

ならば、実際に確かめるしかない……筆者は都内を走るJR山手線沿線の10店舗から対象商品を1点ずつ、計10点購入して“当選確率”を調べてみた。

品川・東京・新橋・上野・池袋・秋葉原・高田馬場・新大久保・原宿・新宿とビジネス街や繁華街、若者の多いエリアなど、できるだけ立地の異なる店舗を選んだ。

まずは品川で『まぐろたたき丼』を注文すると……。

ご覧のように、見慣れた円盤状だった。その後も『まぐろユッケ丼』『鉄火たたき丼』『山かけまぐろたたき丼』と対象商品を変えつつ、Xでテイクアウトでもハート型が出たとの報告があったため、テイクアウトで注文もしたが、半分の5店舗を回った段階でハート型には遭遇できなかった。

土日と平日で遭遇率が異なる可能性も考え、残り半分は日を改めることに。しかし、新大久保や新宿、“カワイイ文化”の街と言われハートと相性が良さそうな原宿でも空振り。結果は…ハート型の遭遇はゼロ! まさかの全敗だった。

都内かつ山手線沿線という限られたエリアであり、あくまでローカルでの調査結果にすぎないが、少なくとも今回の調査では一度も遭遇できなかった。地方やロードサイド店舗ならば、また結果は変わっていたのだろうか。

ちなみにこのハート型企画、広報によると実施期間は未定であり、来年以降の開催も《現時点では未定です》とのことだ。

語呂合わせからさまざまな記念日がある8月10日、今後も食品業界ではハートフルな試みが行われるかも?

取材・文/久保慎