トランプ政権、国際刑事裁判所の赤根智子所長らを制裁対象に…「悪意をもって権限を乱用している」
【ワシントン=上村健太】米国のトランプ政権は18日、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の赤根智子所長らを制裁対象に加えると発表した。
米国などの戦争犯罪を追及するICCへの圧力を強めた形で、ルビオ国務長官は声明で「ICCは、悪意をもって権限を乱用している」と主張した。
制裁により、赤根氏が米国内で保有する資産が凍結されるほか、米国への入国も原則禁止される。セネガル出身のICC弁護士も制裁対象に追加された。
ICCは個人の戦争犯罪などを追及する常設機関で、赤根氏は2024年3月から日本人初の所長を務めている。ICCは同年11月、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を巡り、戦争犯罪容疑などでイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らに対する逮捕状を出した。日本など加盟125か国・地域(7月時点)は、身柄を拘束する義務がある。
米国やイスラエルは加盟しておらず、ネタニヤフ氏を擁護するトランプ米大統領は逮捕状発行に反発し、これまでもICCの裁判官らに制裁を科してきた。
米国は、ICCがアフガニスタンに駐留していた米兵の戦争犯罪を捜査していることにも反発。ルビオ氏は7月に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが配信した寄稿で、「ICCの脅威から米国軍人を守り抜く」とし、ICCの「解体」にも言及した。
ルビオ氏は18日の声明でも、ICC非加盟の米国などの国民に対してICCが管轄権を行使することを問題視し、「国の主権侵害を容認しない」と強調。非加盟国の職員を捜査、逮捕、拘留、訴追するICCの活動に、赤根氏らが直接関与してきたと主張した。
一方、ロイター通信によると、ICCは声明で「国際法秩序が危機にさらされる」と強い懸念を示した。
