【戦後の残像】乗組員348人が犠牲に…戦時中に撃沈された熊本・天草牛深沖の軍艦「長良」が82年の時を経て…「父親に会えたような気が」
戦後81年が経ちました。太平洋戦争中、熊本県天草市牛深沖で旧日本海軍の軽巡洋艦「長良」が撃沈されました。
いまも海底に沈んでいる船体を撮影しようと、7月、潜水調査が行われました。
撃沈から82年、海中に眠る「長良」の姿です。
■7月21日、天草市牛深沖で…
伊左治佳孝さん
「船長の方がお酒好きやったと聞いているんで供えさせていただきます」
「長良」の潜水調査をする、水中探検家の伊左治佳孝さんらは、潜水の前、焼酎を海に捧げました。
伊左治さんたちは当初の想定より深い水深100メートルまで潜りました。
下ろした錨から20メートル離れた所で「長良」が見つかりました。
■海底の「長良」は…
船体は船底を海底の砂地に着けて、甲板を上にして沈んでいました。
伊左治さん
「船体が見えてきて、これが船の側面の所と思う。右にあったのが、たぶん壊れたマストかな。」
「甲板の上側は抜けていて、崩れていて骨組みだけが残っている」
そして浮上には2時間半かかるため、長良を撮影できた時間は8分間でした。
伊左治佳孝さん
「捜索して見つけられたことと船だと分かる物が撮影できたのでそれは良かったと思っています。大体状態も分かったので、引き続きやるということであれば、ある程度、どういう状態か分かって進められるのかなと思います」
「長良」は、終戦1年前の1944年8月7日、長崎県佐世保市に向かう途中、アメリカの潜水艦の魚雷を受けて沈没し、乗組員348人が戦死しました。
■軍艦長良記念館の資料では…
牛深では当時、漁師たちが乗組員の救助にあたりました。
そして戦後は、牛深で行商をしていた佐々木ツルさんが、私財を投じて慰霊碑を建て、戦死した人の供養を続けました。
ツルさんの遺志を受け継ぎ、毎年、慰霊祭を開いてきた福本壮一さんは潜水調査を見届けました。
福本壮一さん
「安心と少しだけ喜びというか、ちょっと、ほっとしました。長良の 貴重な1ページ」
潜水調査の成功は富山県に住む遺族にも伝えられました。
遺族の種口泰生さん
「船の前の方だね、これ。撮影してもらって、本当に長生きしてよかったなと思う。本当に、なんか、父親に会えたような気がする…」
