ハープスターが勝った2013年の新潟2歳Sを報じるスポーツ報知の記事

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 馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はハープスターが勝った2013年の新潟2歳Sを取り上げる。上がり32秒5の驚異的な末脚で、大外一気というド派手な勝ち方は多くの競馬ファンの脳裏に焼き付いている。

 ライバルが止まって見える。最後方を追走していたハープスターが、大外からあっという間に17頭すべてをのみ込んだ。残り100メートルで先頭に立っても、スピードに乗った鹿毛の馬体は、馬なりのまま後続を突き放しにかかる。3馬身差の圧勝劇に、スタンドは驚嘆にも似たどよめきに満たされた。

 「強かったです―」。川田はシンプルな言葉で第一声を発すると、汗をぬぐいながらレースを振り返った。「馬のリズムに任せて、あの位置になった。前半から進んで行かなくて、直線に入っても『大丈夫かな』と思っていたけど、加速してから、いい反応をしてくれました。これだけ強い勝ち方をしてくれたので、もっと大きいところを目標にできれば」

 とにかく、次元が違った。前半から行き脚がつかず置かれ気味になり、終始、最後方を追走した。1000メートル通過が60秒7というスローの流れで4角最後方は、致命的なポジション。それでも、レースの上がりを1秒以上も上回る32秒5の末脚を駆使したのだから、役者が違った。

 並の馬なら気が気でない位置取りだが、松田博調教師は安心して見ていたようだ。「初戦も窮屈なところから割って伸びてきたから、あの位置でも心配はなかった。おとなしい馬だし、自由に調教でも走ることが出来る。体はボテッとしているので、まだ良くなる」

 ディープインパクト産駒で、祖母は松田博師が手がけた2冠牝馬のベガ。母のヒストリックスターは唯一、繁殖として残された牝馬だった。「子供はみんな男馬ばっかりやったから、ベガの血統で勝てたのはよかった。おっとりした気性は、ベガと似ているところがある」。偉大なDNAを受け継いでいる牝馬の将来に、手応えをつかんだようだ。

 これで注目の一頭になることは間違いない。今年の目標は暮れの阪神JF。「まだこれからどんどんいい馬が出てくるし、これから鍛えてどこまで成長するか」と松田博師の笑みは絶えない。新潟で衝撃的な走りを見せた“星”は、さらに輝きを増すだろう。

 その後の阪神JFではレッドリヴェールの2着に敗れたものの、翌年の桜花賞では最後方から大外一気の驚異的な末脚でレッドを首差かわしG1初制覇。夏の札幌記念ではゴールドシップを壮絶なマッチレースでねじ伏せたが、凱旋門賞などその後3戦は未勝利。翌春のドバイ・シーマクラシック(8着)を最後にケガのため、現役を引退した。