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千葉県の記録的な豪雨でこれまでに9人が亡くなり、このうち3人が冠水した車に閉じ込められて命を落としました。

豪雨の中、冠水した道路を走行中に車内に閉じ込められた女性が、当時の状況を語りました。

■車内に1人で閉じ込められ胸まで浸水 76歳女性の脱出劇

取材で出会った原田ふみ子さん(76)です。
原田さんは一時、車内に1人で閉じ込められ、胸のあたりまで浸水したといいます。

当時のドライブレコーダーの映像には、水没後に車体が完全に水に浮き、ゆっくりと旋回している様子が記録されていました。

原田さんはなぜ、この状況に陥ったのでしょうか。

13日、原田さんは千葉市幕張の大型商業施設に買い物や食事に出かけていました。

原田ふみ子さん
「9時ぐらいは晴れ間が出て、それで前日も台風と言っていたが、全然大したことなかった」

13日午後6時すぎ、原田さんは商業施設を出て帰路についたといいます。

その数分後には、横を走る車が水しぶきを上げるほど道路が冠水していたことが分かります。

商業施設を出たおよそ30分後、千葉市内に1度目の「記録的短時間大雨速報」が発表されました。

■強まる雨脚...アンダーパスへ 想像を超す水の深さ

家に帰る間も、どんどん雨脚は強まっていきました。

原田さん
「ここの道を知っているからここに来たんだけど、ここがアンダーパスになっていて低くなっているので」

道路が冠水していたことには気づいていましたが、水の深さは想像を超えていました。

原田さん
「暗くて分からないから、いけるかなと思って入ったら、すごく深かったので」

大きな穴に落ちたように車体が深く沈み込み、そのまま動けなくなってしまいました。

■一気に「ダボン」...車は水没 ぷかぷかと水に浮く

原田さん
「海水浴なんかで浅いからといっても、一気に『ダボン』って入るようなところがあるじゃないですか。そんな感じですよね。もう、『ダボン』っていう感じで水没した」

「ぷかぷか浮いていますから。やっぱり浮いていますから。完璧にもう車はダメだと思って」

車の前には、胸まで水につかりながら歩く人の姿もありました。

車内にも胸のあたりまで水が入ってくるなか、何度も脱出を試みたといいます。

■脱出を試みるもドアは重く開かず...「ここで溺れ死んじゃうのかな」

原田さん
「ブレーキ、パーキングも入れたって何も動かないし。そうやって思ったのが、まずやっぱり脱出しなきゃと」

――(車外に)出ようと思った時には、ドアが開かなかった?

原田さん
「ドアは開かなかった。重いから結局開かないんでしょうけども、全然ビクともしないし」
「次に窓だと思っても、電動だから、スイッチを押しても開かない」
「ここで溺れ死んじゃうのかなと」

車が動けなくなってからおよそ30分後のことでした。

原田さん
「ガチャガチャやっていたら、(窓が)ちょっと開いた」

■窓をこじ開け手で押さえ...脱出へ

「でも開いたけど、またすぐ閉まっちゃう、上に上がっちゃって。えーと思って、またガチャガチャやっていたら開いたから、今度は手で押さえた」

原田さんは窓をこじ開け、なんとか脱出しました。

原田さん
「とりあえずは出たんですけど、ハンドルに足が引っかかって出られなくて、5分ぐらいかかったかもしれないですけど、やっと出て」

■腕にできた大きなアザ 「Uターンすればよかったけど...」

原田さんの腕には、脱出の際にできたいくつもの大きなアザがありました。その後、泳いで近くのアパートに逃げ込んだといいます。

原田さん
「泥だらけだけど恥も何もない。脱出できてよかった」

――振り返ってみて、こうしておけばよかったということは?

原田さん
「Uターンすればよかったけど、まさかそんなにひどくはないと思って強引に進んだ」

■専門家指摘「前に進まない勇気」 道路の冠水20〜30センチ以上は進まない

今回の事態を受け、車で外出した先で大雨に遭遇したらどうすればいいのでしょうか。

大雨災害に詳しい東京通信大学の松尾一郎特任教授は、「車に乗らない勇気」と、アンダーパスなど低い場所に行かない「前に進まない勇気」が必要だと指摘しています。

その上で、マフラーから水が入ると車が故障するため、道路が20〜30センチ以上冠水しているところには進まないことが大事になってきます。

また、冠水に遭遇したら車が動く間はバックして浅いところへ行くこと、車が進まなくなったら車外に逃げ、傘や杖で足元を確認しながら少しでも高い場所に逃げることなどが必要です。

(8月15日放送『追跡取材 news LOG』より)