株式市場が暴落したとき、何の銘柄を買えばいいのか。株式アドバイザーの北浜流一郎さんは「人間が行動するには、明確な根拠が必要になる。いざ暴落が起きても投資家の心理は極端に弱気になり、『どの銘柄でもよい』と言われても実行できない。そこで私が長年実行してきたシンプルな投資法を紹介する」という――。

※本稿は、北浜流一郎『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

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■急落局面での狙い銘柄は決まっている

戦争、大災害、金融危機などによる株式市場の暴落は、しょっちゅうあってほしくはない。

しかし数年に一度は必ず起きる。

2020年代に入ってからだけでも、コロナショック、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとガザの紛争、トランプ大統領による関税ショック、そして今回のアメリカ・イスラエルとイランとの軍事衝突。

地政学リスクによる急落が増えている。

こうした局面では、市場全体がパニック状態となり、多くの銘柄が一斉に売られる。

このため結果だけ見れば、どの銘柄を買ってもその後の反発で利益になりやすい。

暴落の後には必ず反発が起きるからである。

出所=『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

しかし、実際の投資はそう簡単ではない。

いざ暴落が起きると投資家の心理は極端に弱気になり、「どの銘柄でもよい」と言われても実行できない。

人間が行動するには、明確な根拠が必要になるからだ。投資家としては、やはり安心して買える理由が欲しい。

■時価総額ランキング上位を狙う

そこで私が長年実行してきたのが、時価総額ランキング上位銘柄を狙う方法である。

やり方は極めてシンプルだ。

東京市場の時価総額ランキングを確認し、上位企業の中から投資対象を選ぶ。

それだけである。

時価総額上位の企業は、日本経済を代表する企業群であり、財務体質が強く、事業基盤が盤石で、機関投資家の資金が戻りやすい。

このため市場が落ち着き始めると、まずこれらの銘柄から資金が入り始める。それによりリバウンドの中心になる可能性が高いのである。

例えば現在の東京市場の時価総額上位には、下記群が並ぶ。

出所=『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

ちなみに時価総額ランキングは日によって入れ替わるから、半導体銘柄は上位10位に出たり入ったりしている。

■資金に応じて3〜5銘柄に分散する

ただ、1株5万円の銘柄だと100株買うと500万円必要になる。個人投資家は、おいそれとは手を出しづらい。

その場合、時価総額ランキングの10位以下に控える、比較的買いやすい主力企業を対象に、資金に応じて3〜5銘柄程度に分散投資すればよい。

・三井物産(8031)
・みずほフィナンシャルグループ(8411)
・伊藤忠商事(8011)
・三菱重工業(7011)
・キーエンス(6861)
・中外製薬(4519)
・NTT(9432)
・東京海上ホールディングス(8766)
・信越化学工業(4063)

これが、私が何度も実践し成果を上げてきた方法である。

暴落は恐ろしい出来事ではある。だが見方を変えれば、日本を代表する優良企業を割安で買える絶好の機会でもある。冷静に主力企業のリバウンド開始を見逃さない目を持とう。

■好決算なのに売られる銘柄がある

リバウンド投資法は、反転の兆しを見せたところで参入することで比較的安全に利益を狙えるが、もう一つ「実行のしやすさ」という重要な要素がある。

誰でも投資判断を下しやすい場面であることが望ましい。その意味で有力なのが、「決算発表プレイ」だ。

企業は年間に本決算1回、中間決算1回、そして四半期決算を2回発表する。合計すると年間4回も決算発表があることになる。株式市場はこの決算発表に非常に敏感であり、その内容次第で株価は大きく上下する。

一般的には、期待以上の好決算であれば株価は急騰すると思われているし、実際そのような動きになることも多い。

しかし現実の市場では、必ずしもそうならない。

業績が好調であるにもかかわらず、株価が上昇するどころか、逆に急落してしまうケースが少なくない。例外的な出来事と思われがちだが、実際には驚くほど頻繁に見られる現象だ。

出所=『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

■好決算なのに売られる理由

なぜ、決算数字が良いのに、予想に反して大幅下落が起きるのか。主な理由は3つある。

第一に、好業績がすでに予想されており、株価が事前に上昇していた場合である。いわゆる「織り込み済み」という状態だ。

第二に、好業績ではあったものの、市場の期待値には届かなかった場合である。

第三に、業績は悪化していないものの、伸びが鈍く横ばいに見えたり来期の業績に不安がある場合である。

株式市場が常に求めているのは「拡大」や「増加」である。市場は極めて貪欲で、「もっと成長を」「もっと儲けを」と企業に要求する。

そのため、成長の勢いにわずかでもブレーキがかかる兆しが感じられるだけで、買いは鈍り、売りが優勢になってしまうのだ。そしてこれらを決算発表前に正確に予想することはほとんど不可能である。

特に株価が順調に上昇している銘柄ほど警戒心は薄れ、投資家はそのまま保有を続けてしまう。その結果、決算発表をきっかけに思いがけない急落に直面することになる。

■下げた銘柄こそ絶好の投資対象

私自身も過去に何度もこの経験をしてきた。そこで現在は、決算発表前には一度売却することを基本としている。しかしリバウンド投資の観点から見ると、事情はまったく逆になる。先に挙げた3つの理由で下げた銘柄は、むしろ絶好の投資対象になるのだ。

北浜流一郎『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

なぜなら、株価上昇の最大要因である業績は好調だからだ。にもかかわらず市場の短期的な失望や過剰反応によって売られているだけ。このような銘柄は、ひとしきり売られたあと、冷静な買いが入りやすい。

そして株価は自然とリバウンドに向かうケースが多い。好決算にもかかわらず下げた銘柄は、市場の勘違いか過剰反応の産物と見てよい。業績に問題がない以上、株価はいずれ本来の評価に戻る。

だからこそ、このタイプの下げを狙うのは合理的であり、リバウンド投資家にとってはまさに“ご馳走”となる。

出所=『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

※本書では特定の銘柄・取引を推奨するものではございません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いいたします。売買で被られた損失に対し、著者・版元は何らの責任も持ちません。

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北浜 流一郎(きたはま・りゅういちろう)
株式アドバイザー
1943年鹿児島県生まれ。慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。FIRE歴40年超。出版印税で投資スタートも数週で大半溶かす。リバウンド株投資で大逆転。「週刊現代」「日経マネー」「東京スポーツ」「株式手帳」などの株式欄を執筆後、現在はラジオ日経「北浜の株式宅配便」、株式情報サイト「株探」の連載を担当。証券スクールオブビジネスで「稼げる投資家」育成中。著書『北浜流一郎の、株の匠108手』『「自分年金」はこの3つの銘柄で作りなさい!』他数十冊。「資本主義社会を生き抜く最強武器は株式投資」が信条。
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(株式アドバイザー 北浜 流一郎)