(上)揺れ始めた際の田んぼ(下)揺れの数秒後に出現する断層(点線部分、7月28日午後4時27分頃、熊本県八代市で)=防犯カメラの映像から

写真拡大 (全3枚)

 最大震度7を観測した熊本地震の発生時、震源から十数キロ離れた熊本県八代市で、田んぼに断層が出現する様子を防犯カメラが捉えていた。

 映像を確認した専門家は、「極めて珍しく、地震のメカニズムに迫る上で大変有用だ」としている。

 映像は、地震が発生した7月28日午後4時27分頃、震度6強を観測した八代市の田んぼのそばにある商店に設置された防犯カメラで撮影された。地表がずれ動き、瞬く間に断層があらわになる様子が記録されていた。同店の経営者の男性(45)は「店内で打ち合わせをしていたら、経験のない激しい横揺れに襲われた。駐車場に避難し、約50メートル離れた田んぼに目を向けると、地割れと段差が生じ、茶色い地層がむき出しになっていた」と証言する。

 地割れは田んぼを20メートル以上にわたって貫き、高さ1メートルほどのずれが生じていた。南側にある道の一部もコンクリート舗装がめくれ上がっていた。

 映像を確認した東北大の遠田晋次教授(地震学)によると、地震活動で出現するこうした断層は「断層崖(だんそうがい)」と呼ばれる。現場は熊本県益城(ましき)町から八代海に延び、今回の地震を引き起こしたとされる「日奈久断層帯」の直上付近にあたるという。現場周辺では、神社の楼門が倒壊したり、南九州道の橋が上下にずれたりする被害も確認されている。

 遠田教授は「地震の主要動が到達した後、数秒遅れて断層崖が出現しているのは、震源から伝わる揺れの速度よりも断層のずれの速度が遅いためだ」と解説。その上で「断層崖が現れる瞬間の映像は極めて珍しい。地震による断層破壊のメカニズムなどを検討する上で学術的価値の高い映像だ」と述べた。