3日間のパフォーマンスに懸ける! 山形大学の花笠サークル「四面楚歌」 山形花笠まつりで躍動
ことしも1万人の踊り手が夏の夜を彩った山形花笠まつり。参加団体の1つ、山形大学花笠サークル四面楚歌は、23年にわたり、祭りに参加しています。3日間のパフォーマンスに懸ける学生たちの思いに迫ります。
今月、山形市。
ことしも開催された「山形花笠まつり」。3日間でのべ1万人を超える踊り手が夏の夜を彩りました。
見物客「花笠が来ないと夏が来た感じがしない」
踊り手「とってもたのしかったです。とっても緊張しました」
掛け声「それ!それ!それ!」
山形大学花笠サークル「四面楚歌」です。300人以上の学生が所属し、ダイナミックで力強い踊りが伝統のサークルです。
掛け声「やっしょまかしょ四面楚歌。それ」
山形市の見物客「(四面楚歌の踊りを)楽しみに毎年来ている。躍動感とか若い子が一生懸命するの大好き」
3年生の佐藤妃奈乃さんは、四面楚歌で演舞するため山形大学に入学しました。手にしているのは自分で作ったかさです。
四面楚歌の佐藤妃奈乃さん「花笠がなかったら多分山形に(残ってない)。それほど花笠は私の中で大きくて私の人生のおとも・恋人」
花笠に情熱を注ぐ、学生たちの思いに迫ります。
8月5日。かさの産地、飯豊町中津川地区。
花笠まつりが行われるこの時期はかさの材料である「すげ」と呼ばれる植物の収穫が最盛期を迎えます。
かさ職人の高橋かる子さん「梅雨がやっと上がったな。今度は暑くて困った。(作業は)8時半ごろから。スゲを干したり様々あってなかなか涼しいうちにできるといいんだけど」
ここ、中津川地区では、伝統的に花笠まつりのかさ作りが行われてきました。最盛期には60人ほどの職人がいましたが、近年、高齢化により、その数はわずか5人に。
生産が需要に追い付かない事態となっています。
花笠生産組合の高橋力夫組合長「高齢化でやめる人ばかりで新しく入る人はいない。でも、あるものをなくすのはおもしろくない。誰かがやらなきゃ残らない」
かさ不足を受けて、生産組合が始めたのが、花笠サークル四面楚歌とのかさ作り体験会です。
藤本恵梨子さん「まさかこの作業全てを手作業でやっているとは思わなくて」
四面楚歌で花笠を踊るため山形大学に入学したという佐藤妃奈乃さん。生産体験は2年目です。
佐藤妃奈乃さん「単純に自分花笠が大好きで花笠が踊れるのはかさがあるおかげ。自分が作れるようになって後輩にも教えられるようにしたい」
7月、山形大学小白川キャンパス。
花笠まつり開幕まで2週間となる中四面楚歌のメンバーたちが練習に取り組んでいました。
かさづくり体験に来ていた佐藤さんたちの姿も。
藤本恵梨子さん「(愛着が)湧きます。いつも家に飾ってるので」
佐藤妃奈乃さん「(生産者の)おばあちゃんたちに見せたい一心というか」
2人は今回、自作のかさでパレードに参加します。
この日のメニューは踊り込み。花笠音頭45曲分、合わせて20分間を踊り続けます。初めての長時間の踊りに、新入生は…。
1年生「疲れる。疲れる。45曲踊るの初めてだった」(本番への意気込みは?)「頑張る」
毎年、100人ほどの1年生が加入する四面楚歌。かさ不足を受けて、去年から、ベトナムのかさも使用しています。
四面楚歌の守谷愛子代表「ベトナム産の方が少し軽くて振りやすいが山形産のほうがかさのふちががっしりしているので掴みやすい。山形産のかさは軸がしっかりしている分折れてしまうがベトナム産は折れにくくて雨風には強いと思う。踊りによってはそれぞれ使いやすさがある」
一方、3年生はことしで引退。現役としては最後の花笠まつりです。
番傘長の梁瀬健太さん「大きい体やダイナミックな動きで踊っています。自分たちの代が一番うまいそんな気持ちで踊ります」
一方、佐藤さんは当日、番傘も披露する予定です。
四面楚歌の佐藤妃奈乃さん「もう切羽詰まってます。いろんな面で。あとは息を合わせるのと体力づくり」
この日の練習は午後9時ごろまで続きました。
佐藤さんは物心つく前から家族と花笠まつりを見ていたといいます。中学生の時、四面楚歌の演舞を見て踊り手を目指しました。
佐藤妃奈乃さん「自分と同じくらいの熱量で花笠を一緒にやってくれる仲間がこんなにいるんだとうれしくなっちゃって。山形大学に入りたいと思ったのもこれから花笠を続けたいと思うのもそれほど花笠は私の中で大きいもの。悔いがないように全力で踊りたい」
迎えた、祭り当日。
円陣の声「やっしょまかしょ!四面楚歌!」
1年生の多くはベトナム産の花笠。一方、佐藤さんたちは、自分で作ったかさで、踊りを披露。
3日間のまつりが終わりました。
四面楚歌の守谷愛子代表「無事に終われてよかった。本当に3日間ありがとうございました」「ここにかけて1年間練習してきたので本番に全て出しきれてよかった。(花笠は)唯一無二。ほかに代えられないもの」
四面楚歌3年生の風見淳大さん「花笠は僕たちの大学生活に彩りを与えてくれる特別な存在」
四面楚歌の佐藤妃奈乃さん「(花笠は)私の生きがい。ずっと続けたいし見たいと思えるものが私にとっての花笠」
踊り手たちの思いも乗せながら花笠まつりは続いていきます。
記念撮影の声「やっしょーまかしょ。しゃんしゃんしゃん!」

