「ヒップな読書クラブ」に1万人集まる…世界が注目した韓国図書館の進化
「映画『パラサイト 半地下の家族』は階層間の人生の格差を実によく描いている。Wi−Fiを探し回るデジタル世界にだけ閉じ込められた低所得層と、デジタルはもちろん、美術やインディアンごっこなどオフラインで豊かな体験をする上流階級との格差を、非常に鮮明に表現している。結局、人工知能(AI)時代には、こうしたオフライン空間での多彩な体験や交流をする人間がより成功するしかなく、そのようなインスピレーションや洞察力を育むアナログ的な感受性の空間を図書館が提供しなければいけない」。
今月10日、釜山のBEXCOで開催された「2026釜山世界図書館情報大会」の会場で取材に応じたソウル図書館のオ・ジウン館長の言葉だ。13日まで開催される今大会は、国際図書館協会連盟(IFLA)が毎年主催する世界最大規模の図書館関連の国際会議で「図書館オリンピック」とも呼ばれる。韓国での開催は2006年のソウル大会以来20年ぶりで、今回は釜山での開催となった。
今年の大会のテーマは「変化を導く図書館」だ。AI時代の図書館をはじめ、未来の図書館の役割について議論する180余件の専門講演や学術セッションが進行された。また、大会期間の前後にはソウルと釜山の主要図書館10カ所で「図書館とAI、文化遺産の保存、緑色転換」などをテーマに世界中の専門家が参加する12件の衛星会議も開催されたが、今大会を主管した韓国図書館協会の副会長を務めるオ館長が「AI時代の図書館の役割」に関する基調講演などを行い、大きな反響を呼んだ。
オ館長が率いるソウル図書館は韓国でいち早く「野外図書館」の概念を導入し、ソウル広場(2022年)、光化門(クァンファムン)広場(2023年)、清渓川(チョンゲチョン、2024年)など、都心の中で読書を体験できるプログラムを運営し、読書層の底辺を広げてきた。こうした試みは、釜山の「海図書館」にとつながったほか、京畿道竜仁(ヨンイン)の「けやき図書館」のように、地域住民のもとに出向いて気候危機やケア(福祉)、資源循環といった地域社会の課題を扱う公論の場を運営し、地域革新プラットフォームに発展している。
また、ソウル図書館は2025年から全国に先駆けて公共読書クラブ「ヒップ読(ヒップな+読書)クラブ」を運営し、再び注目を集めた。このクラブはオンライン上で数百人がグループを作り、カール・セーガンの『COSMOS(コスモス)』といった特定の図書を定めて読書や討論をしたり、著者を招いたブックトークを開催したりするほか、江原道平昌(ピョンチャン)の蕎麦畑など地域の名所を訪れて本を読むなど、多様な形態で展開される読書会だ。
特に昨年「ヒップ読クラブ」が1万人の会員を募集した際には、わずか2時間で定員が埋まるほどの人気だった。さらに驚くべき点は、加入者の81.6%がデジタルネイティブ世代と呼ばれる「MZ世代」という点だ。本よりもユーチューブなどの動画メディアに触れる機会の多い若者が、読書活動にこれほど積極的に参加した背景は何か。
オ館長は「MZ世代の間で読書は『かっこよくトレンディーな活動』というイメージが広まっていて、ソーシャルメディア(SNS)を中心にテキストを『ヒップ』に消費する文化が広がっている」とし「『スマートフォンを握りしめて生まれてきた』と言われるほどデジタル文化に浸っている世代にとって、本やオフラインの空間はむしろ自分たちが初めて触れるアナログ文化として、より魅力的に感じるようだ」と話した。
オ館長は大会期間中、オン・オフラインを通じてソウル図書館などが先導してきたこうした経験を共有しながら、未来の図書館は「質問する力を育む空間」「アナログな体験を提供する空間」「多様なテーマや課題を扱う民主主義的な討論の場」になるべきという点を強調した。
今大会にはおよそ120カ国から3000人以上の世界各国の図書館および関連情報分野の専門家が集まった。参加者は講演や学術セッションのほか、BEXCO内の展示場に設置されたブースで国内外の図書館運営の先進事例を見学したり、経験を共有したりした。また釜山地域の33カ所の図書館や、ソウル、水原(スウォン)、坡州(パジュ)など首都圏の主要な7カ所の図書館を含む計40カ所の図書館を訪問する文化探訪プログラムにも参加した。
韓国図書館協会のイ・ジンウ会長は「過去の図書館が静かな室内で本を読む空間だったとすれば、最近の図書館は本を媒介に人々が集まり、経験を共有する『野外図書館(アウトドア・ライブラリー)』へと進化している」とし「今回の大会は、韓国の図書館の多様な成功事例を提示し、世界の図書館がAI時代にどう変わるべきかという質問を投げかける時間になった」と話した。

