「今のゴチ、空気悪くない?」4万いいねの“違和感”…霜降り明星せいやも明かしていた「重い空気」の正体

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テレビはまだまだトガっている。心に“刺さった”番組を語るリレー連載「今週のトガりテレビ」。今回は、テレビウォッチャーのノブユキが、先日SNSで炎上した人気番組と出演者の関係性について考察する。

【画像】「誰もフォローしないのがキツい」SNSざわついた霜降り明星・せいやのボケ

「今のゴチ、空気悪くない?」

8月9日に放送された『Golden SixTONES』(日本テレビ系)に、『ぐるぐるナインティナイン』の名物企画「グルメチキンレース ゴチになります!」のメンバーが“緊急参戦”した。

登場したのは、増田貴久(NEWS)、せいや(霜降り明星)、倉科カナ、白石麻衣の4人。

「ダジャレッドカーペット」では、せいやと白石が『それいけ!アンパンマン』のカバオになりきって会話したり、ゲームに負け残った倉科に増田が「ゴチも下手くそだから……」と煽り、倉科が言い返したり。SixTONESのにぎやかな空気に乗りながら、ゴチメンバー同士も遠慮のない掛け合いを見せていた。


こうしたやり取りからは、レギュラー番組をともにする出演者ならではの仲の良さが伝わってくる。

ところが、その本家『ゴチ』をめぐっては、つい先日、まったく逆の声がSNSをにぎわせた。

「ゴチの空気が悪いの、みんな感じてるんだな」

現在の『ゴチ』を見ていて空気の悪さを感じると語った投稿が、Xで4万以上の「いいね」を集めるほどバズったのだ。

きっかけとなったのは、7月30日の放送だ。

この日、VIPチャレンジャーとして初参戦したM!LK・吉田仁人が料理を食べようとしていると、増田が横から「おいしい? おいしい?」と何度も声をかけた。増田が以前からゲスト相手に見せてきた、いわば“ちょっかい”のようなボケだった。

しかし、吉田はとっさに「あ?」と強めに反応。すぐに「後で怒ってください」と謝り、スタジオも笑いに包まれたものの、この場面の動画がSNSで拡散されると、「気まずい」「相手が悪かったら終わる」といった厳しい声が噴出した。

一方で、吉田が鹿児島県出身であることもあり、「方言や普段の話し方が出ただけでは」と擁護する声も上がり、ちょっとした議論に発展した。

「空気が悪い」と言われたのはこの場面だけではない。

同じ放送で、せいやがM!LKのヒット曲『好きすぎて滅!』にかけて「うますぎて滅!」と勢いよくポーズを披露したものの、スタジオの反応はやや微妙な空気に。ゲストである吉田が一緒にポーズをとり、場をつなぐ形となった。

この場面にも「誰もフォローしないのがキツい」「ゴチの空気が悪い」「ノリが悪い」といった声が相次ぎ、ナインティナイン岡村隆史矢部浩之)や進行役の羽鳥慎一に対しても「もっと拾ってあげればいいのに」といった批判が向けられ、さまざまなネットニュースでも取り上げられた。

ゴチでの炎上は、今に始まったことではない。昨年12月の放送では、宴会芸が上手くいかずグダグダになった増田が他のメンバーの助けを求め、岡村が敢えて「自分でそろそろ頑張ろか?」と突き放してウケたものの、ネット上では”岡村が増田に説教”と切り取られて増田のファンから批判された。

もちろん、テレビ番組の一部分だけを見て、出演者同士の関係性まで決めつけることはできない。

ただ、興味深いのは、出演者自身も以前から“ゴチ特有の空気”について語っていることだ。

「スベっても全部助けるから」矢部浩之の熱い言葉

せいやは今年3月、『霜降り明星のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で、ゴチの収録現場について言及。オンエアではポップに編集されているものの、実際には自身がどれだけボケても笑いが起きず、現場の物理的な広さも相まって、重い空気になることがあると明かしていた。

芸人枠としてボケるだけでなく、“裏回し”的な役割まで担うようになったせいや。少なくとも、SNSで指摘されている「独特の空気」は、視聴者だけが勝手に作り出したものとも言い切れなさそうだ。

では、その“重い空気”は、メンバー同士の不仲から生まれているのだろうか。

そうとも言い切れない。

増田もまた、自身のゴチでの立ち位置に悩んだことがある。8月4日、矢部浩之が代打パーソナリティを務めた『ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)に増田が出演した際、かつて矢部に自分の立ち回りについて相談したことが明かされた。

その際、矢部は増田に「まっすーはまっすーのままでいい」「好きなだけやって」「スベっても全部助けるから」と伝えたという。ここから見えてくるのは、ギスギスした人間関係というより、むしろメンバー同士の信頼関係だ。

年末のクビ発表では、番組を去るメンバーが号泣し、それを見た他の出演者まで涙する光景が毎年のように繰り返されている。メンバーを入れ替えながら25年以上続いてきたゴチにとって、こうした“家族感”も番組の大きな魅力のひとつだ。

ならば、「ゴチの空気が悪い」の正体は、単純な不仲ではないのだろう。

出演者同士では成立しているボケや雑な絡みも、画面の向こうの視聴者にその関係性が共有されていなければ、「無視された」「失礼なことを言った」と見えてしまう。

さらに現在は、その数秒だけが切り取られ、番組全体を見ていない人にまで届く時代だ。

実際、せいやの「うますぎて滅!」も、スタジオが静まり返った部分を切り取った動画がSNSで広く拡散され、その場面しか見ていない人たちからも「空気が悪い」と批判されることになった。

アットホームさが別の印象で視聴者に伝わった?

だが、冒頭の『Golden SixTONES』を見ると、その印象は大きく変わる。

増田、せいや、倉科、白石という同じゴチメンバーが、番組を移れば軽妙に絡み合い、そのやり取りが素直に笑いとして成立していた。

とすれば、問題は「誰と誰の仲が悪い」ということではなく、現在のゴチという“場”が、それぞれのキャラクターや関係性を、うまく笑いへと変換できているかどうかにあるのかもしれない。

仲が良いからこそ成立する雑な絡みもある。あえてボケを拾わず、放置することで笑いになることもある。ただし、出演者同士では共有されているその関係性が視聴者にまで伝わらなければ、親しさ

長年培ってきたアットホームさは、ゴチ最大の魅力のひとつだ。一方で、その“内側では分かっている関係性”が、画面越しにはまた違った印象として受け取られることもある。

『Golden SixTONES』で見せた4人の軽妙なやり取りは、SNSで話題となった「ゴチの空気」を、また違った角度から見るきっかけになったのではないだろうか。

文/ノブユキ