予防接種なんて余裕のはずが… 元社畜の赤ちゃん転生者を襲う“注射ラッシュ”の悲劇【書評】

【漫画】本編を読む
予防接種は、免疫をもたない赤ちゃんの身体を守るために欠かせないものだ。だが、いざ初めての接種の日を迎えると、その種類の多さには少々驚かされてしまう。親でさえ身構えるのだから、赤ちゃんは何を思っているのだろう。できることなら、本人に話を聞いてみたい。
『赤ちゃんに転生した話』(茶々京色/KADOKAWA)は、ブラック企業に勤めていた元MR(医薬情報担当者)の男性が赤ちゃんのエミに転生し、知識と体感のギャップに翻弄される成長コメディ。赤ちゃんに何が必要なのかを頭では理解できても、赤ちゃんの身体で受け止める刺激は想像以上に大きい。そんな毎日に振り回されるエミの姿に、思わずクスッと笑わされる。
しかし、実際に針が刺さると、知識だけでは耐えられない痛みが襲ってくる。しかも1本で終わるわけではない。2本、3本と注射が続いていくのだから、赤ちゃんの身体には相当こたえるはずだ。泣かないつもりでも痛い。必要なことだと分かっているからこそ耐えようとする姿が、可笑しくも切ない。
読み終えるころには、エミに「よく頑張ったね」と声をかけたくなる。知識では納得していても、痛みは別物。子どもの予防接種に付き添ったことがある人なら、あの日の泣き顔や、必死に耐えていた姿まで思い出してしまうに違いない。
文=アサトーミナミ
