「1泊最高は11万円ではなく約17万円でした」初の費用公開で仰天の支出が明らかに “日本一悪い男”と軽口の県議会議長は震災のさなかに「天国」へ行ったとご満悦《福岡県議会の海外豪遊〉

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“豪遊”といっていいラグジュアリーホテルを使った海外視察。県議会正副議長ポスト就任前に千万単位の現金が飛び交った疑惑。熊本地震発生の夜に与党会派代表者の政治資金パーティー開催…。非常識としか言いようのない醜態が続く福岡県議会で、議会事務局が初めて豪華海外視察の費用の詳細を公表した。そこに現れたのは、知られていた金額をさらに上回る「贅沢三昧」の実態だ。

【写真】1泊11万円超…福岡県議会のハワイ視察で宿泊した“超高級ホテル”と震災直後にパーティーをして「やって良かった」と発言した県議

失言を繰り返す“福岡県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長

「私、海外旅行は続けます…あ、すいません。海外活動です」

海外視察の高額費用が問題視され“福岡県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長(72)が記者会見でそんな失言をしたのが6月。その後も福岡県議会では重大な疑惑や議員の問題行動が噴出している。

「議会事務局は海外視察費の当時の内容を公表しようとせず、会見があった時期はメディアや共産党が情報開示請求で得た断片的なデータしかありませんでした。それでも蔵内議長ら4人の県議が昨年1月にハワイへ行った際に高級ホテル『シェラトンワイキキ』の一泊11万4千円の部屋に泊まり、一人当たり約300万円の旅費がかかっていたことなどがわかっていました」(県議会関係者)

蔵内議長は自分が所属する最大会派の自民党や県議会への批判を鎮静化させるため記者会見に臨んだようだが、県議会では別の深刻な問題が噴出し、議長も再び問題の中心人物になる。

「2020年から県議会議長を務めた吉松源昭県議(58)と副議長だった江藤秀之県議(66)が、就任前に自民党県議団幹部の要求で計約2800万円を払ったとメディアに暴露し、さらに別の2県議が同様の支払いをしたと証言しました。

現金支払いを求めてきたと吉松県議に名指しされた中尾正幸元副議長(61)は疑惑を否認しながら県議を辞職。蔵内議長にも500万円を支払ったとの証言があり、日弁連のガイドラインに基づいて設置する第三者委員会による調査を求める声が高まりました。しかし蔵内議長は『時間がかかる』と言いながらこれを拒む状態が続いてきました」(地元記者)

震災直後のパーティー「やって良かった」、ドンは「ネパールは天国だったぁ」

自民党県議団の燃え盛る炎に、さらに油を注ぐ人物が現れる。

「県議団会長を務めていた松尾統章県議(53)です。7月28日夕、熊本で震災が発生し最大震度が最高の『7』の地域があると伝えられた直後に、『松尾統章ビアパーティ』と称するアルコール付きの政治資金パーティーを北九州市のホテルで開きました。会費は1人1万5000円で500人以上が参加したとみられています。

しかも、甚大な被害が出ていることが確実で、全容もわからない時間帯にパーティーを強行したことへの見解を問われた松尾氏は、生の声が聞けたとして『正直やって良かった』と発言しました」(同)

これに世間は激怒。松尾県議は8月3日になって態度を翻し「被災して苦しんでいる方々にどれだけ失礼な表現だったんだろうと考えた」と話し、県議団会長を辞任すると表明した。だが議員は辞職しないという。

その2日後の5日、蔵内議長は正副議長ポストに絡む金銭授受疑惑で、

「県議会として日弁連のガイドラインに基づく第三者委員会の設置を弁護士会の方に要請したい」

と表明。悪化する世論を前に拒んできた第三者委設置を受け入れる方針転換だったが、この日も蔵内議長は舌禍事件を起こす。

「スーツに身を固めてこの発表をした蔵内氏はその数時間前、ラフな格好で記者団の前に現れ、ネパールの獣医師会との行事のためネパールへ行ってきて帰ったばかりだと説明しています。

蔵内議長は獣医師で、世界獣医師会の会長も務めている関係もあったようです。その記者団への応答を終える直前に『ネパールは天国だったぁ』と満面の笑みを浮かべたのです」(地元記者)

九州のテレビ各局はこの発言と熊本の被災地の惨状を対比させて報道。テレビ西日本は、自民の若手県議が「地元がすごく怒っている。『蔵内さんとつるむなら応援しない』と言われた」と話したと伝えている。

「全議員の宿泊費が県の基準額を守っていたのは2件しかありません」

県議会事務局が今まで情報公開請求をされなければ出してこなかった海外視察の費用などを明らかにしたのはこの翌日だ。

「前回県議選の後の2023年8月から今年4月までに県議会予算を使った23回の海外視察が行なわれており、総額は約2億6496万円に上ります。23回のうち7回は宿泊費が1泊10万円を超え、最高額は24年2⽉のフランス行きで当時の香原勝司議長(59)が1泊16万9000円の部屋を使っていました。

これはこれまで知られていた最高額の11万4千円より高く、2万7200円の基準額の6倍を超えています。全議員の宿泊費が県の基準額を守っていたのは2件しかありません」(地元記者)

さらに県議会関係者は視察目的の検証が必要だと指摘する。

福岡県は獣医師の蔵内議長が主導する形で、人と動物の健康や環境保全を一体的に考える『ワンヘルス』と呼ぶ事業を進めていますが、この事業に絡む視察が7件あり、中国やエジプトを訪れています。これらは本来、県民の税金ではなく獣医師会のカネでやるべきではないかとの声があり、視察目的の確認が不可欠です」(県議会関係者)

これまで情報公開に消極的だった議会事務局が初めて公表をしたのは、県議会とは別に県が設置を決めた第三者委員会の調査対象に県議会の海外視察も含める方針を服部誠太郎知事が示した後のことだ。

もともと県職員出身の服部知事は「蔵内議長が引き立てて副知事から知事に据えてもらったため、蔵内議長の言いなりとみられてきた」(県政界関係者)とされる人物だ。

その服部知事も、1泊13万4千円の部屋に泊まる豪華海外出張をしていたことが発覚。県幹部職員が県議会議⻑らの就任を祝うパーティー券を組織的に購入するなど県庁と県議会幹部との癒着が問題視される中、こうした問題の解明に当たる第三者委の設置を決めた。

その第三者委が県議会の海外視察に手を突っ込むことを蔵内議長の“了承”なしに決めたことで、「服部知事が火の粉を払うため蔵内議長と距離を置こうとしている」との見方が県政界では出ている。

蔵内議長は7月23日に官邸で高市早苗首相と面会した後、メディアに囲まれると「日本で一番悪い男が蔵内勇夫だと言われている」と口にした。そんな軽口を、いつまで叩いていられるだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班