夫が死んで笑った、ロシア衝撃の『黒い未亡人』
ウクライナ戦争の余波が最近、前線を越えてロシア社会全体に広がっている。 経済危機が深刻化する中、入隊した夫の戦死補償金を狙う「ブラック・ウィドウ(Black Widow、黒い未亡人)」詐欺などが社会問題となっている。黒い未亡人とは、夫の死による死亡賠償金などを狙う妻を指す言葉だ。
5日(現地時間)のCNNなどによると、ロシアでは近親者がいない男性などを誘い込んで結婚届を出してから入隊させ、夫が戦死した場合に法的配偶者として補償金を受け取る事件が相次いでいる。ロシア軍戦死者の遺族には最低500万ルーブル(約954万円)の一時金が支給されるが、法的配偶者が優先受領権を持つ制度を悪用したものだ。
先月、ロシアの日刊紙コメルサントは、ロシア中部のイワノヴォ州で入隊予定の男性を誘い込み、形式的に結婚させた後、男性が戦死した際に1521万ルーブル(約2900万円)の賠償金を分け合った疑いで、女性と共犯の2名が逮捕されたと報じた。昨年、ウラル地域のスヴェルドロフスク州でも同様の事件が発覚した。また、軍病院の看護師が治療中の兵士らに個々に接近して騙し、複数人と順に結婚し、彼らが死亡したら補償金を受け取ろうとしたという疑惑も提起された。
このような犯罪の背景には、ロシアが兵力確保のために急ごしらえした制度がある。結婚のハードルを下げ、補償金を大幅に増やしたのだ。ロシア政府は2022年2月のウクライナ侵攻以降、新たに入隊する兵士のために通常1カ月ほど待たなければならなかった婚姻届の手続きを簡素化した。現金報酬も拡大した。連邦政府は新規契約兵に最低40万ルーブルの一時金を支給し、モスクワをはじめとする地方政府も別途入隊奨励金を掲げた。
しかし、兵力確保の効果は限定的だった。むしろ戦争に資金と人員を集中させることで、民間経済の負担ばかり増大した。米シンクタンクのアトランティックカウンシルは、ロシア政府が防衛関連業種には低金利で資金を供給する一方、一般企業や自営業者には高金利と税金を課し、負担を押し付けていると分析した。
世界銀行は、ロシアの経済成長率が昨年の4.9%から今年は1%に鈍化し、財政赤字は国内総生産(GDP)の3.9%まで拡大すると見込んでいる。ロシア中央銀行が集計した先月の企業景気指数も-3.6で、2022年4月以降で最も低い水準だった。モスクワ総合株価指数は先月中旬、2022年9月以降で最大の一日の下落幅を記録した。
戦争や生活苦を巡る不満も表面化している。親政府的な世論調査機関のロシア世論財団(FOM)は、先月中旬にプーチン大統領の政権支持率が1週間で71%から66%に5ポイント下落したと発表した。2022年のウクライナ全面侵攻以降、最大の週間下落幅だった。
戦線の状況もロシアにとっては厳しい。5日付のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、プーチン大統領はドローン部隊を新設し、軍の指揮体系を改編した。ロシア軍はウクライナ東部のドンバス前線で少しずつ前進しているが、今夏の進撃速度は開戦以来最も遅い水準に落ち込んでいる。一方、ウクライナ軍はロシア本土の石油施設や物流ネットワークを狙った長距離攻撃を拡大している。マイケル・コフマン・カーネギー国際平和財団上級研究員は「ロシア軍の指揮官を変えたからといって問題が解決するわけではない」と指摘した。
そんな中、戦争の様相は急速に変化している。ニューヨークタイムズ(NYT)は5日、地上戦が事実上膠着状態に陥り、双方ともドローンや弾道・巡航ミサイル、衛星、人工知能(AI)を活用した空中戦に命を懸けていると報じた。ロシアの先月の弾道ミサイル発射量は、開戦以来の月間最高値を記録した。ウクライナは最近、ますます頻繁にロシア本土を攻撃している。また、ドローンやミサイル、ドローン複合兵器で石油施設や港湾、物流基地まで攻撃範囲を広げていることが明らかになった。
![4月19日(現地時間)、ロシアが占領・統制しているウクライナ東部ドネツク州郊外の墓地で、人々がウクライナ戦争で戦死したロシア兵の墓を参拝している。[写真 ロイター=聯合ニュース]](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/2/6/260cc_204_e19a5ae5_487bd9f2.jpg)
