ABS秋田放送

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(山粼記者)
こちらは秋田市大町にある青少年音楽の家です。

バイオリンやチェロなど、オーケストラで演奏する楽器をのびのびと練習できる場所として長年、親しまれてきました。

しかし、老朽化などのために29年の歴史に幕を下ろし、建物は取り壊されることになっています。

若手の演奏と成長を見守り続けてきた音楽の家、最後の日々を取材しました。

■青少年音楽の家とは

秋田市大町の通称・竿燈大通り沿いにある青少年音楽の家。

先月、この場所にゆかりのある人たちが集まり、最後のコンサートが開かれました。

演奏しているのは秋田青少年オーケストラのメンバーです。

小学3年生から大学生までの12人が週に一度、ここに集まり練習を重ねてきました。

音楽の家は1997年、子どもたちが周囲を気にすることなく、のびのびと演奏できる環境をつくろうと整備されました。

近年は秋田市で活動するオーケストラや合唱団など、3つの団体が演奏会の会場としても活用していました。

レッスンやパート練習、時には演奏会前の“特訓の場”として使われていた小部屋に、音合わせのほかコンサートも開催できる大部屋など、音楽を学ぶための環境が整えられています。

防音対策も万全でそれぞれ練習に集中することができます。

大部屋は天井を高くして音の響きがよくなるように設計。

柔らかな色合いの外壁や丸みを持たせた造りは、子どものための施設として明るさやかわいらしさが表現されています。

しかし、建物の老朽化が進み、引き継いで管理する人もいないため、30年の節目を前に取り壊されることになりました。

■利用者の思い

秋田青少年オーケストラの団長で長年、子どもたちの指導にあたってきた羽川武さん。

音楽の家の創設者の一人です。

羽川さん
「子どもたちが将来いろんなところで音楽楽しむことができるようになればいいなと思っていました」

団員たちもそれぞれ特別な思い出があります。

佐藤みちるさん
「この部屋では音が気持ちよく響いてみんなの音が自然に重なり合います、ここは本当に恵まれた音楽室だったんだなと思います」

安祐賢さん
「僕がこのオーケストラに入ったばかりのころは周りの先輩がとても上手で、僕もいつかあんな風になれるのかと憧れを抱いていましたが、今ではこの青少年音楽の家でコンチェルトを弾かせてもらえてとてもよい思い出と経験になりました」

佐藤しげかさん
「私たちにとっては音楽だけでなく、人とのつながりや温かさも教えていただいた大きな思い出の場所です」

土田翼さん
「音楽の家があったからこそチェロを弾くことができていたので、本当に貴重な場所が自分にはあったんだなと今感じています」

杉原文子さん
「羽川先生のお言葉、いつも喜んでを大切にしながらたくさんの仲間たちと様々な曲に挑戦したり、休憩時間にはたくさんお話をしたりしてたくさんの思い出を作ってきました、きょうは音楽の家への感謝を込めて精一杯演奏します」

■感謝を込めて…ラストコンサート

♪演奏

杉原文子さん
「たくさんの思い出が詰まっている宝物のような場所なのでなくなってしまうのはさみしいんですけど、これからもここで得た経験だったり思い出だったりを大切にしながら過ごしていきたいなと思っています」

母 山本悠子さん
「学校も学年も違う仲間と音楽を通して仲良くなれる空間だったので、毎週ここに来たら仲間に会える、それもすごい上手なお姉さんがいたりとかすごい下のちっちゃい男の子がいてその子と遊んだりとかそういう空間だったのでさみしいけど、もう今まで支えてきてくれた方々に本当に感謝だなって思います」

羽川さん
「(音楽の家で)本当夢のような29年何か月、神様からいただいた空間ですね、これでいい音楽ができたこと本当に幸せでした」

音楽の家でのラストコンサートが幕を下ろしました。

■最後の日…建物には刻まれてきた歴史が

音楽の家に集まる最後の日。

これまでの感謝を込めて団員たちが大掃除をしました。

刻んできた歴史はそこかしこに。

羽川さん
「チェロのピンの穴なんですね、30年間でこれだけ大きくなった」

土田さん
「ここに正面向いて座って横向いて座ってレッスンしていたので思い出します、この穴にさして練習していたのを思い出します」

「30年のごみだって」
「え、30年も使ってるの」
「そうだよ」
「ありがとうね、みんな偉いね」

羽川さん
「子どもたちが楽しくやれるようにしていくのが僕たちの使命だから、そういうことを考えて子どもたちのためになればなと思ってます」

ゆのさん
「ばいばいさようなら、もう会えないけど見守ってね」

羽川さん
「終わった感じがしない」「やり残したことはいっぱいあるけども、一生懸命ギリギリやることやってきたからそれに関しては良かったんじゃないかな」

29年間、子どもたちを見守り支え続けてきた音楽の家。

演奏を重ねてきた人たちの心の中に色あせない思い出としてその姿は残り続けます。

♢♢♢♢♢

(田村アナ)
建物は役目を終えることになりましたが、そこで練習を重ねてきた人にとってはこれからも心の拠り所になっていきそうですね。

(山粼記者)
秋田青少年オーケストラを卒団した人も「いつでも帰ってこられる場所だった」と振り返っていました。

私も取材をしていて本当の家のようなあたたかさがある場所だと感じました。

秋田青少年オーケストラは拠点を移して活動を続けることにしています。

音楽の家は無くなってしまいますが、この場所で育まれた音色や音楽を愛する気持ちはこれからも受け継がれていきます。