毎日50万稼ぐも大損…地獄を見た「ママ投資家」が資産5億円を築き上げた高再現性スイングトレード術
今回登場するちょる子さんは、育休中に“億り人”となったという話題の兼業投資家。株式投資経験のある人なら、“育休中”という短期間で達成した経緯から、デイトレードあるいはスイングトレードで成功した人かな、と推測できるかもしれない。実際、最初に資産1億円を築いたのはデイトレードだった。
となると、「“マネ”するの難しそう……」と思われるかもしれないが、さにあらず。億り人となって以降、数々の失敗を経てたどり着いた現在のスイングトレードは、チャートを活用した手法としてはほかに類を見ないほど、“再現性が高い”と目される。まずは、彼女の投資人生を簡単に振り返りつつ、その手法に迫ろう。
【プロフィール:ちょる子】
大学で薬学を専攻し、卒業後は外資系製薬会社のMR(医薬情報担当者)に。その後、上場会社の広報などを経て、独立。現在は、企業のPRやIRといったPR支援事業を営みながら、株式投資をおこなう兼業投資家。2児の母。’19年から株式投資を本格化させ、’21年1月には早くも資産1億円を達成。その後、幾度かの浮き沈みを経験し、『酒田五法』を活用した大型株スイングトレードというスタイルを確立。’26年時点では資産5億円を突破。著書に『ママ投資家が育休中に1億貯めた株式投資』(ダイヤモンド社)。各種マネー誌、経済番組に出演。
「テクニカル分析」に絞った理由
元手はオリエンタルランド株の売却で得た1584万円。まずはマネー誌を読み込み、そこで推奨されていた銘柄をリストアップし、株価の日々の動きをウォッチすることから始めた。休日には、個人投資家のイベントに参加し、情報収集や投資手法を学ぶという日々を送った。
こうした努力を積み重ねた結果、ちょる子さんは「テクニカル分析」を活用することを決める。株価や指数の過去の値動きを表したチャートを分析して、将来の値動きを予測する投資手法だ。これに対して、国の景気や経済状況、企業の業績や財務などを分析して投資する「ファンダメンタルズ分析」があるが、自分にはテクニカル分析が向いていると判断した。
「直感的に自分に向いていると感じました。初心者のときは、あれもこれもと手を出さず、ひとつの手法に絞ったほうが迷いを消すためにも大事です。自分に向いているものを、できるだけ早く見つけることを心がけるべき。投資に正解はありませんから」(ちょる子さん・以下同)
毎日50万稼ぐ「デイトレの極意 」
翌’19年、第1子の育休に入ったちょる子さんは、本格的に株式市場に参戦する。最初に目をつけたのは、半導体製造装置の世界的企業である東京エレクトロン。当時の東京エレクトロン株の配当利回りは5%を超えていた。米中貿易摩擦の影響で’18年後半から半導体市況が悪化し、売り込まれていたのだ。
ただ、’19年後半からは市況が回復するとの見方や、参議院選挙を控えて株価は上がりやすくなるといった“経験則”などを鑑み、すべての投資資金を東京エレクトロン株に投じた。しかも、現金で買った現物株を担保にして、信用取引も駆使したという。
「当時の株価は1万8000円程度で、1日に500〜1000円くらい株価は上下していました。値動きが軽く、デイトレードに向いていると思ったんです」
彼女のデイトレはテクニカル分析に基づくもので、株価チャートとしては最も一般的といえる「ローソク足」を使っていた。株価が下落した局面で、「1分足」で反発のサインとされる「陽線」や「下ヒゲ」が出たらエントリーをする、という単純明快なもの。
ただし、トレード前には、前日の米国市場や、為替と日経平均先物との連動性のチェック、それをベースにした当日の日経平均株価の着地点の想定、さらに、ターゲットとする銘柄のトレンドを日足で確認しておくなど、周到な準備は怠らなかった。
しかし、億り人となった後、新興グロース株中心のトレードに重心を移したことで手痛いしっぺ返しを食らう 。AI inside社の株に集中投資をしたところ、決算発表後の売りで株価は急落、1日で2400万円の損失を被ってしまうのだ。
「実は、かなりの好決算まですでに織り込まれていたのに、そうした部分を考慮せずに利益だけを追求していました。何の根拠もない、完全にギャンブラーの発想になっていたと思います」
資産5億! 「大型株スイング術 」
1銘柄でのデイトレードから始まったちょる子さんの株式投資。現在のトレードスタイルは、大型株を対象とした、数日から数週間ポジションを保有する「スイングトレード」だ。
「基本戦略は“大型株を安いときだけ買う”というものです。普段はあえてポジションをとらず、株価が下落したタイミングで仕込み、反発したときに売る。このやり方が形になってきたのは’22年からで、トレードにおいて“運”だった部分を再現できるようになった感覚があったんです。ハイテク株が下落基調のときでも、安定的に資産を増やすことができたことで大きな自信になりました」
取材・文:松岡賢治
マネーライター、ファイナンシャルプランナー。証券会社のマーケットアナリストを経て、1996年に独立。ビジネス誌や経済誌を中心に金融、資産運用の記事を執筆。著書に『ロボアドバイザー投資1年目の教科書』『豊富な図解でよくわかる! キャッシュレス決済で絶対得する本 』。■X(旧Twitter)→@1847mattsuu
